不確実な環境での事業投資の
業務プロセスの改善と効率化を支援する
インテグラート株式会社 代表取締役社長 小川 康 氏
事業投資は企業の成長を達成するために不可欠の業務です。しかし、事業投資はその重要性が認識されていながら、多くの人が関わることで意思決定が難しくなり、経験の蓄積も簡単にはできません。1993年の創業以来、不確実な事業環境での事業投資業務支援に一貫して取り組むインテグラート株式会社は、事業現場における実務の理解と、複雑な事業投資の業務プロセスの改善、効率化を、コンサルティングとソフトウエアで支援しています。小川氏には、事業投資業務の指針として役立つ、仮説指向計画法(DDP)のポイントを解説いただくと共に、投資リターン向上を目指す事業投資マネジメントシステムをご紹介いただきました。
不確実な事業の企画・管理の理論「仮説指向計画法(DDP)」
小川氏は「今まで以上に持続的な成長、中長期の目標数値に関する説明責任が問われるようになっている。しかし、まず社内における情報共有ができていないと、経営陣、投資家、関係者への説明もできない。社内における適切な情報共有が基礎となり適切な情報開示が可能になる」と述べられました。例えば、意思決定までは多くの関係者で議論されるのに、実行後は現場任せで担当者や責任者の所在も曖昧。一時的に乗り切るための根拠のない数字を提示するようになり、忘れた頃に同じような失敗を繰り返す。事業投資の課題は、認識されているにもかかわらず、解決、改善されていないものが多い傾向にあります。
このような、不確実な問題の多い事業投資の企画、管理の理論としてDDPが有効に働きます。DDPは、大きな失敗を防ぐリスクマネジメントを目的として、ペンシルバニア大学ウォートンスクール教授イアン・マクミランとコロンビアビジネススクール教授リタ・マグラスが、アメリカ企業にUSD 50 million以上の損失をもたらした失敗例の研究に基づいて開発されたものです。GE、メルク、デュポンなどの大手企業、コンサルティング会社イノサイト等がこれを採用しています。
DDPでは、事業計画は仮説(成功に必要な条件)で構成されているとし、詳細な計画よりも、どのように考えたのかという仮説を明確にすることを重視しています。立てた仮説を継続的に確認し、外れていく仮説に対応して事業計画を柔軟に修正することが求められます。目標数値だけを合意していると、事業環境への変化に対応しにくくなるので、意思決定では数値だけでなく、必ず成功のために必要な条件(仮説)を合意することが大切です。「我々は、何に賭けているのか」という思考を組織的に共有し、仮説は外れてくるものという前提の元、「その仮説は、まだ生きているのか?」を問いかけ、継続的なプロセスを行うことが価値最大化の鍵となります。
事業投資マネジメントシステムとコンサルティングの概要
続いて小川氏は、価値最大化を目的とした事業投資業務支援システムRadMapの製品シリーズを紹介されました。RadMapは大手企業を中心に、既に43社への導入実績があります。プロジェクト評価システムRadMap/projectは、事業やプロジェクトの個別バリュエーション、各事業・プロジェクトの価値の最大化を図ります。ポートフォリオ評価システムRadMap/portfolioは、複数事業や複数プロジェクトのバリュエーション、プロジェクトミックス、製品ミックス、戦略の組合せ等の最適化を行います。不確実な事業投資の仮説を明確にすると共に、定期的なアップデートを継続することによって評価の信頼性が向上。企画業務を支援する専用システムとして、記録を残し、以前の検討内容に基づく事業性とどこが違うかの比較や、他プロジェクト・過去プロジェクトとの比較を容易に行えます。さらに関係者との情報共有を促進する可視化機能も備え、長期間一貫した業務の継続性を支援していきます。
小川氏は「従来のマネジメントの仕組みは、結果の管理に重点を置いていた。新しいマネジメントの仕組みは、常にゴールに注目する」と述べて、講演を締めくくりました。