日本企業におけるコーポレートガバナンスは、形式的な遵守から、持続的な企業価値向上を後押しする攻めのガバナンスへと本格的な変革期を迎えています。本年のガバナンスコード改訂を受けその動きはますます加速していくことでしょう。本セッションでは、大手企業の社外取締役を歴任し、長年にわたり日本のガバナンス改革を最前線で牽引してこられた成蹊学園 学園長の江川 雅子 氏が登壇し、理論と実務の双方に通じた第一人者の視点から、取締役会の構成や運営のポイント、さらに独立取締役が果たすべき役割や、社内取締役との理想的な連携について、具体的視点で紐解きます。また、単なる監督にとどまらずマネジメント層と協働する「共創型取締役会」へのアプローチを提示。成長戦略を実現し、企業価値を高めるための、取締役会の在り方をお話いただきます。形式主義からの脱却に悩む経営層やガバナンス推進役員の皆様に、変革を駆動させるための具体的な示唆と実践的な知見をお届けします。
Guest Speakers
江川 雅子 氏
成蹊学園
学園長
長谷川 隆代 氏
SWCC株式会社
代表取締役会長
西脇 英司 氏
株式会社日立製作所
取締役会室 室長
森川 宏平 氏
株式会社レゾナック・
ホールディングス
取締役 取締役会議長
岡 俊子 氏
明治大学グローバル・
ビジネス研究科 専任教授
株式会社岡&カンパニー
代表取締役
平野 成明 氏
野村アセットマネジメント株式会社
シニアESGスペシャリスト
廣島 直樹 氏
KPMG/あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
ディレクター
林 拓矢 氏
KPMG/あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
マネージング・ディレクター
諸井 伸吾 氏
株式会社アバント
取締役 COO
開催日時
(受付開始 12:30 -)/
懇親会 18:00 - 19:00
開催趣旨
2015年に適用の開始されたコーポレートガバナンスコードにより、企業は企業統治の仕組みを整え、ガバナンス改革を進めてきました。
3度目の改訂を迎えた今回は、より“稼ぐ力の強化”にフォーカスが当たり、企業には中長期的な成長を見据えた選択と実行が求められます。
経営体制の整備や情報開示といった、形式としてのガバナンスは進んだものの、資本コストを意識した経営や成長投資の促進をはじめとする適切なリスクテイク、株主との建設的な対話を通しての持続的成長ストーリーの具現化など、本質的な財務成果に結びつくための実践が新たな課題となっていることでしょう。
こうした経営能力が執行側に求められる中で、監督機能をつかさどる取締役会はどのような役割を果たすべきでしょうか。
執行サイドの稼ぐ力の強化に向けた選択と実行を叶える監督体制の構築には、ボードリーダシップの推進を具体的な道筋として描くことが重要です。客観的視点を取り入れた経営判断のための取締役会構成の検討に始まり、その判断・実効の評価、後継者計画など、多面的に実行力を向上させることが求められます。そのためには、コーポレートセクレタリー(取締役会事務局)の機能強化も重要な役割を担い、執行・監督両サイドとの連携を図り、単なる調整役に留まらない、実質を得るための機関として機能することが求められます。
本会では企業価値向上を牽引する取締役会の役割と責務を主なテーマに、専門家、社外取締役、企業の取締役代表、機関投資家、など監督機関を取り巻く様々な視点から考察を深めていきます。企業としてのあるべき姿を考え、次なる一手のヒントを得る機会となれば幸いです。
プログラム詳細
13:00 - 13:05
オープニング
13:05 - 13:35
基調講演
企業価値向上を牽引する取締役会。今求められる役割とは
- 企業価値向上を叶える、取締役会の構成とその運営とは
- 取締役会の実効性向上を後押しする独立取締役の在り方とは
~役割と機能するための仕組みづくり、社内取締役との連携などを考える~ - ガバナンスに留まらないマネジメントと協働する共創型取締役会への提起
成蹊学園
学園長
江川 雅子 氏
