
開催日:2025年10月23日(木)
会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京
共催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局、 Wolters Kluwer CCH Tagetik
協賛:
プラチナスポンサー: アクセンチュア株式会社、株式会社アバント 、
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社、TIS株式会社、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、株式会社電通総研、PwCコンサルティング合同会社
ゴールドスポンサー: 日本アイ・ビー・エム株式会社
シルバースポンサー:
SIE Japan Technology株式会社、FPTコンサルティングジャパン株式会社、フォーティエンスコンサルティング株式会社
ロゴスポンサー:
株式会社あおい技研、株式会社アカウンティングアドバイザリー、アビームコンサルティング株式会社、株式会社KYOSO、イー・アール・エム日本株式会社、クリエイト システム・サービス株式会社、株式会社SI&C、株式会社ビジネスブレイン太田昭和、FutureRays Consulting株式会社、株式会社ホープス
資本コスト経営の時代を迎え、グループマネジメントにおいても、「規模(売上や利益等の絶対額)」から「率(資本収益性や成長性)」への転換と、さらなる成長への取り組みが各社で進んでいます。しかしながら、近年における地域紛争や関税ショックなど、企業を取り巻く経営環境がますます不透明になる中、稼ぐ力の向上はもとより、グローバルレベルでのオペレーションは一層複雑化し、全社全体最適の視点から迅速に意思決定を下すことの難しさは、否が応でも増しているのではないでしょうか。
今年のグローバル経営 LEADERS Summit 2025では、グローバルなグループ経営にフォーカスをあて、不確実性の時代だからこそ、生き残るために自らで変化・変革を求め、グループの成長と稼ぐ力の実現を目指し、今なお進化し続ける企業の取り組み事例を軸に、グループとしての企業価値向上を牽引する施策などについて、様々な視点から議論を進めていきました。攻めの経営にチャレンジする先進企業の取り組み、そしてさらなる成長と、ビジネス変革を支える次世代経営管理などについてレポートします。


オープニング
持続的成長を支える次世代の経営管理
~ビジネス変革とAIの戦略活用~
ウォルターズ・クルワー CCH Tagetik
日本 マネージングディレクター
箕輪 久美子 氏
グローバル経営LEADERS Summit 2025は、ウォルターズ・クルワー CCH Tagetik 日本 マネージングディレクター 箕輪 久美子氏の登壇で開幕 。CCH® Tagetik が日本でビジネスを開始してから9年。経営管理基盤として日本企業の持続的な成長を支援し、多くの企業に採用されています。
ビジネス変革が大きな経営課題になる中、変革を実現するには事業ポートフォリオ改革の遂行が重要になると箕輪氏は言います。
「具体的には稼ぐ力の強化、投資の原資となるキャッシュの創出が必要です 。ROICなどの目標達成に向け、現場を巻き込みながらPDCAを回していきます 。次に、成長事業への投資とマネジメント体系の整備 。管理体系の異なる複数の事業をESG視点も含めて事業価値を評価し、グループ全体として統合的に管理・ポートフォリオ最適化をしていきます 。ESGの取り組みでは、規制対応だけにとどまらず、攻めのESG経営が求められます 。継続的に成長するための戦略的な事業ポートフォリオを構築し、AIを活用した将来予測やシミュレーションを行い、より高度な経営戦略を策定することが変革のポイントです 」
継続的・積極的な投資を行いエージェント型AIへと進化
ESG経営の推進など、全社的な経営情報を可視化し、ビジネス変革を支える経営管理プラットフォームとなるのがCCH Tagetikです 。財務・非財務を問わず情報を一カ所に集約し、連結管理、事業ポートフォリオ管理、各事業の業績管理、中長期計画・単年度予算管理、ESGなどの非財務情報管理、国際税務などを1つのプラットフォームで実現 。一元管理されたこれらの情報をもとにAI機能を活用し、効果的な分析やレポーティング、開示を可能にします 。
AIを搭載した CCH Tagetikインテリジェントプラットフォームは、一元管理されたデータを用い、プロセスに組み込まれたAIを活用できます 。今後も継続的・積極的な投資を行い、エージェント型AIへと進化させていく予定です 。エージェント型AIにより、例えば異常値検知でデータの精度を上げ、予実対比分析から要因特定を実行 。そして、複数のシミュレーションによって財務へのインパクトを予測し、改善のためのアクションを提案するというように、データに基づきながら、自律的にPDCAサイクルを実行することも可能です」
経営管理領域でのAIの活用は特に海外で増えており、
「CCH Tagetikは、パートナー企業と一丸となり、
基調講演
世界経済動向から考える、不確実性に打ち克つ
マネジメントとリーダーシップ
慶応義塾大学 名誉教授
竹中 平蔵 氏
激動する世界経済の中、新時代に求められるマネジメントとリーダーシップとは何でしょうか。慶応義塾大学名誉教授の竹中平蔵氏は「現在の世界経済は米国のトランプ関税に見られるように、動乱の体制移行の中にある」と言います。世界経済に逆風が吹き、IMF(国際通貨基金)や世界銀行の予測では、昨年に比べ今年の成長率が下がると見ています。
「とくに一番強い逆風が吹くのは、トランプ関税を課している米国経済です。関税は米国の消費者と企業が払うことになるので、米国経済の低下幅が大きくなります」
日本に吹いている「追い風」のチャンスを活かす
一方、日本経済の状況について、竹中氏は「緩やかな追い風が吹いているという認識」と述べ、その理由に半導体を例示します。日本の半導体産業は1980年代半ば、世界シェアの半分を超えていました。ところが、1986年の日米半導体協定の締結以降、日本のシェアは下がり続け、現在に至っています。
しかし、状況は変わり始めています。熊本で台湾の受託生産大手TSMC(台湾積体電路製造)の半導体工場が稼働し、地域が盛り上がっています。従業員の賃金が上がり、地域に小売事業者も増えるなど、大きな経済波及効果を生んでいるのです。
さらに、日本の半導体メーカーであるラピダスが北海道千歳市に最先端の半導体工場を建設し、政府も支援しています。ただ、ラピダスが目指す超微細なロジック半導体には高度な製造技術が求められ、日本での最先端半導体の製造は難しいのではないかと指摘する専門家もいます。
「どうしてそこまでやるのかと、元経済産業大臣の西村康稔さんに聞いたことがあります。彼は言いました。『アメリカ商務省です』と。中国に対抗できるようなサプライチェーンを日本、韓国、台湾が協力する形で作ってもらいたいと。つまり、日米半導体協定の時の逆風と全く異なる追い風が吹いているのです」
スイスのダボスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加すると、日本への大きな期待を感じると竹中氏は述べます。日本へ進出したい企業も多く、日本が世界に果たす役割を期待しているのです。
「その際、海外からよく言われるのが、日本はスリーピング・ビューティ、眠れる森の美女であると。つまり、日本は大きな潜在力があるのに、それを活かしきれていないと言うのです。そう感じる日本人も多いと思います。潜在力を活かすためにも、高市政権には頑張っていただきたいですし、そのチャンスはあります。日本に吹いている追い風をどう活かすかが重要です」
生成AIなどの環境変化に対応する新たな制度を検討
世界経済の不確実性が増す中で、リーダーは企業のマネジメント、自身のマネジメントに何が必要なのか。日本の政治を見ても、これまでとは違う速度で様々な変化が起こっており、「一瞬の判断機会を逃すと大変なことになりかねません」と竹中氏は警鐘を鳴らします。
例えば、香港は中国政府の影響力が強まり、資本や人材が外部に流出しているといわれ、実際に竹中氏が久しぶりに香港を訪れた際に、「活力が薄れているように感じた」と言います。
「ところが、ダボス会議の理事会に参加した際、全く違うことを教えられました。日本の企業は香港から撤退しているように見えますが、米国の企業はどんどん香港に進出していたのです。それはなぜか。米国と中国の対立が思ったほど激しいものにならず、現実的な対応を予測しているからだと。ただ、いきなり中国本土に進出するのはためらわれ、橋頭保として香港に進出していると教えてくれたのです」
