CMO Forum 2019
マーケティングが導く、企業変革!
~顧客といかに“つながる”か?CMOが描く戦略と未来像~
2019年6月6日(木)東京コンベンションホール(東京/京橋駅)にて、「CMO Forum 2019 マーケティングが導く、企業変革!~顧客といかに“つながる”か? CMOが描く戦略と未来像~」を開催致しました。
開催日:2019年 6月 6日(木)
主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局
ゴールド協賛:Tealium Japan株式会社
シルバー協賛:ネットイヤーグループ株式会社
ブロンズ協賛:株式会社サイカ
今、企業経営におけるマーケティングはさらに存在感を増しています。世界の有力企業は経営の中枢にマーケティングを置いており、「顧客中心主義」を製品やプロモーションのみならず、ビジネスモデルや顧客とのコミュニケーションにも落とし込み、提供価値を最大化しています。製品を中心に価値創出をする時代はパラダイムシフトを迎え、今は顧客の変化や多様化するニーズを起点に、ビジネスを考えていくことが求められています。 企業がいかに、マーケティングを経営事としてとらえられるか。その変革を牽引することが、CMOに求められる重要な使命であると言えるでしょう。
さらに、マーケティングを取り巻く環境変化も、加速度を増しています。テクノロジーの発展に伴い、顧客の購買行動範囲がデジタルへ拡張された上、SNSの普及がさらに企業と顧客との接点を増大させ、顧客の購買前の行動や嗜好、特性など、これまで企業が知りえなかった情報を入手できるようになりました。マーケティングにおける前提が変化したことで、マス向けのマーケティングや従来の成功体験をもとにした顧客との関係づくりは、もはや通用しなくなりつつあります。顧客との距離感もアプローチも多様化した時代だからこそ、大きな塊としてではなく一人ひとりの顧客像を捉え、その顧客行動を起点にしたマーケティング戦略を設計することが求められます。モノも情報も溢れる時代、他社との比較ではなく、真っ先に顧客に選んでもらえるような関係をつくるために、自社の価値をどう顧客に伝えていくか。マーケティングにはこれまで以上に「顧客との”つながり方”」に焦点を当てた戦略が重要となります。
当フォーラムでは、マーケティングが企業変革を導くために、「顧客とのつながり方」をいかにデザインするか、CMOが戦略を描く際に重要な視点とは何かについて、先進企業の事例やパネルディスカッションを通して、考察してまいります。



オープニング基調講演
企業変革とマーケティング
~顧客との“つながり方”が多様化する時代に、戦略を描くための視点
株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役
音部 大輔 氏



参加者の声
- マーケティングの現在を知ることが出来ました。
- 自社の経営課題にマッチしており、大変勉強になりました。複数のブランドへのマーケティング展開について、根幹がよく分かりました。
- 本質的な部分についての理解が深まりました。
特別講演Ⅰ 【つながりを創る、マーケティング】
新日本プロレスの顧客とつながるマーケティング戦略
~SNS×プロレスの好相性と広報のポテンシャル~
- 新日本プロレスのマーケティング戦略 ~取り組み事例からの考察~
- “モノ”から“コト”へ、変わるマーケティングの視点
~商品→ブランド→企業へと進化するマーケティング~ - マーケティングを企業変革に繋げる必要性
新日本プロレスリング株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
ハロルド・ジョージ・メイ 氏
<講演内容のポイント>
ここ5年で売上高5倍増加という急成長を遂げている新日本プロレスリング。年間約150試合ほど開催される大会では地方も含めて満員御礼が相次ぐほど、人気を博しています。この成長の勢いに拍車をかけているのが昨年、日本コカ・コーラ副社長やタカラトミー社長の他、名だたる企業でマーケティングと経営の要職を歴任されたハロルド・G・メイ氏です。同社の社長兼CEOとして、既成概念に囚われずにマーケティング方法を柔軟に変えながら、「顧客とのつながり方」を時代に合わせて変化させ、新時代のプロレスにおけるマーケティングを推進しています。
本講演では、同社のマーケティング戦略を含め、ご自身が体現している「攻めの広報」のお取組み等をご紹介頂き、経営者が自らマーケティングによって変革を導いていく必要性と、これからのマーケティングにおいて持つべき視点について、お話いただきました。


