エグゼクティブM&Aカンファレンス
中長期的な企業価値向上のための事業再編とM&A
~最新潮流を踏まえた論点と課題~
開催概要
開催日時
- Online2024年 6月 6日(木)14:00~16:45
開催趣旨
PBR(株価純資産倍率)1倍割れを問題視する東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営」を要請し、近年、日本企業の企業価値向上へ向けた取り組みに対し市場から厳しい目が向けられています。大変革の波にある今、各企業は持続的な成長のため、中長期目線での戦略的な組織・事業の再編が求められています。
しかし、中長期的な成長のためには、リスクテイクを伴う攻めの経営が求められます。経営陣は、常に株主の利益確保を考えねばならない一方で、アニマルスピリットを持ち、短期視点だけでなく中長期的な視点に立った改革を着実に実行しなければ、持続的な企業価値の向上は実現できません。こうした中、昨今ではその戦略として再びM&Aが勢いを増し、活発化しています。M&Aは、事業と組織の成長を志向し、未来を切り拓くための攻めの一手として注目されており、経営陣にはその責任と覚悟を持った変革の実現が期待されていると言えるでしょう。
本セミナーでは、中長期的な企業価値向上に求められる成長戦略と日本企業の課題を振り返り、近年活発化する事業の拡張・転換を図りながら企業の成長へと導く企業・事業の売買収を 中心に据え、M&A実施において押さえておくべき考え方の視点や要諦などについて、その後の将来性を含めて検証・深堀をしていきます。
概要
参加対象 |
経営者、役員(CFOなど)、経営企画、管理、M&A推進、経理財務、総務、法務部門などの管理職層の方々 |
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参加料 |
無料(事前登録制) |
参加定員 |
100名 ※参加対象者以外、共催社 同業他社の方に関しましては、お断りさせて頂く場合がございます。予めご了承下さい。 |
参加形式 |
オンライン配信(配信環境:Vimeo) ※本セミナーはオンラインでの配信となります。視聴方法はお申し込み後にご案内いたします。 ※お申込者でない方への視聴用URL共有はご遠慮ください。同じ会社内で複数名でのご参加を予定されている場合にも、お手数ですがお一人ずつお申し込み下さい。 ※登録時のメールアドレスに登録完了メールを送付いたしますが、万が一届かない場合、大変お手数ですが、customer1@b-forum.netまでご連絡ください。 |
主催 |
株式会社ビジネス・フォーラム事務局 |
協賛 |
プログラム詳細
14:00~14:40 基調講演
企業の成長とM&A
- 始まった経営支配権の争奪
- 進化するM&Aの利益成長モデル

京都大学経営管理大学院
特命教授
松本 茂 氏
神戸大博士(経営学)。PwCディレクター、HSBC投資銀行本部長、同志社大学大学院准教授などを経て現職。これまで20年間、M&Aアドバイザーとして米国や中国など20カ国50の買収案件に助言。2020年、京都大学経営管理大学院「優秀教育賞」、2022年、著書『海外M&A新結合の経営戦略』(東洋経済新報社)で第16回M&Aフォーラム賞受賞。
講演のポイント
M&Aとは経営支配権の取引です。日本でもニデックのTAKISAWA買収や第一生命HDのベネフィット・ワン買収など同意なきTOBが成立し、支配権市場が機能しはじめました。そして、日本企業のM&Aは従来の国内再編、海外市場の開拓から、新興企業との共創や製品群拡張を通じた事業の転換へと拡がりつつあります。米国では今世紀、グーグルがYouTubeなど200を超えるスタートアップ買収で加速度的な成長を実現するなど、M&AがGAFAM躍進の原動力となりました。企業の成長にM&Aが果たす役割とは何か。本講演では、M&Aが生み出す本質的な価値を概説しつつ、買収による利益成長モデルを示していきます。
14:40~15:10 協賛社講演Ⅰ
企業価値最大化とM&A戦略―事業ポートフォリオ最適化のための事業売却の進め方
- 事業ポートフォリオの最適化の第一歩は、経営資源配分を行う単位(分離可能な単位)で事業を設定し、ROIC等を用いて株主目線で評価することである。
- これにより、成長・投資対象事業以外の事業、ノンコア事業が浮かび上がる。こうした事業は撤退を視野に入れて検討することになるが、こうした事業にこそ明確なスタンドアロン戦略が必要である。
- 事業売却に当たっては、目的・スタンドアロン戦略・スキームを考慮した、売り手の価値を最大化する売却戦略の立案が重要である。

