KPMGの調査によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)を継続的に成果へ結びつけている日本企業は、全体の1割にも満たない状況です。では、AIなどのテクノロジーを活用した変革を「定着」させるためには、どのような要件が必要なのでしょうか。本講演では、成功企業に共通する設計・実装・運用の方法を深掘りし、各種調査や実例をもとに具体的なアプローチを解き明かします。
さらに、AIの概念実証(PoC)を実施しても、業務で価値を創出する高度な活用に至るケースは依然として少数です。「AIが得意なことはAIに、人にしかできないことは人に」という原則を軸に、役割設計とガバナンスを基盤とした現場で成果を生み出す実践的な進め方をご提案します。
最後に、成功の鍵を握るのが「信頼できるデータ」です。データ戦略における重要なポイントと、日本企業が陥りやすい課題を明確化し、どこから着手すべきかを示す実践的なステップをご紹介します。
開催日時
(受付開始 12:30~)
開催趣旨
生成AIの急速な進化は社会的・経済的インパクトをもたらし、単なる業務効率化に留まらず、今後は「AIエージェント」や「フィジカルAI」などの活用に加え、その先にある新たなビジネス機会の創出をはじめとする「戦略としてのAI活用」こそが、競争力優位性を発揮するためには求められています。そこには日本企業独自の強み(現場に根差した暗黙知が多分に含まれる戦略的知識)を徹底的に追求し駆使することこそが、サイバーからフィジカルへのA Iの展開が図れる中で、グローバル競争を勝ち抜くためのキーファクターとなり得ることでしょう。
今回で5回目を迎える「一條リーダーシップフォーラム(ILF)」では、AIを積極的に活用している企業のトップリーダーズをゲストに迎え、それぞれのA Iの活用を中核に据えた経営アジェンダの実現に向け、その変革活動を組織に染み渡らせ機能させるためのリーダーの役割、そして新たな価値提供を実現させるための仕組みづくり等を事例紹介とともに検証いたします。さらには幾多の実践を通じ培われてきた経営者のエッセンス「=暗黙知」とその共有「=形式知化」の可能性・手法などについて、先進的で豊富な知見を有する専門家による解説を加えつつ、ご参加の皆さまとの質疑応答を交え議論を深めてまいります。
マネジメントに携わる皆さまが日頃抱えている課題解決のヒントや新たな気付きをお持ち帰りいただくため、そしてこれからの戦略づくりに役立つ有益かつ実践的な情報提供を目指したプログラムです。終了後に講師・参加者皆さまとの名刺交換や情報交換の場(交流会)も設けておりますので是非、ご参加ください。
プログラム詳細
13:10 - 13:40
基調講演
2026年の経営アジェンダ:経営戦略としてのAI
混沌とする世界市場の潮目を捉え、日本企業は世界をリードする価値創造に、あるいは変革に取り組まねばなりません。 鍵を握るのはAIと人間による知識創造を両輪とした新しい両利きの経営です。今回の「一條リーダーシップフォーラム(ILF)」では、自らが変革の、あるいは知識創造の先頭に立たれる 注目される企業経営者をゲストに迎え、変革とイノベーションを目指したリーダーシップについて学びたいと思います。今後の経営戦略、人事戦略、デジタル化、AIの活用に大きな示唆が得られること、必須です。参加者の皆さまとの質疑応答を交え議 論を深めてまいります。
基調講演としての本講演では、日本企業よるA Iの戦略的活用の基本的な方向性について議論を展開します。
IMD ビジネススクール 教授
一橋大学名誉教授
一條 和生
一橋大学社会学部卒。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。フルブライト奨学生としてミシガン大学経営大学院に留学し、Ph.D.(経営学博士)を取得。一橋大学講師、社会学部専任講師、同助教授、同大学院教授を経て、現職。2003年にはスイスのビジネススクールIMDで教授として勤務。2014年4月より、一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長に就任。そして2022年4月、13年振りにIMDの教授に復帰し現職。
株式会社シマノ社外取締役、ぴあ株式会社社外取締役、株式会社電通総研アドバイザー、十六フィナンシャルグループエグゼクティブアドバイザー、IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネススクール学長、日本ナレッジマネジメント学会会長。
13:40 - 14:30
特別LIVE対談!
