CLO Forum 2026 CLO元年!現場任せを脱却し、労働力不足をどう乗り切るか?~経営アジェンダとしての法規制対応とAI・デジタルへの投資判断~

calendar_today開催日時

Online
2026年8月7日(金)13:00 - 16:50
(配信開始12:45 -)

開催趣旨

物流2024年問題を越え、改正物流効率化法が全面施行された2026年。特定事業者には「CLO(物流統括管理者)」の選任に加え、物流効率化に向けた「中長期計画の作成」と定期的な報告が法的義務となりました。これまで多くの企業は、賃上げやリードタイムの延長といった、応急処置的なアプローチで、なんとか急場をしのいできたのではないでしょうか。しかし、これらは労働環境の根本的な解決には至っておらず、法規制が一段と強化された今、これまでと同じやり方を続けていては法規制に対応できないばかりか、事業そのものを継続することすら難しくなってしまいます。

CLOが設置された今、求められている最大の責務は、日々強化される法規制に対応し、物流を現場任せではなく「経営アジェンダ」へと昇格させることにあります。実効性の高い「中長期計画」を策定し、ドライバーや倉庫、配送網の無駄を排除することはもちろん、特定部門の最適化に留まらない「物流の全体最適」を追求し、無理のない物流システムを再構築しなければなりません。今後は投資家に対しても自社の物流戦略について説明する責任がより大きくなっていくでしょう。物流課題はもはや現場の努力に依存するフェーズを終え、経営陣が自ら判断し、責任を持って解決すべき重要事項へと完全に移行したのです。

改正物流効率化法では、荷待ち・拘束時間の短縮をはじめ、物流に関わる全ての労働負荷の低減が求められています。

日々深刻化する労働力不足の中で、これらを達成するにはAI・デジタルの活用は不可欠です。倉庫内の自動化や配送業務の最適化、さらには労働管理のデジタル化などをいかに進め、テクノロジーを活用し、限られた人的リソースで持続可能な物流オペレーションを実現できるのか。これらが今後の企業競争力を決定づけることになります。

第2回目となる本フォーラムでは、「物流×労働」をテーマに、CLOの役割やAI・デジタル活用の重要性を先進企業の事例とともに考察します。CLO元年を迎えた今、企業の競争力に直結する「物流戦略」をどう描くべきか。法規制への対応を最低ラインとし、その先にある企業価値向上を実現するためのアクションプランと、新たな時代の物流のあり方を探ってまいります。

プログラム詳細

13:00 - 13:40

基調講演

物流危機を乗り越えるために企業が向き合うべきこと
― CLO時代に求められる物流戦略と経営の役割 ―

  • 物流危機はドライバー不足だけでなく、長年にわたる価格・取引慣行の積み重ねによって生じた構造的な課題
  • 改正物流効率化法とCLO制度は、物流を経営課題へ転換することを求めている
  • 持続可能な物流を実現するために、CLOに求められる役割と今後の物流戦略を考える

立教大学 経済学部 教授

首藤 若菜

立教大学経済学部教授。日本女子大学大学院人間生活学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。山形大学人文学部助教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス労使関係学部客員研究員、日本女子大学家政学部准教授などを経て、2018年から現職。
専門は労使関係論、女性労働論。
主な著書に「なぜ賃金は上がらないのか:日本経済30年の陥穽」(講談社現代新書)、「間違いだらけの日本の物流」(共著、ウェッジ)「物流危機は終わらない:暮らしを支える労働のゆくえ」(岩波新書)などがある。
中央最低賃金審議会、労働政策審議会労働条件分科会、2030年度に向けた物流総合施策大綱に関する検討会などの公益委員を務める。

講演のポイント

労働の観点から物流業界の構造を研究されている立教大学の首藤若菜氏。
本講演では、深刻化するドライバー不足の背景にある、日本の根深い商慣行や価格構造のリアルな問題、そしてなぜ今「CLOの設置」が義務化されたのかという本当の理由を、これまでの法改正の流れとともに紐解いていただきます。単なる法律への「その場しのぎの対応」を越えて、物流を本当の意味で「経営アジェンダ」に変えていくために、これからCLOが担うべき役割や経営陣が持つべき視点とは何なのか。その具体的なヒントをご提示いただきます。