国際的な状況の変化に敏感に反応することが、従来以上に大切になるという教訓を得たと言います。また、大きな変化として、生成AIやデジタル技術は新たな産業革命を起こし、非常に速い速度で世界中に広がっています。リーダーは目の前の変化だけでなく、大きな流れを見誤らないことが大事です。
そして、竹中氏は「制度の重要性」を指摘します。2024年にノーベル経済学賞を受賞した、米国MIT教授のダロン・アセモグル氏は制度学派の研究者として、制度の重要性を明らかにしています。例えば、「朝鮮半島の北と南は同じ民族なのに、どうして所得水準が違うのか。それは、制度が違うからだというのです」。
日本もこれまでの制度を見直し、新時代に対応する新たな制度設計を検討する時期に来ています。企業が生成AIなどを使って新たなことにチャレンジする際、新たな制度やマネジメントを考える必要がありそうです。人々の働き方に対する企業の制度見直しだけでなく、「根本的な労働制度など、国の制度そのものを変えなければならない時期がいずれやってきます」と強調しました。
特別講演
日本郵船グループの企業価値向上に向けた
マネジメント変革
日本郵船株式会社 代表取締役・副社長執行役員 Chief Financial Officer(CFO) 兼 経営企画本部長
河野 晃 氏
日本郵船は運航する船舶数が約900隻に及び、ライナー&ロジスティクス、自動車やエネルギー、ドライバルクからなる不定期専用船、客船、不動産などの事業を展開する世界有数の総合物流企業として知られています。
代表取締役の河野晃氏は、2023年に発表した中期経営計画「Sail Green, Drive Transformations 2026」について、「両利き経営と事業変革を掲げ、既存中核事業の深化と新規成長事業への投資を両輪に、これを支える戦略の柱として脱炭素・デジタル・人材・組織の変革を打ち出しています」と語ります 。その戦略を支えるのが、デジタル基盤整備とマネジメント変革の取り組みです。
「当社のDXは経営戦略の『Enabler(実現を可能にする力)』であり、『Accelerator(価値創出を加速させる力)』であると位置づけています 。船舶の安全運航や新造船設計、顧客サービス向上、脱炭素推進、意思決定の迅速化、働き方改革などを含め、全社横断でDXを推進しています」
データドリブン経営に向けて経営管理を強化
同社では、既存基幹システムのサポート終了を見据え、新たなデジタル基盤整備に向けたシステム基盤・業務変革プロジェクトを発足 。その目的は、正確な決算・開示や業務プロセス改革など、安定的なコーポレートサービスを維持すること 。そして、新会計基準など環境変化への対応を踏まえ、ガバナンス強化や業務の質的変革など次世代の働き方・組織に対応することです 。
さらに、新たなシステム基盤として、パブリッククラウド型の基幹システム「SAP S/4 HANA」を導入しました。基幹システムの刷新を幹として、入力データを整備し、データを追跡可能にする「インプット整流化」。蓄積したデータを活用し、ROIC(投下資本利益率)を中心としたデータドリブン経営を進める「経営管理強化」。様々なシステムを連携し、データ利活用を促進する「データ統合基盤・マスタ整備」。これらを柱にフェーズ1のプロジェクトを推進し、2025年7月から新基幹システムの稼働を開始しています。
なかでも経営管理強化に向けて同社は、CCH Tagetik を導入。経営数値・KPIの見える化や、予算作成プロセスの合理化、予実管理頻度の向上といった各種指標の可視化を可能にしました。河野氏は「インプット整流化により、9割以上のコストをグループ直接賦課とすることで全社・各部門のヒト・モノ・カネの戦略に関する議論がさらに深化し、データドリブン経営が進展する」と期待を寄せます。
会計財務のみならず、人事・営業・脱炭素などでAIを活用する計画
業務変革プロジェクトの開始前は、システム・業務の属人化やブラックボックス化が大きな課題だったと話す河野氏。
「新たなシステム基盤により、標準プロセスの整備とAI活用基盤を構築できました。働き方の次世代化に向けた業務の自動化・最適化や、データドリブンな意思決定を可能とする土台ができたと認識しています。今後は人とAIの協業による提案型業務への移行を目指しています」
フェーズ2に向け、変革プロジェクトチームを部に昇格し、課題発見からトランスフォーメーションまで主体的に実行する組織体制を構築。SAP S/4HANA とCCH Tagetikの2軸を起点にAI活用を見据えた今後の展開、変革ロードマップの策定を進めています。
「システム基盤とAIの活用案では、月次決算の自動化や異常仕訳の検知といった『会計財務領域』のみならず、人材配置の最適化や人事プロセスの可視化といった『人事領域』。顧客対応の最適化や営業案件の優先順位付けといった『営業領域』。GHG(温室効果ガス)モニタリング管理やカーボンクレジット運用管理、脱炭素戦略のモデル化・分析などの『ESG(脱炭素系)領域』。これらにもAIを活用した業務効率化・高度化を進める予定です」
こうした取り組みを進める上で、組織体制はコーポレート部門(技術本部、経営企画本部、総務本部、サステナビリティ戦略本部)での横の連携と、司令塔がリーダーシップを発揮することが重要になると河野氏。「当社では経営企画本部にある経営企画統括グループと、技術本部にあるDX推進が一体となって推進する体制を目指しています」と語ります。
今後の取り組みとして、人事領域では人事システムの刷新、業務改革を推進するとともに、ESG領域ではサステナビリティ経営を企業の根幹とするため、手始めにKPI運用管理のDXを推進。営業領域ではCCH Tagetikを拡張して既存の営業システムに連携させ、事業部予算業務への対応を検討しているところです。
DX推進は企業価値の創造・向上に大きく寄与し、「急速に変化する外部環境において適時適切に経営状態を把握できる経営管理プラットフォームの構築は必須になる」と河野氏は強調します。
「経営管理により、ガバナンスとリスク管理の高度化と、投資の機会を逃さない成長戦略のバランスをとることが重要です。今後も、業務とシステムの両輪で変革を続け、全社的なデータ統合、AI活用を進めることで、持続的な企業価値の向上を目指していきます」
事例講演
真のROIC経営実現に向けたリコーの取り組みの軌跡
株式会社リコー デジタル戦略部 プロセス・IT・データ統括 副統括長 兼 コーポレートIT統括センター所長
浜中 啓恒 氏
コロナ禍で顧客企業の在宅勤務が広がるなど、リコーを取り巻く事業環境が大きく変化する中、同社は変化対応力を備えた経理へと改革するプロジェクトを開始。ガバナンス強化やファイナンス強化、事業への貢献を目指して、15の改革テーマを設定しました。
事業への貢献の分野では、資本効率(ROIC管理、キャッシュ創出能力強化)と、予算(予算策定・執行管理の高度化、予実管理の高度化)をテーマに改革を実行。同社のデジタル戦略を担う浜中啓恒氏は、その経緯を「経理業務を支える基盤としてグローバル共通基盤(DWH、マスタ)、財務会計システムとともに、業績管理(個社予算管理、連結決算管理)システムにCCH Tagetikを導入。2025年度から本格的に稼働を開始しています」と説明します。
Insightの可能性を広げるCCH TagetikのAI機能
「CCH Tagetik導入の目的は、ROIC経営管理を含めた業績管理業務の高度化と3M(面倒、マンネリ、ミスできない)業務の撲滅です。現在、CCH Tagetikの利用者数は約2,400名。連結決算管理や経費予算策定、予実績管理といった業務で利用しています。3M業務の削減による年間約700人月の工数削減や、事業別からより詳細な事業セグメント別ROIC管理へ移行することで、きめ細かなポートフォリオ管理や採算性管理の実現を期待し、導入しました」
CCH TagetikのAI機能を活用したInsightの可能性については、「当社ではCCH Tagetik社と共に機械学習と生成AIをベースに、データ収集、原因分析・モデル作成、予測データ作成、分析・報告書作成の各プロセスに合わせたAI機能の活用について検討を進めています。第1ステップとして、CCH Tagetik上のモデルを使い、業績結果と相関性の高いビジネスドライバーを分析する機能と、生成AI(Microsoft Copilot)を活用したレポート作成を当社の業務に当てはめて検討しています」と語り、AI活用の模様をデモで取り上げました。
