Financial Management Forum 2019
次代におけるファイナンス領域のあり方
~デジタル化時代を勝ち抜き、持続的成長をリードする
開催概要
開催日時
- 東京2019年11月29日(金)9:30~17:00
(受付 9:00~)
開催趣旨
AI・RPAの台頭がこれまでデータ処理やデータ作成に主軸を置いていた経理・財務部門の業務体制を大きく変えようとしています。つまりテクノロジーの導入によってルーティンワークの部分は機械のはじき出した結果確認やデータに微調整を加える程度、といった具合に情報作成にかかる時間が大幅に削減されています。この空いた時間をより高付加で企業価値を向上させる業務に当てる考え方、いわゆる国をあげて推進してきた『働き方改革』『生産性向上』といったワードもあいまみえ、近年の経理・財務部門関係者を対象とした調査でも70%超の人々が『経理・財務部門に変化が求められている』と回答し、意識変革が浸透しつつあることがうかがい知ることができます。
では企業側から見てその変革や価値を創出するためにファイナンス部門に求められる役割にはどういったものがあるのでしょうか?企業はビジネスを拡大すればするほど事業が複雑化するため、M&A・成長加速・構造改革・新規参入・不採算事業からの撤退などの経営判断をファイナンス部門が関与して機動的に行うこと・環境変化への対応を行う中でどのように事業成長を実現させていくか、ヒト・モノ・カネといった有形無形のリソースの有効配分・活用、手元キャッシュを成長投資の実行や株主還元の強化にどう充てるか等々。デジタルを活用した見える化によるグループ経営管理の高度化、最適な事業ポートフォリオを構築するかは、企業経営に直結する重要なポイントとなります。
今回のフォーラムでは、ファイナンス領域はもちろん企業全般に手腕を発揮すべくCFOやファイナンス部門について企業はどういった役割を求めているのか、そしてデジタル化時代におけるファイナンス部門のあり方、債権回収リスクの低減・バランスシートの改善などといった課題の解決、激変する経営環境の中でどのように経営課題をとらえ戦略を推進しているのか、最終セッションではディスカッション形式で次世代のファイナンス部門に求められるあり方について、戦略面や企業全体の活動を交え議論してまいります。これからのファイナンス領域を担うNext CFOを始めとした人材の育成は人事部門の課題ではなく、経理・財務部門を含めた経営の課題であると言えます。グローバルレベルでの資金調達から、M&Aなど業務は広範囲に亘り複雑化、業績と格闘をしながら日々、企業経営を支えていくことが求められております。来るデジタル化時代の到来を踏まえ、業種・企業の枠を超え、より具体的に語り合っていただきます。
概要
参加対象者 |
経営者、役員、経理、財務、経営管理、経営企画部門などの管理職の方々 |
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参加料 |
\28,000(お一人様 / 税込み) |
参加定員 |
150名(事前登録制) ※定員になり次第、締め切らせていただきます。 |
主催 |
株式会社ビジネス・フォーラム事務局 |
特別協賛 |
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協賛 |
会場
東京都中央区日本橋1-3-13 東京建物日本橋ビル
※ 東京メトロ銀座線、東西線、都営浅草線「日本橋駅」B9番出口直結
※ JR各線「東京駅」 徒歩5分
プログラム詳細
9:00~ 受付
9:30~9:40 オープニング(10分間)

PwC Japanグループ
マネージングパートナー
PwCコンサルティング合同会社 代表執行役会長
鹿島 章 氏
1985年大手監査法人に入所、さまざまな業種の監査業務に携わる。1995年会計事務所系コンサルティング部門に移籍。米国駐在を経て幅広いコンサルティング業務に従事。2016年にPwC Japanグループ マネージングパートナー就任。
9:40~10:40 講演1【企業価値向上のために企業が求めるCFO・ファイナンス領域とは】(60分間)
ムラタの成長戦略と企業価値向上におけるCFO・ファイナンス領域の役割
- 経営戦略の源として、ムラタが大切にしていること
- CFOは決してブレーキ役だけでない、時にはアクセルも踏む役割を担うことも必要
- ファイナンス領域は事業部門にどのようにして数字に対する考え方を根付かせていくのかが重要

株式会社村田製作所
常任顧問
藤田 能孝 氏
昭和50年3月 一橋大学商学部 卒業、昭和50年4月 村田製作所入社、平成4年7月 ムラタ・エレクトロニクス・ノースアメリカ経理部長、平成7年12月 経理部長、平成10年6月 取締役 経理・財務グループ統括部長、平成15年6月 取締役 上席常務執行役員、平成17年6月 取締役 専務執行役員、平成20年6月 代表取締役 副社長、平成29年6月 取締役 副会長、令和元年6月 常任顧問・日本精工 社外取締役、著書『「利益」が見えれば会社が見える』(2001年 日本経済新聞社)執筆
<講演内容のポイント>
村田製作所は、グローバル市場で事業展開している電子部品メーカーです。今年10月に創業75周年を迎えましたが、この間創業者が策定した社是に基づいて経営を実践し、企業価値を向上させてきました。弊社が大切にしてきた経営理念と戦略について解説します。また、経営を支えるインフラとしての経理制度、特に管理会計が計数管理だけでなく経営にどう位置付けられて運営されてきたか、さらに、CFOに求められる資質と役割についてお話します。
10:40~11:40 講演2【グループ財務管理体制】
ネスレグループにおける財務管理部門体制について
- グループ全体におけるネスレ日本の位置付け
- 社内各部門とのファイナンスの連携~財務・経理だけやっていればいいわけではない
- 数字のことを知っているのは当たり前であり、社内を変革することが役割である