13:40 - 14:20

事例講演Ⅰ

社内外の「対話」で紡ぐ物流構造改革
~部門の垣根を超えた全社連携と、業界の商習慣是正への挑戦~

  • 全社横断の物流統括体制と社内共有認識の醸成
  • 社外との協調がもたらす、現場の負担軽減と物流持続性向上
  • 未来に向けた基盤強化

株式会社J‐オイルミルズ

執行役員 SCM統括部長

畑谷 一美

1991年に味の素株式会社へ入社、国内営業を経験後に、味の素労働組合(専従)を経て、2003年より物流企画部にてEDI推進等に注力。2008年より味の素物流株式会社にて、味の素グループのロジスティクスプロジェクトを推進。味の素株式会社へ復職後、物流グループ長としてF-LINEプロジェクトの立ち上げからF-LINE 株式会社設立に携わる。2019年より株式会社J-オイルミルズに所属。サプライチェーンコントロールセンター長を経て、2022年より執行役員に就任。

講演のポイント

全社横断での物流構造改革に向け、強力なリーダーシップを発揮して推進に取り組まれている株式会社J-オイルミルズの畑谷氏。 本講演では、同社が推進する「社内連携」と「社外連携」の具体的なチャレンジの全貌を解説いただきます。社内においては、会議体制の構築や「物流ハンドブック」の作成により共通認識の醸成と社内基盤の強化を、社外においては「対話」を基盤に据え、業界全体の壁を越える商慣行の是正にチャレンジされているお取り組みについて紹介いただきます。 経営陣から現場までを巻き込んだ物流戦略のあり方を紐解きながら、社内外との「対話」によって物流構造を変革し、持続可能な物流システムを再構築するための具体的なヒントを考察していきます。

14:20 - 14:25

休憩

14:25 - 14:55

協賛講演Ⅰ

物流危機時代のCLOのあるべき姿
― 物流を起点とした意思決定の再設計 ―

  • CLOとは何を意思決定する役割なのか
  • CLOは何を変革するべきか
  • CLOはどこにDX投資すべきか

PwCコンサルティング合同会社

ディレクター

増田 潤一郎

システムインテグレータにてシステムエンジニアとしてSCMシステムに関わる要件定義、設計、開発、運用保守などの業務に従事した後、現職。
製造業のクライアントを中心に、特に実行系サプライチェーン領域におけるプロジェクトに数多く携わる。
また、サプライチェーンデザインツールを活用した最適なサプライチェーンネットワークのデザインから、サプライチェーン改革の実行、定着までの一貫した支援を強みとする。

講演のポイント

物流は、従来の効率化や現場改善の領域を超え、企業全体の意思決定と密接に結びつく経営課題へと位置づけられています。本講演では、こうした背景のもとで求められるCLOの役割を、単なる物流管理ではなく、サプライチェーン全体を俯瞰した意思決定機能として捉え直した上で、構造・計画・ビジネスモデルにまたがる意思決定の統合の重要性を解説します。さらに、企業としてどのような判断のあり方を強化していくべきかという観点から、CLOが経営からの役割期待に応えるための武器となるデジタル化においては、意思決定の質を高める領域が重要であるという考え方を提示し、経営の視点で物流を捉え直す契機となる内容をお届けします。

14:55 - 15:35

事例講演Ⅱ

サッポログループの持続可能な物流への挑戦
~ロジスティクス人財の育成と異業種共創がもたらす物流の未来~

  • 個社の枠を超えた「共同配送」と持続可能な物流モデルの構築
  • 「競争」から「協調」へ。これからの物流戦略

サッポロビール株式会社

サプライチェーンマネジメント部 企画グループリーダー

井上 剛

1997年
サッポロビール(株)入社。名古屋、関西の物流センター管理等に従事。
2003年
本社サプライチェーンマネジメント部へ異動。
2020年
サッポロホールディングス(株)グループロジスティクス部 グループリーダー、
サッポログループ物流(株)ロジスティクスソリューション部長を歴任。
2023年
国土交通省「高度人災の育成・確保に関するワークショップ」委員
2024年
日本ロジスティクスシステム協会 HRM推進委員
2026年 4月
現職

講演のポイント

個社の枠を超え、他業種との協業による持続可能な物流体制の構築を推進するサッポロビール株式会社。 本講演では、同社の物流領域を牽引する井上様をお招きし、外部との共創による配送効率化のアライアンス事例を中心に、物流を「協調領域」として捉えるこれからの物流戦略のあり方を詳しく解説いただきます。異業種との共同配送を強力に推進する基盤となる、部門横断型の業務変革や社内統合管理の実践論に加え、未来を支える次世代のロジスティクス人財育成への取り組みまでを網羅的に提示。 企業間の垣根を越えた連携による持続可能な物流モデルの構築と、それを動かす組織変革の要諦を学び、自社の次なる成長戦略へと繋げるための具体的なヒントを考察していきます。