デモでは各事業部の月次報告レポート作成にAIを活用する場面を紹介。「CCH Tagetik上にあるデータを連携することにより、データの探索・更新の工数削減や、転記ミスの削減が可能となります。そして、洞察を深める点においては、CCH Tagetik上で実行した機械学習によって、売上に相関するビジネスドライバーを探索でき、売上の増加・減少の手がかりを提示してくれます。また、生成AIを利用することで、数値からInsightを生み出し、文書化のサポートにも貢献することを期待しています」とAI活用の手ごたえを話します。
各事業部の月次報告レポート作成は従来、月次決算締めから10営業日ほどかかっていましたが、AIの活用で示唆出しまでのリードタイムを短縮して作成できるようになりました。さらに、経理業務改革におけるデータ利活用・洞察の効率化・標準化・高度化と、連結数値・予測分析・文書化の一体管理が促進されると期待されています。
グローバル共通基盤の構築で経営管理、業務プロセスを改革
ROIC経営に向けた同社の取り組みの軌跡も明かされました。同社はデジタルサービスやデジタルプロダクツなど5つの社内カンパニー制を導入し、顧客に寄り添った製品やサービスを提供しています。グローバルなビジネスを支えるIT基盤は、①業務基盤(CRM、ERP)、②共通データ基盤、③共通セキュリティ基盤、④共通経営基盤(連結決算、業績管理)、⑤共通インフラ基盤(コラボレーション、ネットワーク)の5つに分けて設計。グローバル共通基盤構築による経営管理改革、業務プロセス改革の実現に向けて、現在は①業務基盤において各極(リージョン)でクラウドシフトを推進しているところです。
共通経営基盤の業績管理についても、様々な変遷をたどってきたと浜中氏は振り返ります。
「例えば、2000年代に会計マスタを定義し、商品コードのデータ収集を始めたものの、パフォーマンスの問題で会計マスタの変更を余儀なくされました。その後、再定義した会計マスタを利用していましたが、マスタマッピングが複雑で、毎年変更も必要であるため、意図した通りの集計データとなりませんでした。グローバルでマスタデータの精度・鮮度が常に保たれていないと、目指す業績管理は困難なことを学びました」
現在は3回目となるグローバル共通の会計マスタを定義し、極ERPに同じコードを実装することを前提に設計。各統括会社のCFOと進め方を合意し、ITや経理、マーケティングなど関連部門と協働で標準化を推進しています。
締めくくりに、浜中氏はコンポーザルなITアーキテクチャによる業務効率化をフォーカス。CCH TagetikはSoR(System of Record)やSoI(System of Insight)の領域では優れた機能を備えているが、3M業務の撲滅に向けては、SoE(System of Engagement)の領域であるUI視点ではさらに改善余地があると述べています。
「データの可視化が可能なBIツールなど、複数のソリューションを組み合わせ、業務効率化を目指すこと。それによって皆が使いやすいシステムとなり、システム自体の価値も上がると考えています。今後、業務の集約化や自動化を進め、さらなる効率化を図っていきます」と展望が語られました。
ブレイクアウトセッション1【ビジネス変革】 <artience & 電通総研>
artienceグループの経営を支えるCCH Tagetik導入事例
~事業ポートフォリオの戦略的変革に向けた経営管理業務の効率化・高度化の取り組み~
artience株式会社 グループ財務部経営管理グループ 岩出 克磨 氏
株式会社電通総研 グループ経営ソリューション事業部 プロジェクトマネージャー 篠原 裕美 氏
artienceは印刷インキの製造販売を祖業として創業129年、世界23の国・地域で事業展開する化学メーカーです。持続的に企業価値を高め、PBR(株価純資産倍率)を向上させるために経営管理の高度化を進めています。ROICを管理指標とした事業ポートフォリオの戦略的変革に向けた検討を行う中で、「非効率なデータ収集や財務部門での作業工数確保といった経営管理業務の課題が浮かび上がり、この課題解決のために次期経営管理システム導入の検討を始めました」と同社の岩出克磨氏は話します。
基幹システムの刷新のタイミングであったこともあり、新たなシステム・業務フローも同時に検討を行い、次期経営管理システムとしてCCH Tagetikを採用しました。
入出力画面の操作性や多言語対応などを評価
CCH Tagetikを選択した理由について岩出氏は次のように語ります。
「決め手となったのは、充実した経営管理機能です。高い操作性、データ加工が容易なことに加えて、多言語対応も魅力的でした。新基幹システムのSAPとの連携実績も豊富で、データ連携をスムーズに行えると考えました」
また、経営管理システムの導入実績やCCH Tagetikに関するノウハウも豊富である点を評価して、電通総研を導入パートナーとして選定しました。
CCH Tagetikの導入は段階的に実施しました。ステップ1はシステム基盤確立として位置づけ、管理連結業務のシステム化に着手し、非効率な手作業の撤廃を目指すとともに制度・管理データの一元化を進めました。ステップ2はSAP導入に合わせたシステム拡張として、従来BIツールで実施していた業績管理業務に続いて、予算推定業務を段階的にCCH Tagetikの適用範囲に拡張しました。
「この結果、様々なシステム間での非効率なデータのやり取りがなくなり、SAPとCCH Tagetikを軸とするシンプルなシステム構成に移行することができました」
また、グローバルな経営管理システム基盤を導入できたことに加え 、業務効率化で生まれた工数を活用し、事業別ROICを管理指標とする業績管理の導入を実現できました。今後は、「CCH Tagetikのデータ集約機能を活用し、財務情報にとどまらず、人的資本管理など非財務情報の集約と活用を目指すとともに、ROICツリーやKPI管理を推進していきます」と岩出氏は展望します。
Excel管理からの脱却やデータ整合性の確保を実現
続いて、導入パートナーである電通総研の篠原裕美氏がartienceのCCH Tagetik活用ポイントについて説明しました。ポイントの一つが、手作業で行っていた「Excel管理からの脱却」です。CCH Tagetik導入により、オンラインでのデータ入力・閲覧に加えてデータ収集、計算が自動化され、本社側のフォーマット準備作業や収集業務にかかる手作業が大幅に削減されています。
機能面では、CCH Tagetikには標準でワークフロー機能が装備され、関係会社のタスク進捗状況を把握できるようになりました。CCH TagetikのETL機能を活用し、「他システムとの連携も自動化され、データの一元管理や、オンライン化による業務の効率化、高品質化が進んでいることもポイントです」と篠原氏は話します。
また、制度連結システムへのデータ連携による「データ整合性の確保」もポイントです。従来、バラバラに管理されていた制度・報告データをCCH Tagetikに集約することで、経営管理情報を一つの基盤で一元管理でき、効率よく収集・連携できる仕組みを構築しました。篠原氏は「データの一元管理により、財管のデータ整合性や一致性が高まり、制度と管理で数字が食い違うリスクが減るなど、正確性や信頼性の向上に貢献しています」とその成果を挙げました。
そして、CCH Tagetikを活用した業績管理データの集計、分析の具体例を紹介しました。事業別の数量や売上高、限界利益などを年度別、会社別に管理することで、各事業の業績を予算や前年と比較しながら、効率的に分析できます。「これにより、為替の影響分析も行え、レートの影響を排除した予実分析や前回の為替との比較など、為替変動の影響を一元的に把握・分析を年度別、業績別に管理することで、経営管理の高度化と効率化が可能になる」と篠原氏は話します。
現行システムからスムーズに移行可能なCCH Tagetikの柔軟性、拡張性についても解説。CCH Tagetikには様々なデータを自由に設計・管理できる領域があり、入力画面の設計自由度が高く、任意のデータ構造の設定が可能です。「段階的なシステム拡張を通じ、安定した運用と継続的な改善が可能になり、今後の業務拡大や新たな要件にも柔軟に対応できる体制を構築できます。CCH Tagetikは、経営管理業務の効率化・高度化のみならず、企業全体のデータ活用力や経営基盤の強化に貢献します」と篠原氏はその可能性を強調しました。
ブレイクアウトセッション1【業務改革】 <TIS>
味の素冷凍食品様における経営管理基盤の刷新とその効果
~予算業務の削減と即日レポートを実現!