外資系投資銀行、ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター長、東京大学理事を経て2015年より一橋大学大学院経営管理研究科教授。2022年より現職。東京大学金融教育研究センター招聘研究員、三井物産・三菱電機の社外取締役、日本証券業協会副会長なども務める。東京大学、ハーバード・ビジネス・スクール卒業(MBA)。一橋大学博士(商学)。『現代コーポレートガバナンス』『株主を重視しない経営』などの著書がある。
講演のポイント
13:35 - 14:05
経営者単独講演
SWCCの経営改革を支えた、攻めの経営を叶える取締役会の在り方
- SWCCの経営変革の道のりを支えたボードリーダーシップとは
~事業ポートフォリオ改革の中での取締役会の役割と、改革と同期する体制構築とは~ - あるべき企業像を見据え実践した、ガバナンス改革の道のりとは
- 「執行の現場」と「監督の立場」の視点から紐解く、実効性のある取締役会・経営体制とは
SWCC株式会社
代表取締役会長
長谷川 隆代 氏
新潟大学大学院卒業後、昭和電線電纜( 昭和電線ホールディングス)入社。その後、東京大学 博士(工学)学位取得。同社執行役員技術企画室長、取締役等を経て2018年6月に代表取締役社長就任。同社初の女性トップとなる。2023年4月昭和電線ホールディングスはグループ会社2社と合併、社名を「SWCC株式会社」に変更。
2025年4月代表取締役会長就任、現在に至る。
その他、HOYA株式会社、株式会社荏原製作所の2社にて社外取締役も務める。
講演のポイント
本セッションでは、抜本的な事業ポートフォリオ再編とガバナンス改革を牽引し、劇的な業績V字回復を果たした長谷川会長にご登壇いただき、現場の改革を完遂した「執行トップ」の経験と、経営を導く「監督トップ」という双方の視点を持つ同氏ならではの知見から、事業変革の道のりを支えた具体的施策とリーダーシップをお話いただきます。あるべき企業像を見据えたうえでのガバナンス改革における試行錯誤や、執行を後押しする取締役会の在り方など、SWCCの稼ぐ力を最大化させたボードリーダーシップを紐解きます。
14:05 - 14:45
経営者対談
取締役会実効性向上のためのボードリーダーシップの在り方
~形式に留まらない、ボードリーダーシップの具体的取り組み・道筋とは~(仮)
成蹊学園
学園長
江川 雅子 氏
SWCC株式会社
代表取締役会長
長谷川 隆代 氏
モデレーター
KPMG/あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部 マネージング・ディレクター
林 拓矢 氏
14:45 - 15:00
コーヒーブレイク
15:00 - 15:40
取締役会事務局の
機能向上
日立製作所にみる企業価値向上を支える取締役会事務局とは
~実効性のある取締役会を実現する機能強化と運営の高度化~
- 取締役会の役割の重要性拡大と、事務局に求められる機能
- 取締役会・各委員会の実効性を高める事務局の役割と業務
- 執行側との関係性、連携の在り方と効果的なサポート
- 企業価値向上に貢献する「戦略的パートナー」に向けて~課題と今後の展望 ~
株式会社日立製作所
取締役会室 室長
西脇 英司 氏
1993年日立製作所入社。情報・通信事業部門の人事総務、本社の採用・安全衛生・福利厚生等を担当した後、2015年より日立ヨーロッパ(英国)に駐在。2020年より本社人財統括本部で経営リーダー層の人事及び人財育成施策、指名委員会事務局等を担当。2023年より現職にて取締役会及び指名・監査・報酬委員会の企画運営等を担当。
講演のポイント
日立製作所が進めてきた事業ポートフォリオの再編や親子上場の解消など、大胆な構造改革。その重要な意思決定を支えてきたのが、取締役会と執行側との緊密な連携と、実効性ある取締役会運営です。本講演では、取締役会事務局が単なる会議運営にとどまらず、経営の「戦略的パートナー」として機能するために、どのような役割を担い、取締役会と執行側をつないでいるのか、その具体的な仕組みと実践をご紹介いただきます。また、株主・投資家との対話から得られた示唆を取締役会の議論へと反映する仕組みや、CEO・役員の後継者計画(ボードサクセッション)を支える事務局機能など、成長に向けた経営の意思決定と企業価値向上に貢献する取締役会事務局の在り方を考察します。社長後継者育成の基盤づくりを推進する人材統括本部を経て、現在、取締役会室室長を務める西脇氏より、人材・サクセッションとガバナンス双方の実務経験を踏まえ、経営に伴走する取締役会事務局の役割と、その機能強化についてお話しいただきます。