ネスレ日本株式会社
執行役員
財務管理本部 営業管理統括部 部長
中岡 誠 氏
1985年3月 神戸大学経営学部卒。同年4月 ネスレ日本株式会社入社、東京支店横浜営業所藤沢出張所で営業担当。1989年9月から財務本部に所属し、工場での原価計算、内部監査、ネスレコンフェクショナリー株式会社でのコントローラー・管理部長、ネスレ日本株式会社売掛管理部長、ビジネスプランニング&レポーティング部長等を経て2016年10月から現職。
<講演内容のポイント>
売上高世界最大の食品メーカーであるネスレの日本法人・ネスレ日本の財務管理部門では、誰もが認める世界をリードする栄養・健康・ウエルネス、そして、財務パフォーマンスを発揮できる企業となるべく、財務面からのコントロールだけにとどまらない、社内各部門と連携してビジネスを牽引し、マーケットCEO/事業部長とともに事業を推進させていくことが重要であると考えており、そのような事例を中心にネスレ日本財務部門の取り組みについてお話しさせていただきます。
11:40~12:30 講演3 【ファイナンス部門におけるテクノロジー活用の重要性】
デジタル時代におけるファイナンス部門の役割 ~戦略的ビジネスパートナーへの進化~
- 既存ビジネスモデルの破壊的な変化
- ファイナンス部門に求められる役割の深化、拡大と抜本的な生産性向上の両立
- 最新のテクノロジーを活用した先進企業の取り組みのご紹介

PwCコンサルティング合同会社
パートナー
立川 慎一 氏
経理財務およびSCMを中心とした業務変革・ERPパッケージ導入、グローバル経営管理高度化、SSC設立、IT戦略立案等、幅広い分野にて基本構想から導入、保守運用に至るフェーズでプロジェクトマネージャー、コンサルタントとして15年以上の経験を有する。
PwCコンサルティング合同会社におけるEnterprise Performance Management領域のリーダーとして、最先端のテクノロジーを活用したグループ経営管理の高度化等のソリューション開発に従事。
<講演内容のポイント>
グローバルで政治・経済の情勢が激変し、更にテクノロジーの急速な進歩により既存のビジネスモデルが破壊的な変化を遂げるなか、ファイナンス部門も最新テクノロジーを駆使し、経営層・事業部門に対する洞察の提供、在外子会社に対する統制の強化といった役割の深化、拡大と、抜本的な生産性向上の両立が求められています。本セッションでは、AI/アナリティクス、プロセスマイニング、クラウドなどのテクノロジーを活用した、経営管理の高度化、ガバナンス強化、ファイナンス業務の効率化に関する先進企業の取り組みをご紹介の上、デジタル時代におけるファイアナンス部門が果たすべき役割を考察します。
12:30~13:30 昼食
※ お弁当の御用意がございます。
13:30~14:00 講演4【連結グループ全体の債権リスクの低減、コンプライアンスリスクの対応】
企業を変える 取引先マスターデータ -社内の情報を統合し意思決定にかかるコストを削減する-
- CFOを取り巻く意思決定の機会
- マスターデータ構築の目的・きっかけ・進め方
- どう活かすか、その価値は?

ビューロー・ヴァン・ダイク・エレクトロニック・パブリッシング株式会社
セールスマネージャー
笛木 亮太 氏
2008年、早稲田大学政治経済学部卒業。金融機関・個人事業等を経て、ビューロー・ヴァン・ダイクに入社。日本全国の上場企業を中心とした事業会社、商社、ならびにコンサルティングファームに向け、グローバル企業データベースOrbisの提案に従事。コンプライアンスチェック体制の構築、M&A、事業戦略立案、与信・債権管理、サプライヤ管理、マスターデータマネジメントなどの企業の経営課題に合わせ社内データを情報資産として活用する提案を行う。
<講演内容のポイント>
CFO・財務経理担当者が抱える、債権回収リスクの低減、バランスシートの改善などといった課題に対する一つのアプローチとして、「自社データを集約し、外部情報と連携して活用する」という方法を採用している企業が増えています。
実現すれば、連結グループ全体の債権リスクの低減だけでなく、M&A、マーケティング、OFAC規制などのコンプライアンスリスクの対応等、広く活用することもできます。
ただしゴールまでには、「自社の情報の活用レベルがわからない」「どのように進めればいいのかわからない」「コスト、リターンがわからない」といったたくさんの問いが生まれます。すでにアクションを起こしている企業では、そのような「問い」に対して、どのように答えを見出してきたのか、多くの現場をサポート役として立ち会ってきた立場から、事例に沿ってご紹介します。
14:00~15:00 講演5【CFOとしての役割、ROIC経営の加速】
企業理念の実践を加速するROIC経営
デジタル化の進展や世界的な社会構造の変化といった激変する経営環境の中で、オムロンがどのように経営課題をとらえ、具体的な戦略を推進しているか、長期的な経営ビジョンに向けたその全体像をもとにご紹介。