CCH Tagetikが変えた経営管理の現場~
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 エンタープライズサービス事業部 経営管理サービス第2部 チーフ 谷 徳斗 氏
TIS株式会社 ビジネスイノベーション事業部 ファンクション&プロセスコンサルティング部 部長 團野 洋 氏
経営管理業務の効率化や高度化に向けて、具体的なCCH Tagetik導入の進め方や、導入後の効果に関心を持つ経営管理担当者は少なくありません。TISのエンタープライズサービス事業部の谷徳斗氏は、同社が手掛けた味の素冷凍食品の経営管理基盤の刷新の事例を通じ、CCH Tagetik導入のリアルを語りました。
まず、味の素冷凍食品が抱えていた課題と背景についてこう説明します。
「Excelで予算を作成していたため、オペレーションミスの発生や作成時間がかかるという課題を長年抱え、データの一元管理による予算業務の効率化が急務でした。また、組織変更により、配賦要件が複雑化し、明細データのレベルで配賦を実施したいという要望もありました。システム保守担当会社との連携など、プロジェクト関係者を巻き込みながら、業務課題を解決できる新システムを導入することがプロジェクト推進の要件でした」
業務要件に応じてAWとFWの機能を配置
こうした業務課題を解決するため、CCH Tagetikを選定。その理由について、谷氏は「CCH Tagetik内で明細管理ができることと、柔軟な配賦設定ができること」を挙げます。CCH Tagetikはアナリティカルワークスペース(AW)の領域において、RDB形式で予算値の根拠となる明細データの収集・保持と、明細レベルでデータ加工が可能です。また、ファイナンシャルワークスペース(FW)の領域では、明細データを分析軸単位で集計し、多軸分析による報告用レポートの作成が行えます。
CCH Tagetikは明細データと集約データをシームレスに連携して分析が可能なことや、AW、FWのそれぞれで処理するための標準機能が装備され、「要件に合わせて柔軟に対応できることもポイント」と谷氏は評価します。
それでは、CCH Tagetikで味の素冷凍食品の課題をどのように解決したのでしょうか。まず、配賦要件の課題に対しては、適切な機能配置で対応。AWで明細レベルの予算値データを収集し、配賦処理をはじめとした明細データの加工を機能として実装するなど、明細レベルで配賦が実施できるように機能配置が行われています。
FWでは配賦結果を集計したデータを多軸分析できるレポートを整備。AWにある明細データをドリルスルーによって即座に確認するなど、AW、FWにそれぞれ機能を配置することでシームレスなデータの連携・分析が可能となりました。予算業務の効率化や、プロジェクト関係者を巻き込んだシステム刷新の要件については、アジャイル型開発の導入で解決しています。
「味の素冷凍食品ではCCH Tagetik導入後、業務効率化で担当者が分析や提案業務に集中できるようになり、働き方の変化という効果が見られました 。マーケティング本部では、予算管理のシステム化により、予算作成時間が120時間、例年比で約88%削減。データの一元管理によるオペレーションミスの削減や、AWとFWのシームレスな連携による損益レポートの即日化を実現しています。効率化で生まれた余剰時間は現場の高度化に充てられ、企画部門だけでなく、営業や製品開発など様々な部門の方々がデータで意思決定できるようになったのです」
プロジェクト成功のカギは実現性と連続性の明確化
続いて、TISの團野洋氏が、管理会計業務の見直し・システム化構想に向けたコンサルティングサービスの活用法について解説しました。團野氏が所属するビジネスイノベーション事業部は、システム企画構想や提案依頼書(RFP)作成を強みとしています。加えて、「経営管理領域では業務要件定義も手掛け、システム要件定義や導入についても、当社エンタープライズサービス事業部と手を携え、ワンストップでお客様のプロジェクトを支援しています」と同社の特徴を説明します。
プロジェクトに携わる人・データ・費用など、さまざまな制約の中で 、成功のポイントは実現性と連続性にあると團野氏は言います。
「構想の段階で実現性を考慮したあるべき姿、目指す方向性を明確にします。そして、その方向性を業務要件やシステム要件として定義し、設計・開発に反映させる、シームレスな連続性が重要です。当社は経営管理領域において、実現性と連続性に関わる豊富な実績があります。CCH Tagetik導入でも標準開発プロセスを整備するなど、経営管理製品の知見を蓄積しています。また、SIerとしてのシステム構築の知見やAIの知見を活かしながらワンストップサービスを提供できることも強みです」
さらに、経営管理領域の経験と導入事例から、プロジェクト成功に必要な要素について説明。改革方針の明文化と要件の精緻化、データの現物確認と業務要件・システム要件の精度向上とともに、「プロジェクトに参加する関係者の当事者意識を醸成すること、関係者の認識を一致させるプロジェクト基盤を構築することが肝要です」と團野氏は強調しました。
ブレイクアウトセッション1【AI/最先端テクノロジー】 <PwCコンサルティング>
AIを参謀に従えた経営意思決定の姿
~データ標準化・一元管理を経営判断の高度化につなげる~
PwCコンサルティング合同会社 パートナー
竹内 佑輝 氏
データとAIは業務効率化にとどまらず、計画策定やシナリオプランニングなど経営の中枢で活用されるようになり、経営者はデータ・AIを活用して経営判断を行う将来の姿と、その移行へのアプローチを模索し始めています。
こうした状況を鑑み、PwCコンサルティングの竹内佑輝氏は、データ・AIを活用した企業の意思決定・経営判断の将来像や、テクノロジーの発達状況を踏まえた企業経営の要件、さらに将来像に向けた経営管理プラットフォーム導入の意義について解説しました。
AIエージェントが参謀として経営者の意思決定をサポート
竹内氏はデータ・AIを活用した経営の将来像の例として、経営層とAIエージェントの質疑応答で行われる業績報告会議の姿を紹介しました。例えば、報告会議において、会議参加者の質問に対してAIエージェントが資料を参照して回答する。出張中に、訪問先のビジネス状況をAIエージェントに質問して把握し、効果的な討議に備える。あるいは、通常業務でAIを活用して業績分析業務を高度化するなど、「AIエージェントが経営参謀のようになれば、場所や時間を問わず、グローバルな業績分析をいつでも、どこでも行えます」と竹内氏は経営の将来像を描きます。
そして、同社の顧客企業が意思決定でAIを活用する事例を紹介。ある輸送機メーカーでは需要予測AIとシミュレーションを活用し、経営層と現場が同一の根拠を元に予算を検討する仕組みにより、予算目標の合意期間を従来の4.5カ月から2カ月に短縮しました。
また、ある製造会社ではAIによる業績分析、環境変化の自動検知によるビジネスインパクトの予測、業績影響のシミュレーション、最適な経営資源配分の自動提案などにより、迅速かつ適切な意思決定をサポートする仕組みを構築中です。
「こうした意思決定の際に適切なAI機能を呼び出す『経営参謀エージェント』が経営者をサポートします。そして、必要なAI機能から段階的に取り組んでいけることがポイントです」
続いて、経営を取り巻く環境とテクノロジーの発達状況を踏まえ、企業経営に求められる要件が語られました。
「企業を取り巻く環境の変化が複雑化し、不確実性の向上から従来の計画策定の見直しが迫られています。さらに、非財務資本を含む価値構造の複雑化により、財務中心の思考からのシフトが求められる一方、労働人口の減少のなか限られた人材でこれらの課題に取り組まねばなりません。
