今、企業には従来のアプローチとは異なる発想−「イノベーション」が求められている。
従来の顧客の要求へは、足りないものを補うという形で応えることができた。マーケットを分析し、持てる資源を最適に配分することでマネジメント上の解を見つけることができた時代であった。しかし、物に満ち足りた現代では、個々の多様な感性を刺激するような商品を自ら発案し、シーンやスタイルとして提案していかなければ新たな市場を生み出すことができない。
生産性の改善や機能性の追求は日本のものづくりのコア・コンピタンスであるが、感性消費の時代を迎え、全く新しいコンセプトをベースとした商品やサービスの創出(イノベーション)で、世の中の期待を超えることが重要な課題となっている。
そのためのひとつのソリューションが「デザイン」である。
デザインの効果を、インダストリアル・デザインに留まらず「経営上の複雑な要素を統合し、価値を可視化する営み」と捉えると、企業戦略としてのデザインは一段と可能性を増す。ハード・ソフト・サービスをアイデアや知識でつなぎ、企業の意志や哲学、理念を社内外へと伝播する力を持つデザイン。その統合・伝達・創造の連携を可能にする経営、「Design based Management」の強みを本フォーラムでは提唱したい。
デザインという経営資源の価値を最大限に活用し先進的な取組みを続ける企業の事例をもとに、デザイン部門はもちろん、商品開発に関わるあらゆる組織がそれぞれの知恵を交わしイノベ―ションの波を起こすために、デザインにはどのような力があるのかを見直し、その力を活用するための組織の在り方・マネジメントの手法を学ぶことを目的とする。
グローバル化により市場が一体となり、それぞれの多様な文化に合わせた発展や環境問題への対応など、企業にはより一層社会との関わりの中で共存・共進していく努力が求められている。
より上質な生活価値を創造し世界へ向けて発信するために、デザインの側面から、日本の社会・文化・企業の根底にある、未だ埋もれている力や眠っている価値を発掘できないだろうか。本フォーラムをイノベーションを生み出すための一助として頂ければ幸いに存じます。
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