参加者の声
- 究極のコトをどう伝え、どう繋げるかの取り組みが、非常に分かりやすく聞けました。
- 顧客との関係構築の歩みが分かった気がします。
- メイ社長の観衆を楽しませる力に感銘を受けた。顧客に感情移入、共感いただくために、商品や企業自体に魂を持たせることができるように考えたい。
ゴールド協賛講演
顧客中心主義のCXを実現する、“顧客データのリアルタイム統合”
- マルチデバイス化が進む今日の消費者
- ツールや部門のサイロ化による分断された顧客プロファイル
- 顧客中心主義のCXを実現する、顧客データのリアルタイム統合とは
Tealium Japan 株式会社 カントリーマネージャー
安藤 嘉教 氏
<講演内容のポイント>
昨今、消費者のデジタル化やマルチデバイス化により、顧客中心主義のマーケティングが求められるようになり、効率的に効果的なマーケティングを行うために、企業のマーケティングテクノロジー/ツール導入が急速に進みました。そうした中、各ツールや部門で顧客データがサイロ化して散在し、それぞれで異なった顧客プロファイルが生まれ、カスタマーエクスペリエンス(CX)の低下につながっています。顧客データ統合を実践している場合でも、バッチ処理などで数日から1ヶ月ものタイムラグが生じ、投資効果が十分に得られないケースも少なくありません。
本講演では、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)の世界的パイオニアであるTealium(ティーリアム)の安藤氏より、顧客データのリアルタイム統合の重要性やその効果について、国内外の事例とともに解説いただきました。


参加者の声
- 改めて顧客中心は重要と認識した。
- データの持ち方がバラバラである自社の状況への解決策の参考としたい。
- ひとりの人のデータを総合的に収集するのが大切だと感じました。
特別対談セッション 【つながりを深化させる、既存顧客戦略】
企業を強くする、ファンづくり戦略
~顧客に長く愛され、強い関係を構築するためのポイント
- 今、再考すべきファンとの関わり方
- ファンの思いをブランドのチカラに! ~先進企業の取り組みからの考察
- 長くファンでいてもらうために、持つべき視点とは?
コミュニケーションディレクター
佐藤 尚之 氏
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株式会社ヤッホーブルーイング
よなよなエールFUN×FAN団
(ファンベースマーケティング部門) 団長
佐藤 潤 氏
<対談内容のポイント>
モノが売れない時代だからこそ、企業にとってファンの重要性がますます高まっています。インターネットやSNSの普及によりファンの熱狂は一層伝播しやすくなったことで、コアなファンが新たなファンを増やしたり、企業や商品のブランド価値向上に貢献する等、今やファンは企業の成長に欠かせない存在であると言えるでしょう。
当セッションでは、近著「ファンベース」において、ファンと企業の関係における新たな考え方を提唱する佐藤尚之氏と、クラフトビール業界最大手のヤッホーブルーイングにおいて、5,000人規模のファンイベント「超宴」をはじめ、様々なコミュニティマーケティングを推進する佐藤潤氏との対談が実現!顧客とのつながりを深化させ、長く顧客に愛されるためのヒントを検証しました。


参加者の声
- ファンマーケティングは戦略として有効であることが良く理解出来た。
- 素晴らしい対談でファンづくりの参考になりました。
- さとなおさんのお話は分かりやすくて納得感がありました。ヤッホーブルーイングの佐藤さんのお話は、商品だけでなく企業やミッションに共感してもらうところに強いロイヤリティを見出していて非常に面白かったです。
シルバー協賛講演
データドリブンマーケティング
~1を5にするグロースハックの重要性とカスタマーサクセス~
- マーケティングの変化:
オムニチャネル時代での1to1マーケティングを、データドリブンで実現 - 進むMA/DMP導入、進まないPDCA:大企業のあるある問題
- PDCA促進を阻む“組織”と“思考”の壁と解決事例
ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
石黒 不二代 氏
<講演内容のポイント>
顧客とのつながり方が多様化しているからこそ、顧客一人ひとりの行動を把握するためのデータやマーケティングツールの活用は、マーケティング効果を最大化させる重要な鍵を握っています。徐々にMAやDMPツールを効果的に使いこなす企業が増えてきた一方、成果が上がらずに苦心する企業も多いのが現状です。その差は、絶えずPDCAを回して改善を継続しているか否かに尽きます。
当講演では、数々の企業マーケティング変革をサポートしている同社の石黒氏より、データを活用した仕組みやアイディアで継続的にユーザー獲得を目指す「グロースハック」や、同社の新サービス「カスタマージャーニー分析」について、事例を交えて解説いただきました。