15:40 - 16:20
成長戦略と取締役会
取締役会の「問い」をデザインする
~社外取締役・投資家の声から考える、監督と執行の新たな役割分担~
- 役割の再定義:改訂コードが求める「不断の検証」を、監督と執行の役割分担の観点から整理する
- 受け手の声:社外取締役・機関投資家へのインタビューから浮かぶ「本当に欲しいアジェンダ・資料」と、執行側が上程するものとのずれ
- 運営の設計:年間アジェンダ、判断に資する資料、執行との事前・事後コミュニケーションの実務の勘所
KPMG/あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
ディレクター
廣島 直樹 氏
公認会計士。一般事業会社を経て、2004年にあずさ監査法人に入所し、上場会社等の監査業務に従事。その後アドバイザリー部門にて、主に経理・ガバナンス改革支援業務を担当。2023年より金融庁企画市場局企業開示課に出向し、金融庁が主導するコーポレートガバナンス改革の事務局を担当。「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム2025」の取りまとめに深く関与するとともに、「取締役会の機能強化の取組みに関する事例集」や「スチュワードシップ活動の実態に関する調査」の作成を主導した。2026年1月に帰任後は、制度設計側での経験を踏まえ、上場企業に対し、取締役会の監督機能や執行側の権限の見直し、取締役会事務局の高度化、コーポレート・ガバナンス報告書の作成支援など、戦略・ガバナンス関連のサービスを提供している。金融庁主催「コーポレートガバナンス実践コンソーシアム シンポジウム」、京都大学経営管理大学院 ビジネスエシックス特別寄付講座、日本ガバナンス研究学会 第17回年次総会特別講演等で登壇。主な執筆に『コーポレートガバナンス改革に関する金融庁の近時の取組み』(旬刊商事法務 No.2400、2401、2404)等。
講演のポイント
改訂コードは、取締役会に「経営資源配分の不断の検証」を求めています。しかし、多くの取締役会では、社外取締役が本当に知りたい論点と、執行側が上程する議題・資料との間に様々なずれが残っています。
本講演では、金融庁でコード改訂に至る実務に携わった経験に、社外取締役・機関投資家へのインタビューで得た生の声を重ね、監督と執行の役割分担を問い直します。
そのうえで、取締役会が「何を問うべきか」を起点に、年間アジェンダの設計、判断に資する資料のあり方、執行との事前・事後のコミュニケーションまで、明日から見直せる実務の勘所を提示します。
16:20 - 16:40
ショートセッション
成長投資を止めない取締役会へ、企業価値を生む「覚悟の設計」
- 「覚悟の設計」への第一歩:成長投資に伴う「良い赤字」と、価値を毀損し続ける「悪い赤字」を、取締役会はいかに峻別するか
- 取締役会の転換:EPやROICを共通言語とし、事業の投資・継続・撤退を判断する場へ
- 成長投資を止めないために:適切な判断条件の設定・モニタリング・軌道修正/資本の再配分に向けた経営管理のあり方
株式会社アバント
取締役 COO
諸井 伸吾 氏
コンサルティングファーム、ファンド、事業会社での経営企画や事業本部長、COOを経験し、2022年4月より企業経営に役立つ情報を探求し続けているアバントグループに参画。
グループCSO(戦略担当)、IR室長、IRコンサルティングを担う株式会社VISTA 取締役を経験し、現在は経営管理ソリューションを担う株式会社アバント 取締役 COOとして、戦略実現に取り組む。
講演のポイント
東証要請や成長投資ガイダンスの公表等を背景に、企業には成長投資を通じた持続的な価値創造が求められています。
その実現に向けて取締役会には、不確実性を管理しながら成長投資を後押しするガバナンス統制が期待されています。
一方で、成長投資に伴う一時的な赤字と構造的な価値毀損を生む赤字を適切に峻別できず、投資の継続・軌道修正・撤退に関する判断基準やモニタリングに課題を抱える企業も少なくありません。
本講演では、「良い赤字」と「悪い赤字」の考え方を起点に、EPやROICを共通言語とした取締役会の意思決定や、成長投資を促進する経営管理のあり方について考察します。
16:40 - 17:50
パネルディスカッション 企業価値向上と取締役会