その対応策として、当社では『価値創造経営』を提唱しています。従来の財務を中心とした業績管理から、非財務までひもといて管理する価値創造経営を行う必要があり、その実現にはデータとAIの活用が不可欠です」
プロセス可視化や計画策定に向けてCCH Tagetikを導入
企業の意思決定にデータとAIを活用する将来像に向け、経営管理プラットフォーム導入の意義を竹内氏はこう説明します。
「経営管理プラットフォームの導入では、その過程におけるデータ入力、加工プロセスの整流化、つまり、データ標準化が最重要ミッションです。その理由は『表計算ソフトのバケツリレーからの脱却』にとどまらず、経営管理プラットフォーム導入の本来の目的である『意思決定の高度化』への道が開けるからです」
経営管理プラットフォームのCCH Tagetikの事例として、予算編成を表計算ソフトバケツリレーで行っていたという重工業会社を取り上げました。この企業はデータ転記・加工負荷の軽減、効率化を目的にCCH Tagetikを導入。管理画面にデータを入力することで表計算ソフトでの授受がなくなり、転記ミスが低減できたほか、CCH Tagetikのワークフロー機能を活用し、予算編成のタスク進捗やプロセスの可視化に成功しました。
また、ある運輸会社では路線別収支をタイムリーかつ正確に把握し、将来思考のシミュレーション基盤を構築するために、CCH Tagetikを導入。人手で行っていた配賦計算処理を自動化し、標準化やワークフローによる進捗の可視化を図ることで、関係部署への配賦計算結果の展開と説明のスピードアップを実現しています。
ある製造会社では事業部へ予算編成方針を伝える上で、従来の表計算ソフトベースから経営管理プラットフォームでのシミュレーションを実現し、目標設定の意思決定を高度化するためにCCH Tagetikを導入。その結果、為替レートや需要量変動などの経営ドライバーを変数とした複数シナリオの作成とバージョンの保持、データの一元管理による分析・意思決定への業務シフトが可能になるなど、未来志向での計画策定の実現を目指していると言います。
これらの先進事例に見られるように、「経営管理プラットフォームは、意思決定を高度化するための基盤と捉え、データ整備に注力するとともにAIの活用を検討、実行していくことが重要です」と述べました。
ブレイクアウトセッション1【グローバル経営管理】 <デロイト トーマツ コンサルティング>
日本発グローバル経営管理の多様な現実解
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナー
藤原 章博 氏
グローバルな経営管理の必要性やあるべき姿を理解していても、「事業部や地域でデータが統一されておらず、システムも異なるので対応が難しい」という日本企業の声が聞かれます。そうした企業に対し、デロイト トーマツ コンサルティングの藤原章博氏は様々な「現実解」について話しました。
重要性が高まるグローバルな連結経営管理システムの中でも、「CCH Tagetikは日本企業のマイルストーンとなっている」と藤原氏は言います。その理由として、「明細を注視して状況を把握する日本特有の経営管理の文化があること、英語が苦手でも現物の明細を把握できるシステムであること」が、日本企業に支持される要因だと見ています。
データ標準化や業務プロセス統一に向けたチャレンジ
ただ、実際問題として、日本企業が経営管理システムを活用して経営の意思決定を行うには様々なチャレンジが必要です。「データ統一ができていない」「システム・プロセスもバラバラ」「英語でコミュニケーションできる人材が少ない」「大規模なプロジェクトを推進する人材が不足している」といった課題を克服していかなければなりません。
「例えば、データ統一・標準化に取り組む場合、勘定科目などのデータ項目はグローバルで統一していても、地域によってその意味合いや入力粒度が一致しないことが少なくありません。グループ各社の事業や規模によって統一できないこともあり、経営管理要件と各社の入力工数のバランスをいかに取るかがカギと言えます」
基幹システム・プロセス統一においては、「グローバルの各社で基幹システムが異なると、経営管理に必要なデータをそろえづらくなります。M&Aを契機に基幹システムを統一する傾向がありますが、日本企業の場合、M&A後も各社のオペレーションを保持するケースがあり、実現が難しい状況です」と日本企業の状況を説明します。
グローバルな指揮系統とコミュニケーションにチャレンジする際は、指揮系統が各国を統括するファンクション制なのか、地域別のリージョン制なのかによって状況が異なると言います。ファイナンスの指示を出す場合、ファンクション制ではファンクション長/ビジネスユニット長からグローバルなCFOに対する日常的なコミュニケーションがダイレクトに行われ、要件の把握も比較的スムーズです。
一方、日本企業に多く見られるリージョン制の場合、「自身の上司であるCEOに報告することが多いリージョンのファイナンス要員にとって、グローバルCFOへの報告、コミュニケーションの頻度はそれほど多くはないため、相互のオペレーションの理解は深まっておらず、グローバルなプロジェクトでの要件の把握が難しくなる可能性もあります」と問題点を指摘します。
段階的なアプローチがあるべき姿に向けた現実解
こうしたチャレンジを成功させるための多様な現実解について、「一足飛びに理想的な状態に到達しようとせずに、段階的・漸進的なアプローチを考えるのが重要」と藤原氏は強調します。システム・データ統一の現実解として、基幹システムと経営管理システムの刷新/導入の順序にはいくつかのパターンがあります。
例えば、ERP刷新の予定がある場合は、2通りのフローが考えられます。経営管理要件を検討する時間があれば、ERPとCCH Tagetikを同時に導入する。経営管理要件を検討する時間がなければ、ERPを先行導入して、その後に経営管理要件を検討します。この場合、CCH Tagetikを導入するにあたって、必要なデータを入力できるようERPを改修することになります。
一方、ERP刷新の予定がない場合は、経営管理要件を検討し、CCH Tagetikを導入します。その場合は、データは取得できる範囲でマッピングすることになりますが、手作業でデータ収集・分析するのに比べ、効率化を図ることができます。大事なのは、ここで管理要件を検討し、必要なデータを順次ERPの改修要件に入れていくことです」
また、一般的に日本企業のプロジェクト体制では、プロジェクトの中核を日本人が運営し、各地域と調整する方法をとります。この場合、相互の業務理解が浅ければ、各リージョンから挙げられる要件が必須のものなのかどうなのか日本側で判断しづらく、コストや期間の制約からリージョン要件の取り込み可否についての意見の相違から、本社とリージョンで対立構造が発生することがあります。一度対立構造が発生すると、英語が苦手な日本人には議論で課題を解決するハードルはかなり高くなります。このような問題を生じさせないために、「プロジェクトチームに各地域の主要メンバーを初動段階で加え、方針策定・スケジューリング・課題解決を一緒に行うことが重要です。また、各検討のリーダーにリージョンのメンバーを加え、そこに日本人をつけることで、日本人メンバーのコミュニケーション力を育成するのが現実解となるでしょう」と藤原氏は助言します。
導入アプローチでは、一部の重要な要件だけでシステムを構築し、その後、各社の要件を徐々に取り込む方法があります。例えば、第1ステップでは各社のPLなどのデータをユーザーがアップロードすることで収集・連結します。その際、ユーザーの仕事が増えることも考えられ、期待値のコントロールが重要です。