オムロン株式会社
取締役 執行役員専務 CFO
兼 グローバル戦略本部長
日戸 興史 氏
1983年3月 慶応義塾大学工学部計測工学科卒。2006年3月 同志社大学大学院ビジネス研究科卒。1983年4月 立石電機株式会社(現オムロン株式会社)に入社。2008年4月 オムロンヘルスケア株式会社 執行役員に就任。2013年4月 オムロン株式会社 執行役員常務 グローバルリソースマネジメント本部長 (兼)人財総務センタ長 (兼)グローバルSCM&IT革新本部長に就任。2014年6月 同社 取締役 執行役員専務 グローバル戦略本部長に就任。2017年4月 同社 取締役 執行役員専務 CFO 兼 グローバル戦略本部長に就任、現在に至る。
<講演内容のポイント>
1933年に立石電機製作所として創業したオムロンの使命は、企業理念の実践を通じて社会的課題を解決し、社会の発展に貢献することです。その中で、CFOとして企業理念経営を加速する仕組み「ROIC経営」を担っており、社会的課題を解決していくには、「自走的な成長構造」の構築が欠かせません。ROIC経営を通じて自走的な成長を実現し、いかにしてイノベーションの創造を経営のメカニズムの中に取り込んでいくかが重要となります。セッションでは稼ぐ力を高め、規律とチャレンジで成長サイクルを回すための仕組みづくりについて、自走的な成長の実現に向けてこだわり続けている、「売上総利益率(GP率)」の向上やポートフォリオマネジメントの重要性など織り交ぜながらお話しします。
15:00~15:20 ネットワーク・コーヒー・ブレイク
15:20~16:55 パネルディスカッション【次世代ファイナンス部門のあり方について議論】
次世代のファイナンス部門に求められる条件
~企業価値向上、AI・IoTといったデジタル化への対応 、Next CFO・ファイナンス人材の育成
- ①企業価値向上のためにCFO・ファイナンス人材は何を行えば良いのか
- ②AI・RPAに代表されるデジタル化の波へのファイナンス領域の対応
- ③次代におけるCFOおよびファイナンス人材に求められるものは何か?

パネリスト
スリーエム ジャパン株式会社
代表取締役 副社長執行役員
早稲田大学大学院 客員教授
昆 政彦 氏
株式会社ファーストリテイリング 執行役員、GEキャピタルリーシング株式会社 執行役員最高財務責任者(CFO)等を経て、2006年住友スリーエム(現スリーエムジャパン)株式会社 入社、財務担当執行役員等を経て現職。
経済同友会 幹事、早稲田大学 客員教授、グロービス経営大学院 教員。
シカゴ大学経営大学院 学位:MBA
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 学位:博士(学術)

パネリスト
PwCコンサルティング合同会社
パートナー 公認会計士
山本 仁一 氏
Digital Finance/Finance Transformationをキーワードに経営管理高度化のためのコンサルティングサービスを提供するFinance Transformationチームのリーダー。EPM領域での20年以上に渡るコンサルティング経験をベースに、Integrated Business Planning、グローバルコストマネジメント、経理人財チェンジマネジメントなどのコンサルティングサービスを提供。

パネリスト
オムロン株式会社
取締役 執行役員専務 CFO
兼 グローバル戦略本部長
日戸 興史 氏

モデレーター
エーザイ株式会社
専務執行役 CFO(最高財務責任者)
早稲田大学大学院 会計研究科 客員教授
柳 良平 氏
京都大学博士(経済学)。米国公認管理会計士、米国公認財務管理士。
公職として東証上場制度整備懇談会委員、経産省「伊藤レポート」執筆委員、日本IR研究学会理事、日本管理会計学会常務理事、米国公認管理会計士協会(IMA)常任理事、日本生産本部「経営アカデミー」経営財務コース委員長等を務める。
職歴としては、銀行支店長、メーカーIR・財務部長、UBS 証券エグゼクティブディレクター等を経て現職 CFO。早稲田大学大学院の客員教授を兼任。2017年度早稲田大学Teaching Award 総長賞受賞。
Institutional Investor 誌の 2016, 2017, 2019 機関投資家投票でヘルスケアセクターの CFO 第 1 位に選出される。 Forbes Japan 誌の The Best CFO Top10 (2017)。
主著に、“Corporate Governance and Value Creation in Japan”(英文単著:Springer)、「ROE経営と見えない価値」(編著:中央経済社)、「ROE革命の財務戦略」「企業価値を高める管理会計の改善マニュアル」(単著:中央経済社)、「企業価値最大化の財務戦略」「日本型脱予算経営」(単著:同友館)、「ROE を超える企業価値創造」「企業価値向上のための財務会計リテラシー」(共著:日本経済新聞出版社)、その他共著書、論文等多数。
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