データドリブンのキードライバー組織となるために必要なこと ~キードライバー組織としてのあゆみ~
白川氏は、データドリブンのキードライバーとなるために必要なものとして、“正しいシステム知識”と“生のマーケティングマインド”の2つを挙げられました。「データとは何なのか、システム構造とはどういうものかが分かっていないと正しく扱えません。そして、無機質なデータを見て何を読み取るかという時に、業務知識や現場市場感覚が非常に重要になります」と、白川氏は述べられます。
そして、チームとして信頼を得るために行ってきた努力として、以下の3つを挙げています。
1. 分析請負からデータ活用のパートナーになること。
2. データ分析の仲間作りをすること。
3. 高度な分析技術を「実感」のあるものにすること。
分析請負からデータ活用のパートナーとなるためには、3つの取り組みが行われています。第1に、依頼して良かったと思われるアウトプットを続けられるよう、依頼を受ける時に徹底的にヒアリングをし、依頼の本質を理解できるようにする。第2に、安心して依頼できる仕組み作りとして、依頼や質問に対する応答待ち時間を短縮し、フォローアップを徹底的に行うようにする。そして第3に、より多くの要望に応えるために、チームの人員を3倍に増やすと共に、応答がバラバラにならないように課題を共有化し、重点課題を自ら発信するようにしてきました。
データ分析の仲間作りとしては、アウトプットの共有やインプットメニュー追加のため、分析事例発表会、分析設計演習、マーケティングレクチャーなどが、定期的、継続的に行われています。そして、高度な分析技術を「実感」のあるものにするためは、予兆モデルの活用と正しい検証浸透の取り組みとして施策反応DBを作ると共に、検証サポートの体制を作り、施策登録依頼だけをすれば簡単に登録でき、その後は日々自席のPCから結果が見える仕組みを作っています。これらの努力を続けることで、アウトプットは数倍に増え、リピート率も100%と高い満足度を得ています。昨年度から力を入れているのがダッシュボード、セルフBIの利用促進。全国各地のいろんな立場の人によるデータ活用が広がるよう、サポートしています。
まとめとして白川氏は、「データ活用推進のためには、できる人をいかに増やすか。その人に、いかに伝えてもらうかが鍵になると思っています。そのためには、まずデータの価値が分かる人や、使いたいと思っている人を味方にすることが大切だと思います。それには、ご依頼いただいた一人ひとりに丁寧に対応して、その方のしたいことができたという結果が出るまで徹底サポートすることがポイントになると思います。ITやデータサイエンスは、使いこなしてこそ、ビジネスに活かしてこそです。ITの力、AI の力をすごく実感しています。ビジネスが分かる人、ビジネスを進める人がITの力を自分の体に染みこませ、それを実感して、うまく使いこなしていくことが、これからの時代にはとても大切ではないかと思っています」と述べられ、講演を締め括りました。