人的資本経営／戦略フォーラム2023
先進事例にみる人的資本経営の実践と課題
～「人と組織」の成長と進化の 仕組みを解き明かす～

人口の減少や地政学リスクの高まりなど、企業経営を取り巻く環境が益々不透明になる状況下で、経営戦略の支柱となる人事戦略の再考がはじまっています。ESG経営への関心や労働力不足などを背景に、企業の成長・持続の要となる「人への投資」の重要性は今後もますます高まるでしょう。政府からは「人的資本可視化指針」も公表され、上場企業などを対象にいよいよ2023年3月期より、人的資本の情報開示も義務化されます。経営マターとして、人材、つまり“個”の力を最大に活かしきる戦略の転換と実行が必須であり、経営戦略と連動した人材戦略への取り組みが求められています。

しかし、人的資本経営に向けた取り組みが活発になる一方で、各社その方向性を模索しているのが現状ではないでしょうか。5年後10年後のビジネスを見据えた企業価値向上へアプローチするためには、全社戦略に結びついた労働力の確保や投資としての人員計画、スキルやエンゲージメント状態を把握し実行力・生産性向上を目指すなど、変革のテーマは多岐にわたります。それぞれの施策がその場しのぎ的に単発で実施される等、経営戦略との連動を深く検討する前に進んでいくがゆえに、結果的に改革の歩みが遅くなっていることも課題の一つでしょう。

本企画では、「人的資本経営の実践と課題」を柱に、今まさにその取り組みとチャレンジを続ける先進企業をお招きし、企業価値向上につながる人的資本経営の今について考察していきます。また一足早く、人的資本の情報開示が義務化された米国に本社を持つオラクルからは、グローバル企業の一事例として、経営戦略と同期した人材戦略をどのように進めているのか、またデータ、プロセスおよびアイデア（エクスペリエンス）を統合したよりデータドリブンな人材マネジメントはどのようなものか、オラクルが自社で体現する「人と組織」の成長と進化の仕組みをご紹介します。