変革のリーダーシップ ~ AI変革期における経営者の役割、変革のポイントと勘所
日本ヒューレット・パッカード(現 日本HP)、ダイエー、日本マイクロソフト、そしてパナソニック等の経営と数々の企業変革・再建をフロントラインに立って実行してきた、まさに日本を代表する「プロ経営者」、樋口泰行氏がILFに満を持して初登壇!パナソニック コネクトにおけるAIの活用事例紹介に留まらず、樋口CEOだからこそ語れるこれまでの長年のリーダーシップジャーニーを振り返っていただきながら、企業変革や組織・風土改革を実行するうえでの勘所と難所、そして「AI時代」に突入した日本企業に求められる戦略、変革のポイント、さらには経営者の条件について、旧知の仲である一條教授とともに、本音の議論を通じ、熱く深く検証してまいります!
※本セッション後半にはご参加の皆さまを交えた「質疑応答」の時間を予定しております。
パナソニック コネクト株式会社
代表取締役執行役員プレジデント
最高経営責任者(CEO)
樋口 泰行 氏
1980年、松下電器産業(現パナソニック)入社。ハーバード大学MBA修了後、1992年にボストンコンサルティンググループへ転職。アップル、コンパックを経て、2003年に日本ヒューレット・パッカード社長就任。2005年、ダイエー社長に就任し経営再建を担う。2007年に日本マイクロソフトへ転じ、米国本社Vice President、日本法人社長・会長を歴任。2017年にパナソニックに戻り、専務執行役員およびコネクティッドソリューションズ社社長に就任。2022年4月、持株会社制移行に伴い現職に就任。
IMD ビジネススクール 教授
一橋大学名誉教授
一條 和生
14:30 - 14:40
休憩
14:40 - 15:10
特別講演1
変革を成し遂げた企業から読み解く、これからのDX戦略とは
- 過去の調査結果を踏まえ、DXによる変革を実現した企業の成功要因を解説
- 先進企業におけるAI活用の具体的な事例とその背景
- AI活用においてデータ戦略が重要である理由
- 一條教授との対談
KPMG/あずさ監査法人
Digital Innovation & Assurance統轄事業部 Digital Advisory事業部
マネージング・ディレクター
島田 武光 氏
KPMG/あずさ監査法人 デジタルアドバイザリーサービスラインリーダー。2022年に大手コンサルティングファームからあずさ監査法人へ移籍し、数名規模でR&D組織発の先端テクノロジーを活用したDXアドバイザリーを立ち上げ、約3年の期間で100名規模の組織へと成長させる。現在、デジタルアドバイザリー領域をリードしている。
主な専門領域は、DX戦略策定、AIガバナンス、AI活用の推進、経理業務におけるDX支援、システム導入プロジェクトの検証と支援など幅広く、さまざまな企業でのデジタルトランスフォーメーションをサポートしている。また、多くの上場企業役員とデジタルへの取り組みをテーマに意見交換を行うデジタルセッションを実施し、事例収集や分析を行うR&D組織としての役割も担っている。
講演のポイント
15:10 - 15:50
ゲスト講演
製造業における生成AI活用の課題と解決策
~ ダイキンでの取り組み、そして生成AIの最新トレンドを通して
- 生成AIの最新トレンド
- 製造業における生成AIの活用領域とダイキンにおける取り組み
- 企業変革を推進するためのデジタル人材育成とダイキン情報技術大学
ダイキン工業株式会社
テクノロジー・イノベーションセンター 技師長
(元 株式会社Preferred Networks執行役員)
比戸 将平 氏
2006 年京都大学大学院情報学研究科修士課程修了。 IBM東京基礎研究所 にて機械学習とデータ解析の研究に従事。2012 年に転職後、Preferred Networks では米国子会社で Chief Research Officer、帰国後は執行役員として研究開発とインダストリー協業を統括。2023 年より現職。製造業における最新 AI 技術の導入や人材育成、DX推進に従事。修士(情報学)
15:50 - 16:00
休憩
16:00- 16:30
特別講演2
データ活用とAIが切り拓くモノづくりの未来
- 製造業における経験や知見のデータ活用の課題