第2ステップでは、重要な科目については予算を構成する上流・非財務データからデータを生成するなど、重要要件を積み上げます。第3ステップでは、実績・計画管理のための幅広いデータを、システム上に集約する統合的計画策定を実装していきます。このように企業の状況に応じて段階的にアプローチすることで、海外リージョンともデータに基づいたコミュニケーションをとることができるようになり、人材育成を含めたグローバルな経営管理を強化する現実解となるのです。
ブレイクアウトセッション2【ビジネス変革】 <リコー & アクセンチュア>
事業別ROIC経営の推進に向けた
CCH Tagetik導入プロジェクトの成果と課題
株式会社リコー 財務統括部 業績管理室 グループリーダー 馬場 郁歩 氏
アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 シニア・マネージャー 曽根原 ふじお 氏
多数のグループ企業を擁し、グローバルな事業展開を進める企業の財務担当者にとって、各社の事業別予算管理をいかに進めるか、悩みは尽きません。そうした課題解決のヒントになるのが、CCH Tagetik導入で事業別ROIC経営を推進するリコーの取り組みです。
その導入プロジェクトをサポートしたアクセンチュアの曽根原ふじお氏は、「当社は、CCH Tagetikソリューションをサポートするための統合されたグローバルな組織を持ち、予算管理から管理連結・制度連結など多様なプロジェクトを手掛けています。構想策定からシステム開発、運用保守まで支援しています」とその実績を話します。
CCH Tagetikを活用するリコーの管理連結システムでは、ROIC管理に必要な明細データを収集する際、ERP連携や画面入力、ファイルアップロードなど各社の状況に応じて集計できるようにシステムを構築しています。
「事業区分別のROICを算出するための各種PL・BSデータについては、CCH Tagetikの配賦機能を利用して算出・蓄積。蓄積したデータは、業績管理担当者が事業区分別の業績管理やROIC経営に利用し、必要に応じて明細データのドリルダウンも可能です」と曽根原氏は管理連結システムのポイントを挙げます。
連結業績管理の高度化を目指して連結システムを改革
続いて、リコーの馬場郁歩氏がCCH Tagetik導入プロジェクトについて話しました。連結システム改革では、経営の羅針盤となる連結業績管理の高度化と、各社の事業別予算策定業務において収益性・資本効率性の両輪で管理することを目指しています。
その実現に向けたプロジェクトの方向性として、「事業別ROIC予実績管理」「月次での変化点管理」「フォーキャスト予測品質向上」「3M作業(面倒・マンネリ・ミスできない)の極小化」といった4つの実施項目を挙げます。これにより、「ビジネスユニットや経営陣へのタイムリーな情報提供と、システム内のデータ集約・統合によって得られる高効率のオペレーションを進めていきます」と馬場氏は説明します。
例えば事業別ROIC予実績管理では、各社の共通コストや共通資産を合理的に配賦したデータを活用し、事業単位の採算把握と事業運営に注力。本社は事業の選択と集中のための判断材料を経営陣に提供する狙いがあります。
また、月次で各事業のオペレーション指標の予実乖離(かいり)を把握(変化点管理)。ROICへの影響度合いをもとに、どこを改善すべきかの視点で、適切に現場のアクションにつなげます。3M作業の極小化では、柔軟性の高いシステムによる予算編成策定業務・プロセスの効率化や、ユーザビリティの向上による業務ミスの削減などが期待されています。
CCH Tagetikの配賦機能で事業別ROICを可能に
リコーでは、連結会計システム刷新に向けてCCH Tagetikを導入しました。1つのプラットフォームで、リージョン、ビジネスユニット、個社/部課レベルまでシームレスなROIC経営・連結・業績管理が可能なこと。財務・非財務データを問わず、明細データの管理が可能。様々なデータソースをETL機能で連携できる、といった特徴があります。
導入のポイントとなったのは、「収益性・資本効率性の両輪を事業別ROICで管理できることです。CCH Tagetikの配賦機能が決め手になりました」と馬場氏。個社・地域統括会社で経費・資産配賦を実施していますが、事業別データを事業に直課できない場合など、一部対応できないデータはCCH Tagetikの配賦ドライバー機能により、事業別ROICを可能にしています。
また、事業別PLの算出にも配賦ドライバー機能を利用。これまで事業が特定できずに共通経費などの事業に割り振られていない経費について、CCH Tagetikで配賦し、事業に割り振ることで、事業ごとの利益算出が可能です。一方、「最適な配賦ドライバーを活用することにより、月次の実績で事業別ROICと事業別PLの作成が可能になったものの、そこに示された数字に対して誰が責任を持つのかといった課題もあります」と馬場氏は打ち明けます。
そして、プロジェクトの方向性で示した実施項目の達成状況について説明。「事業別ROIC 予実績管理」では、予実データともに、グローバルなフォーマットを用いた、ビジネス別、事業別BSデータの収集を実現。地域統括会社側が配賦ドライバーを設定・配賦する仕組みとするなど、自由度を持たせ、直課額・配賦額の可視化で事業の貢献度の把握が可能になりました。また、3M作業については、全社共通のマスタを採用することにより、ユーザーのミス低減に貢献していると言います。
今回の連結会計システム導入プロジェクトはステップ1として位置づけられています。「今後は個社との自動連係、自動化による業務効率のさらなる推進、AI活用によるスピード経営などを進め、先行き見通し力を強化していきます」と馬場氏は力を込めました。
ブレイクアウトセッション2【AI/最先端テクノロジー】 <日本アイ・ビー・エム>
グローバルリーダーの声から見えてくる経営管理変革の
あり方
~IBM自身の変革とAI活用の最新知見~
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業本部 Finance DX パートナー/理事
横山 泰行 氏
経営管理の変革が求められる中、グローバル企業のリーダー、CFOは何を考え、どう取り組みを進めているのでしょうか。日本IBMの横山泰行氏は、IBMがグローバルで2年ごとにCxOを対象にインタビューを実施・分析する「IBM経営層スタディ(CFOスタディ)」に基づき、グローバルリーダーの声を紹介しました。インタビューから見えてきたのは、CFOに求められる4つの役割の変化です。
「1つ目は、時代を捉えたビジネス戦略。セキュリティや事業部門と連携しながら、企業全体のビジネス戦略を立案することです。2つ目は、財務領域のみならず、テクノロジー部門と連携し、生産性を向上させること。3つ目は、売上げや利益だけを追求するのではなく、気候変動リスクなどのESGリスクにも先手の対応をとること。4つ目は、資本効率性向上のため、投資家目線を意識し、人的資本を推進することです」
経営管理基盤の活用でIBM自身が変革する
こうした役割の変化の中で、CFOに求められる果敢な6つの行動も明らかになってきました。「1 事業部門と協力して戦略と実行を一体で進める」「2 技術部門と財務部門の連携強化により中核としてのテクノロジーを支える」「3 データをAIの原動力にして財務を変革する」「4 長期目標に沿ったROIを示すよう求める」「5 戦略的なリスク許容度を見極めて大きな決断を下す」「6 テクノロジーに優位性をもたらす人材革命を起こす」。テクノロジー主導の変化と不確実性の中で、CFOはDX推進をバックアップし、ビジネス環境の変化に俊敏に対応していくことが必要というわけです。
では、IBM自身はどう経営管理を変革してきたのでしょうか。IBMの財務部門は1990年代から継続的に変革を実施。業務の標準化・集約化からスタートし、データやテクノロジーの活用、AIの活用へと進化しています。