15:35 - 15:40

休憩

15:40 - 16:10

協賛講演Ⅱ

物流競争力を再定義する
~エンドツーエンド・オーケストレーションとAIの実践~

  • 「点」の効率化から「線と面」のオーケストレーションへ:倉庫単体の最適化は、もはや経営成果を保証しない
  • AIは「見る技術」から「動かす技術」へ:可視化にとどまらない、実務直結のインテリジェンス
  • 持続可能な競争力は「モダンアーキテクチャ」という土台から生まれる

マンハッタン・アソシエイツ株式会社

代表取締役

髙谷 直秀

マンハッタン・アソシエイツの日本および韓国の事業統括責任者として、サプライチェーンおよびオムニチャネル・コマース・ソリューションの展開を主導し、企業のビジネス変革を支援している。
NECにてキャリアをスタートし、欧米やアジア・太平洋地域におけるグローバル小売業向けICTソリューション事業の責任者などを歴任。その後、インド系グローバルITサービス企業ウィプロ・リミテッドの日本法人代表取締役に就任、国内ビジネスの成長を牽引し、2020年1月より現職。

講演のポイント

物流競争力の焦点は、従来の倉庫内における作業効率や生産性の向上だけではなく、在庫、労務、輸送、フルフィルメントを一体で捉えるエンドツーエンド・オーケストレーションへ移りつつあります。需要変動、人手不足、輸送制約、顧客期待の高度化が進む中、倉庫単体の最適化だけでは経営成果につながりにくくなっています。加えて、その実現基盤として、変化への追随力に優れたモダンアーキテクチャの重要性を整理し、AIを可視化や分析にとどまらず、優先順位付け、例外対応、労務再配置など、現場の意思決定と実行を支える実務技術として位置づけます。倉庫効率を起点に、全体最適、収益性、持続的な競争力へどう結びつけるかを示します。

16:10 - 16:50

事例講演Ⅲ

物流が変われば経営が変わる:CLOが主導する花王の物流改革
ーデータドリブンな企業間連携で実現する、持続可能な物流モデルー

  • 経営課題としての物流戦略とマネジメントの考え方
  • 物流関連法への対応とCLOの役割
  • 現場起点で推進するロジスティクス改革の取り組み

花王株式会社

執行役員 ロジスティクス部門統括CLO(物流統括管理者)

森 信介

1997年にヤマト運輸へ入社し、セールスドライバーとして物流現場の基盤を担う経験を積んだ後、法人営業および経営領域に従事。ヤマトロジスティクス取締役常務執行役員およびヤマト運輸執行役員等を歴任し、国内最大級の物流施設「羽田クロノゲート」をはじめとする大規模拠点の構築や、全国ネットワークの高度化を主導。
2024年10月、花王株式会社に執行役員ロジスティクス改革担当として着任。2026年1月より執行役員ロジスティクス部門統括兼CLOとして、物流を社会課題として捉え、業界横断での連携とデータドリブンなアプローチにより、次世代物流の実現を主導している。

講演のポイント

改正物流効率化法の施行に伴い、今年からCLO体制を確立し、物流を経営の重要アジェンダとして位置づけている花王株式会社。
本講演では、物流事業者でのキャリアを経て同社CLOに就任された森様をお招きし、物流事業者と荷主企業の双方を理解しているからこその視点から、同社が推進する物流改革の全貌を解説いただきます。物流を真の経営アジェンダへと昇格させるための社内体制構築をはじめ、経営層の視点から紐解く投資の優先順位や拠点戦略の考え方を提示。さらに、現場起点で推進されている具体的な事例をご紹介いただきながら、日本の物流全体の変革へ向けた熱いメッセージをお届けします。
法規制への対応を前提としながらも、テクノロジーと企業間の協調を武器に物流を次のステージへと引き上げ、企業価値を高めるための先進的なヒントを考察していきます。

※ プログラム内容や時間は急遽変更となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

開催概要

  • 参加対象者

    経営者・役員、及び、物流・調達、営業・営業管理、経営企画、デジタル戦略/DX部門、IT部門、他事業部門等の管理職の方々

  • 参加料

    無料(事前登録制)

  • 参加定員

    150名

    ※申し込み多数の場合は抽選とさせて頂きます。

  • 参加形式

    オンライン配信(配信環境:vimeo

    ※本セミナーはオンラインでの配信となります。視聴方法はお申し込み後にご案内いたします。

    ※お申込者でない方への視聴用URL共有はご遠慮ください。同じ会社内で複数名でのご参加を予定されている場合にも、お手数ですがお一人ずつお申し込み下さい。

    ※登録時のメールアドレスに登録完了メールを送付いたしますが、万が一届かない場合、大変お手数ですが、customer1@b-forum.netまでご連絡ください。

  • 主催

    株式会社ビジネス・フォーラム事務局

  • 協賛