- ポテンシャルを解放する、製造業AIデータプラットフォームCADDi
- AIデータプラットフォームの活用による、企業変革への道筋
キャディ株式会社
エンタープライズ事業本部 営業本部 営業部長
村井 達哉 氏
早稲田大学卒業後、ヤフー株式会社に入社。一貫して広告営業に従事し、中小広告主から大手企業まで担当を歴任。営業部長として通信業界、官公庁領域の顧客を担当。「リアルな世界の変革」という挑戦を求めキャディに入社。CADDiのソフトウェア営業の一人目としてセールス組織の組成、顧客開拓を担当。現在は製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」の営業部長を担当。電機メーカー、半導体製造装置メーカー、建設機械メーカーを中心に大手企業のDXを推進。早稲田大学にてMBAを取得。
講演のポイント
「製造業AIデータプラットフォームCADDi」は、埋もれた経験やデータを資産にすることで、業務効率向上だけでなく、経営の意思決定の高度化や人材育成、技術伝承を実現するプラットフォームを目指し、日々進化を遂げています。本セッションでは、プラットフォームの将来構想とテクノロジーの裏側、CADDiが企業変革をどのようにご支援できるかをお伝えします。
16:30 - 17:00
特別LIVE鼎談!
変革のその先へ ~ AI時代における日本企業の課題と勝機
欧米と比べてAI活用が遅れていると指摘されてきた日本企業。世界で注目される米AI向け半導体大手エヌビディアのCEOが「AIの次の波は〝フィジカルAI“」と強調するなど、これからの日本企業、特に製造業においてはAI活用こそが製造現場の仕事や事業展開の可能性を大きく広げていくものと期待されています。本対談では、日米を股にかけAI研究の最前線で活躍し、現在は日本を代表するグローバル企業=ダイキン工業にてAI活用領域の最大化の指揮を執る比戸技師長と、いま製造業が直面しているDX推進やAI活用の課題解決に豊富な知見を有するキャディ村井氏をゲストに迎え、これからのAI時代を勝ち抜くための日本企業の課題と勝機(可能性)について、一條教授が知識創造理論を交え、ご参加の皆さまと共に深く議論を展開して参ります。
※本セッション後半にはご参加の皆さまを交えた「質疑応答」の時間を予定しております。
ダイキン工業株式会社
テクノロジー・イノベーションセンター 技師長
(元 株式会社Preferred Networks執行役員)
比戸 将平 氏
キャディ株式会社
エンタープライズ事業本部 営業本部
営業部長
村井 達哉 氏
IMD ビジネススクール 教授
一橋大学名誉教授
一條 和生
17:00 - 17:10
クロージング
(ラップアップ・セッション)
IMD ビジネススクール 教授
一橋大学名誉教授
一條 和生
17:10- 18:10
交流会
※軽食とお飲み物(アルコール、ソフトドリンク)を用意しております。
講師へのご質問、参加者皆さま同士の情報交換・ネットワークづくりの場としてご利用ください。
※ プログラム内容や時間は急遽変更となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。
開催概要
-
参加対象者
経営者、役員、CxO、CAIO、および経営・事業企画、DX、R&D、企業変革、組織改革、AI担当者ほか、各事業部門の責任者の方々
-
参加料
21,000円(お一人様/税込)
-
参加定員
100名(事前登録制)
-
参加形式
リアル開催
※登録時のメールアドレスに登録完了メールを送付いたしますが、万が一届かない場合、大変お手数ですが、customer1@b-forum.netまでご連絡ください。
-
主催
株式会社ビジネス・フォーラム事務局
-
協賛
- 東京メトロ 日比谷線・千代田線「霞ケ関駅」C4出口直結
- 東京メトロ 丸ノ内線「霞ケ関駅」B2出口より徒歩5分
- 東京メトロ 銀座線「虎ノ門駅」9番出口より徒歩3分
- 都営地下鉄 三田線「内幸町駅」A7出口より徒歩3分
- JR山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線、都営地下鉄浅草線、ゆりかもめ 「新橋駅」より徒歩10分