「近年は、AIファースト変革を打ち出し、オペレーションの簡素化やプロセスの自動化などに取り組んでいます。IBM自身がクライアントとして、EPM(経営管理基盤)の活用によって変革する『クライアント・ゼロ』を掲げ、そこで得られた成果をお客様に提案しています」と横山氏は語ります。
独自の追加情報を付与しAIの回答精度を高める
横山氏は経営管理領域へのAI適用についても取り上げました。CCH TagetikにAI機能が組み込まれ、AIによる自動マッピングや異常検知といったデータの準備段階から、ドライバーベース分析による原因分析・モデル作成、予測インテリジェンスによる予測作成、生成AIによるセルフサービス型分析・報告書作成まで、一連のプロセスに対する価値を提供しています。
「IBMではAIを活用したレポーティング精度を高めるため、独自の取り組みを進めています。例えば、AIでは知りえない社内のデータ構造やプロジェクトの独自定義情報、AIに足りない図表の正しい出し方やデータ分析の勘所といった経営管理の常識について、IBMの経営管理コンサルタントが体系的に整理した追加情報(メタプロンプト)をAIへ付与することで、回答精度を高めていきます」
経営管理AIの活用で、定型レポートに存在しない図・表の作やデータ分析をサポートし、資料作成の工数削減とともにスピーディな管理を可能にしています。さらに、「チャットベースでの追加質問による深堀りで、分析の高度化を実現します。AIの活用で新たな分類やデータ追加の提案とともに、何をすべきかアクションプランを提案してくれる可能性もあります」とAIによるデータ活用の未来を展望します。
そして、経営管理の変革を成功させるためには、「企業のパーパスとゴールにつながる明確なターゲット・KPI・KGIを設定した上で、トップがリーダーシップを発揮して推進することが重要です」と力説しました。
ブレイクアウトセッション2【意思決定迅速化】 <アバント>
分断されたデータをつなぎ、意思決定を加速する!
柔軟な統合基盤による経営管理改革
株式会社アバント 事業統括本部CPMソリューション事業部 CPMソリューション2部 部長
八木 祥史 氏
データを一元的に収集・管理し、意思決定や経営管理の改革にどう活かしていくか。グループ経営管理や連結会計、事業管理の領域でソリューションを提供するアバントの八木祥史氏は、経営管理の課題で多いものとして「システム統合とデータ精度」を挙げます。
「サイロ化、断片化されたシステムは、組織の意思決定者が包括的なデータにアクセスする際の妨げとなり、古くなった情報や不正確なデータは誤った意思決定につながりかねません」と指摘します。
また、経営層と業務部門の意思の不一致により、非効率性と部門間の混乱の原因となる「計画と実施の不整合」。非効率な手作業によるミスや未統合なデータで正確性に不安がある「予算編成と差異分析」。組織の連携を阻み、情報ギャップとなる「作業の属人化」といった課題で悩む企業は少なくありません。
柔軟な統合基盤の導入で迅速な意思決定を支援
こうした課題に対し、八木氏はCCH Tagetik導入で経営管理を改革した企業の事例を紹介しました。A社では、複数の関係会社がそれぞれ個別に財務データを管理し、データが分断されていました。このためグループ全体の財務状況の把握が困難で、経営者の意思決定のスピードと精度に大きな影響を与えていました。
「A社はCCH Tagetikを導入し、組織別業績管理/事業別業績管理と制度会計/管理会計を統合。経営層は1つのシステムで複数の角度から財務データを分析できるようになりました。システム上でデータを一元管理できると、部門間の比較作業やグループの収支把握が容易となります。
その結果、全体的な財務情報の透明性と信頼性も向上しました。統合された会計情報は、迅速なレポーティングやシミュレーションを可能にし、経営者のスピーディな意思決定を可能にしています」
また、B社では組織別・事業別の収支が連動しておらず、部門間の連携が弱いため、経営層が必要とする詳細な情報の分析が困難という課題がありました。そこで、CCH Tagetikを導入し、トップダウンとボトムアップの両方の予算策定に柔軟に対応するシステムを構築。経営層が戦略的な目標を設定し、それを各部門に展開するトップダウン型と、現場からの実態に基づいた予算案を集約するボトムアップ型の両方のアプローチをサポートすることで、現場の自律性と経営の統制力を両立しました。
「これにより、予算策定の精度が向上し、社内の合意形成もスムーズに行えるようになったという評価をB社の担当者からいただいています」
C社の課題は、属人化した調整作業です。社内取引の調整が属人化しており、手作業と個人的な知識に依存してしまっていました。属人化は、担当者の異動・退職をきっかけに業務の継続性が損なわれるリスクがあるだけでなく、「非効率なプロセスが意思決定の遅延や誤判断につながる恐れもあります」と八木氏は指摘します。
現在C社はCCH Tagetikで一元管理されたデータを用いて帳票やレポートを作成するなど、ユーザーが主体的にシステムを有効活用する運用設計により、現場の自律性が向上。経営層の意思決定に必要な報告も迅速かつ的確に行えるようになりました。
他社事例の活用や段階的な導入を推奨
八木氏はシステム導入・運用をスムーズにする工夫をこう説明します。
「導入プロジェクトを成功させるポイントの1つは、他社の事例を活用することです。ベストプラクティスな事例だけでなく、業界特有の失敗例や課題はたいへん貴重な道標となります。当社には経営管理・管理会計領域の業務コンサルティングからシステム導入支援の実績が豊富にあり、蓄積した事例を参考にすることで、設計段階から実効性の高いアプローチを採用できます」
さらに、段階的な導入アプローチにより、現場の混乱を最小限に抑えられ、確実に成果を積み上げながら、経営層の期待に応える形でプロジェクトを推進できると八木氏は言います。
「段階的な導入アプローチの意義は確実性を高めるだけでなく、ファーストステップを早く踏み出せることにあります。つまり、システム化のメリットをいち早く享受でき、業務改革もスピーディに着手できるのです」
導入プロジェクト成功のポイントの2つ目は、システムの理解です。実機を利用したシステムで業務のイメージをつかみながら要件定義を行ったり、実機を用いて運用開始前までにシステムを触ってもらったりすることで、スムーズな運用開始が可能です。十分な要件定義と設計の工夫に力を入れることで、導入後のギャップも最小限に抑えられます。
「業務プロセスの標準化を意識した設計により、属人化の排除と業務効率の向上を可能にし、システムの定着率も高まります」と八木氏は同社独自の工夫を印象付けました。
ブレイクアウトセッション2【グローバル連結経営】 <EYストラテジー・アンド・コンサルティング>
事例から学ぶ次世代グローバル連結会計基盤の
導入ポイントと成功のカギ
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社
自動車・モビリティ・運輸・航空宇宙・製造・化学セクター
パートナー
清水 卓 氏
グループ統合基盤により、システム運用とオペレーションに関わるコスト削減や、財務会計・管理会計(財管)の一致による経営判断の信頼性向上などが期待されています。EYストラテジー・アンド・コンサルティングの清水卓氏は、CCH Tagetikによるグローバル連結会計基盤のポイントについて、事例を交えながら解説しました。
近年、CFO組織を取り巻く状況が変化しており、新たな開示要求などレギュレーションの変化や、グローバル化・デジタル化など事業環境の変化に合わせた情報分析が求められています。こうした中、「同一基盤上でのプロセス連携や業務機能間のスムーズなデータ授受が必要になっています。CCH Tagetikは、CFO組織で扱う様々な情報を統合管理でき、企業の統合基盤として採用されています」と話します。