参加者の声
- デジタルマーケティングについて理解が深まった。
- 明快でテンポ良く、今何が問題かがよくわかりました。
- データ分析というとっつきにくいテーマをとても分かりやすく解説して下さり、分かりやすかった。
特別講演Ⅱ 【つながる方法を変える、デジタル戦略】
すかいらーくが挑む、一貫した顧客体験の追求
~1人ひとりに合わせた”新たな接客”を目指したデジタル戦略
- 一貫した顧客体験の追求を目指した取り組み
- ”新たな接客”の実現に向けた戦略~顧客データ分析と活用のポイント
- 会社全体を動かすマーケティングに向けて、CMOに求められるもの
株式会社すかいらーくホールディングス 取締役常務執行役員
マーケティング本部マネージングディレクター 兼 IT本部マネージングディレクター
和田 千弘 氏
<講演内容のポイント>
「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など、全国に約3,200店舗を構えるファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスが今、デジタル活用を加速させています。デジタルテクノロジーを駆使した顧客体験向上に向けて、同社のマーケティングを統括しているのが、昨年CMOに就任した和田氏です。アプリによるレコメンドやプロモーションに留まらず、来店客それぞれに合わせたメニューを表示する「電子メニュー」の導入等、顧客の多様なニーズに応じるために新たな顧客接点を創り出しながら、一貫した顧客体験を追求されています。
本講演では、すかいらーくが目指す“新たな接客”の実現に向けた挑戦から、顧客とのつながり方の変革のヒントを紐解いていただきました。


参加者の声
- フードサービスの枠を越えていくチャレンジングな取り組みに感銘をうけました。
- 身近なサービスであることもあるが、デジタルプラットフォーム企業を目指すビジョンや取組みが大変参考になった。
- 外食産業という、消費者向けの産業における顧客接点での、マーケィング活用戦略が大変勉強になりました。オープンプラットフォームへの考え方に強く共感致します。
パネルディスカッション 【“つながり方”の統合的デザイン】
顧客との“つながり”をデザインする
~マーケティング戦略を描くために、CMOが持つべき視点と起点
- 顧客との”つながり方”多様化に向けた、各社の取り組み事例
- マーケティング戦略を描くために、持つべき視点 等
ボルボ・カー・ジャパン株式会社 マーケティング・ディレクター 関口 憲義 氏
株式会社ストライプインターナショナル 執行役員グローバルファッションEC本部長 佐藤 満 氏
株式会社すかいらーくホールディングス 取締役常務執行役員
マーケティング本部マネージングディレクター 兼 IT本部マネージングディレクター 和田 千弘 氏
モデレーター 株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役 音部 大輔 氏
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」で輸入車初の2年連続受賞を成し遂げたボルボ・カー・ジャパンにおいてマーケティング戦略を推進する関口氏と、自社ECサイト「STRIPE DEPARTMENT」をはじめ、テクノロジーを駆使して同社が取り組む購買体験と”つながり方”の変革に挑むストライプインターナショナルの佐藤氏、すかいらーくホールディングスにおいてマーケティングとITの責任者を兼任する和田氏に、それぞれに描いている顧客接点多様化時代の顧客とのつながり方とマーケティング戦略について、ご紹介いただきました。モデレーターとして、ダノン、ユニリーバ、日産自動車、資生堂等、数々の企業でマーケティングの要職を歴任してきた音部氏が、各社の取り組みと戦略の捉え方について、深堀りしていきながら、興味深い議論を展開していただきました。




参加者の声
- 業界は異なるが、共通項を見出せたことで納得感がありました。参考になる考え方や例がわかりやすかったです。モデレーターである音部氏の質問が更に理解を深めることにつながっていたと思います。
- 各社のデジタル施策の試行錯誤するリアルな現状をお伺いできて、業種は違えど共通の課題があり、聞いていてとても面白かったです。
- 業界を超えたマーケティング戦略の着眼点と着想、参考になりました。
会場の様子


Special Thanks for Sponsors
企画者からの御礼
この度は「CMO Forum 2019」に多数ご来場を賜り、誠にありがとうございました。
シリーズ6回目となる当フォーラムでは、「顧客といかに“つながる”か?」をキーワードに企画・開催させて頂きました。テクノロジーの発展と消費者のライフスタイルの変化に伴い、様々な顧客接点が生まれている中で、企業には顧客との関係のあり方が、改めて問われています。当フォーラムの内容が、ご参加企業のマーケティング戦略に向けた気づきやヒントとなれば、企画者として嬉しい限りでございます。
今後もビジネス・フォーラム事務局では、皆様の課題解決のヒントとなるようフォーラムを企画してまいります。
改めまして、この度「CMO Forum 2019」にご登壇頂いたご講演者の皆様、ご協賛社の皆様、そして、ご参加頂いた皆様に、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
株式会社ビジネス・フォーラム事務局
プロデューサー 松岡 英美