成長投資の促進とガバナンス
~企業価値向上を牽引する取締役会の役割と責務~(仮)
パネリスト
株式会社レゾナック・ホールディングス
取締役
取締役会議長
森川 宏平 氏
1982年に東京大学工学部合成化学科を卒業後、昭和電工株式会社に入社。2016年に取締役常務執行役員 最高技術責任者(CTO)、2017年に代表取締役社長 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)に就任した。2023年に株式会社レゾナック・ホールディングス代表取締役会長、2025年に取締役 取締役会議長に就任し、現在に至る。
社外では、石油化学工業協会、日本化学工業協会、化学工学会、新化学技術推進協会の会長を歴任。2026年からは日本化学会会長を務めるなど、長年にわたり化学産業および学術界の発展に携わっている。
パネリスト
明治大学グローバル・ビジネス研究科 専任教授
株式会社岡&カンパニー 代表取締役
岡 俊子 氏
一橋大学卒業、米ペンシルベニア大学ウォートンスクールMBA。
アビームM&Aコンサルティング(現PwCアドバイザリー)等においてM&Aコンサルティングに長年従事。現在、明治大学ビジネススクール教授、ENEOSホールディングス、日立建機、アース製薬、ハピネット等の社外取締役を務める。
主な著作に「資本コスト」入門第3版、「子会社売却」の意思決定、「子会社売却」の実務、売却「子会社」のPMI(中央経済社)等。
パネリスト
野村アセットマネジメント株式会社
シニアESGスペシャリスト
平野 成明 氏
野村證券に入社、営業部門を経験後、野村アセットマネジメントに出向し国内株式のアナリスト業務に従事。
その後、国内の公的年金に出向し、スチュワードシップ活動業務を担当。現在は野村アセットマネジメントに籍を移し、責任投資調査部にて、国内株式を中心に議決権の行使、企業との対話(エンゲージメント)を実施。
モデレーター
KPMG/あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
マネージング・ディレクター
林 拓矢 氏
2002年、朝日監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)に入所。あずさ監査法人、KPMGコンサルティングにて、リスクコンサルティング全般およびガバナンスサービスに従事。2020年より金融機関グループのガバナンス・コンサルティング会社にてガバナンスサービスの立ち上げ・リードを担った後、2024年1月にあずさ監査法人に復帰。以来、ガバナンス・リスク管理の領域をリードしている。機械、商社、食品、化学、不動産、人材派遣、エンターテインメント等幅広い業種を対象に、ガバナンス体制・機関設計の見直し、委員会設計、取締役会実効性評価、サステナビリティに関するガバナンス/リスク管理体制構築、生成AIを活用した全社的リスクマネジメント(ERM)体制の構築等を支援。ICGN Japan Forum 2024等に登壇。主な執筆に「ガバナンス改革は資本コスト経営から始まる」(ダイヤモンド・クォータリー 2020年)等。
※ プログラム内容や時間は急遽変更となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。
開催概要
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参加対象者
経営者・役員
経営企画、人事、社長室、総務、ガバナンス推進部門ほか、各委員会担当事務局等、
本テーマに関連する部門のマネジメント層の方々 -
参加料
¥25,000(事前登録制)
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参加形式
リアル開催
※登録時のメールアドレスに登録完了メールを送付いたしますが、万が一届かない場合、大変お手数ですが、customer1@b-forum.netまでご連絡ください。
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主催
株式会社ビジネス・フォーラム事務局
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協賛
KPMG/あずさ監査法人
、
株式会社アバント