コスト削減や業務改善に効果的な統合基盤の導入
清水氏は企業のグループ統合基盤の役割としてCFOの期待が高い、「コスト削減」「財管一致」「処理パフォーマンス」について、チャレンジ例を紹介しました。
システムのコスト削減に関わる問題の要因となるのが、複数のバラバラなシステムをつなぎ合わせていることです。システム運用が複雑になり、業務要求に応じて改修するにも、影響する範囲が複数システムに及ぶため時間と工数がかさみます。また、システム間でデータが分断され、情報のトレーサビリティが確保できず、データの収集・加工から分析・レポートまで長い期間を要してしまいます。
「こうした課題に対し、CCH Tagetikの統合基盤を用いたシステム統合は、ライセンス費用や改修工数の削減など、システムのランニングコストを削減できます。また、分断されていた情報を1つの統合基盤上で参照できるので、情報のトレーサビリティ性が高まります。加えて、CCH Tagetikのドリルスルー機能の活用で、より詳細な分析を可能にします」
統合基盤へのデータ集約、オペレーションの自動化により、レポート提出期間を従来の10営業日から、2営業日に短縮する事例もあると言います。その期間短縮の推進力となるのが、CCH Tagetik上でのデータ統合管理とワークフロー機能によるステータスの可視化です。
「従来、全社のデータを本社側で確認するには、個別システムのデータを集約する必要がありました。CCH Tagetik上でデータ統合管理を行えば、各社がデータを入力した時点で、本社のチェックが可能となります。
また、業務プロセスをワークフロー機能で可視化し、本社側でステータスを確認しながら、必要最低限の情報が入力・確認できた時点でレポートを出力できます。これにより大幅な期間短縮を実現できるのです」
CCH Tagetikの連結処理機能を活用して財管統合管理を実現
続いて、清水氏は財務会計・管理会計の財管一致の状況について説明。財管一致には、外部発表数値と内部管理数値が矛盾なく一致していることや、財管同一の情報を用いたレポート作成で、経営判断の信頼性が向上する利点があります。事業のグローバル展開でIFRS(国際会計基準)を適用する企業が増える中、財管を同一基準で管理することが、経営管理の高度化と業務効率化に有効であると考えられるようになりました。
「財管情報を統合管理できるプラットフォームとしてCCH Tagetikを採用する企業が増えています。その理由は、CCH Tagetikは財管共通で使用する連結処理機能を標準で実装していること。自由度の高いデータモデル・計算処理の実装が可能なこと。柔軟で詳細な権限制御によるデータガバナンスの最適化が可能なことなど、財管情報の一元管理に必要な機能を備えているためです」
また、統合基盤では大量のデータ管理が不可欠になるため、パフォーマンス向上は導入効果や利用者の満足度向上に直結します。そこには最新テクノロジーの活用が不可欠です。「例えばCCH Tagetikとインメモリーデータベースを組み合わせることで、大規模な計算処理を高速化し、処理時間を大幅に短縮します。実際にこれまで6時間かかっていた処理を30分程度まで縮めた事例もあります。処理に関わるボトルネックをなくし、より戦略的な活動に人的リソースや時間をシフトできます」
CCH Tagetikは、分析・トレーサビリティを担保するための明細レベルデータを保持するAnalytical Workspaceと、連結処理機能などで使用するサマリーデータを保持するFinancial Workspaceの2つの管理領域があります。この2つの領域を使いながら処理することにより、大容量データの保持とパフォーマンスの確保を両立していることもポイントです。
「当社は国内最多クラスのCCH Tagetik認定の資格保有者を擁し、事例で紹介したようなCCH Tagetikソリューションを効果的に実装する豊富なスキルを保持しています。グローバル連結会計基盤の課題をお持ちの企業は、ぜひご相談いただければと思います」
ネットワーキングレセプション
イノベーションを原動力に。
CCH Tagetikのビジョンと未来への道筋
Wolters Kluwer 経営管理&ESG部門 CCH Tagetik エグゼクティブ・バイス・プレジデント 兼 ゼネラルマネージャー
マドゥル・アガルワル 氏
グローバル経営 LEADERS Summit 2025のネットワーキングレセプションでは、CCH Tagetik エグゼクティブ・バイス・プレジデントのマドゥル・アガルワル氏が登壇しました。「CCH Tagetikは、Wolters Kluwerグループの中で最も速いスピードで成長しています。グローバルでは2,000社を超える導入実績があります。日本でも多くの企業の経営管理基盤として採用され、利用領域を拡張していただいております。
そして、日本のCCH Tagetikのパートナー企業は86社に上り、導入コンサルタントの数は1,000人以上となっています。CCH Tagetikの社員の半数は研究開発に従事しており、そこで生まれたイノベーションの価値をパートナーの皆様とともに、日本企業に届けてまいります」と展望を語りました。
CCH Tagetikの導入効果を最大化するLearning Hubを提供
CCH TagetikはAIへ積極的に投資しており、予測や異常検知など様々な業務プロセスにAIを組み込んだ「Intelligent Platform」を昨年リリースしました。生成AIによる効果的な分析・開示やレポーティングも可能です。さらに、インタラクティブな分析をスムーズに行うため、パフォーマンスの強化など、プラットフォームの進化に力を入れています。
そして、今年、サブスクリプション型オンライン学習プラットフォーム「CCH Tagetik Learning Hub」をリリース。Learning Hubは、CCH Tagetikの基本機能から最新機能まで利用者のペースでトレーニングでき、認定資格プログラムの受講も可能です。
また、AIやESGなど最新コンテンツの提供や、CCH Tagetikの導入・運用に関するベストプラクティスなど、エキスパートによるワークショップや動画・記事なども提供し、今後はAIベースの検索機能を搭載する予定です。Learning Hubを活用し、CCH Tagetikの導入効果を最大化することができます。
続いて、2025年CCH Tagetik Japan Partner Awardsの発表と授与式が行われました。2025年のエマージング・パートナー・アワードは株式会社ホープス、アウトスタンディング・ニュー・パートナー・アワードはPwCコンサルティング合同会社、ベスト・コンピテンス・パートナーは株式会社電通総研が受賞しました。
そして、トップ・パフォーミング・リセラーは株式会社アバント、ブレークスルー・パートナー・オブ・ザ・イヤーはアクセンチュア株式会社、パートナー・オブ・ザ・イヤーはEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が受賞しました。
ウォルターズ・クルワー CCH Tagetik 日本 マネージングディレクター 箕輪 久美子氏は「CCH Tagetikに期待を寄せて採用してくださったユーザーの皆様、ビジネスの可能性を信じて協業してくださったパートナーの皆様のお力添えで、大きなコミュニティを形成することができました。今後も、皆様の期待に応えられるよう、頑張ってまいります」と述べ、ネットワーキングレセプションを締めくくりました。
Thank you for Sponsors!
プラチナスポンサー
ゴールドスポンサー



