有限責任 あずさ監査法人
サステナブルバリュー統轄事業部
サステナビリティ・トランスフォーメーション
マネージング・ディレクター
土屋 大輔 氏
1999年に大手都市銀行に入行。2001年に大手IR・SRコンサルティング会社入社。2013年に同社取締役IR・SRコンサルティング本部長に就任。時価総額大手の上場企業を主要なクライアントとし、IR、株主総会に関するコンサルティング並びに助言業務を手掛ける。2015年よりKPMG/あずさ監査法人にてCFO×ESG領域に関するアドバイザリーに従事。資本生産性指標(ROIC等)の活用や事業ポートフォリオ評価、最適資本構成方針立案、サステナブルファイナンス、気候移行計画立案といった戦略領域に加えて、バイアウトファンド向けのESGバリューアップ、ESG DD等につきアドバイスを行う。KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン メンバー。公益社団法人 経済同友会 資本効率の最適化委員会ワーキンググループメンバー(2016年~2017年)。主な著書に「ROIC経営」「ROIC経営実践編」。

有限責任 あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
ディールアドバイザリー パートナー
小松 浩幸 氏
2003年に朝日監査法人(現あずさ監査法人)へ入所後、大手上場重工業等の会計監査を担当、2007年以降、M&A関連部署へ異動し、大手証券会社への出向、KPMGバンコクへの出向を経て、現在に至る。国内・海外M&Aに係る財務デューデリジェンス・計画策定支援、ストラクチャリング支援、セパレーションを伴う事業売却支援、事業再編に係るPMI支援等を専門としている。特に、近年は、グローバル企業における事業の一部切り出しを伴う事業売却支援やグループ企業の再編に係るPMI支援に注力している。最近の寄稿は、日刊自動車新聞における「自動車部品業界において増加するカーブアウト型事業売却とその進め方」。
講演のポイント
日本企業には、本質的な意味で企業価値向上を実現することが求められている。そのためには、自社の各事業を株主目線で評価し、経営資源配分を通じて事業ポートフォリオを最適化する必要がある。しかしながら、コア事業・ノンコア事業の境界線を曖昧にしたまま、多くの事業を抱え込む企業は依然として多い。事業ポートフォリオを最適化し経営資源配分を遂行するためには、株主目線を取り入れた規律ある事業ポートフォリオマネジメント体制を構築しそれを支えるガバナンスの仕組みが必要である。一方、経営資源配分を推し進めるにしても、売却戦略が十分に練られておらず、結果として企業価値を最大化できていないケースも散見されます。本講演では、事業ポートフォリオを最適化するためのマネジメント体制構築について解説するとともに、経営資源配分の仕方、とりわけ売却戦略に焦点を当て、その要諦について取り上げます。
15:10~15:15 休憩
15:15~15:45 協賛社講演Ⅱ
戦略的M&Aの要諦~乾坤一擲のM&Aを成功させるために~
- 企業戦略におけるM&Aの位置づけ
- 買収M&Aを成功させるための具体的な準備・検討プロセス
- M&A実行段階におけるフェーズ(検討、交渉、実行)ごとの具体的対応と留意点

GIP株式会社
代表取締役
山本 明紀 氏
2007年よりGCA株式会社(現フーリハン・ローキー)に入社、2019年同社エグゼクティブディレクター(パートナー)就任、2022年J.P.モルガン証券株式会社エグゼクティブディレクターを経て、2023年GIP株式会社を設立。投資銀行業務に15年強従事し、クロスボーダー/国内M&A、事業カーブアウト、LBO、MBO、株式非公開化、資本参加、合併分割、ディフェンス、委任状争奪、フェアネスオピニオン、買収前事前調査(ターゲット・リスティング)、財務デューディリジェンス、投資ファンド運営、といった多様なM&A・投資銀行サービスを提供し、従事した地域は日米欧亜にわたる。15年強の中でのM&A関与案件は300を超え、過去の経験に基づいた実践的なアドバイスを提供しつつ、M&A、カーブアウト等におけるハンズオンでのサービス提供に強みを有する。東京大学経済学部卒業。
講演のポイント
経営競争環境の変化に対応し、多様な株主に対しての成長戦略を示すため、事業セグメント入れ替え等を伴う戦略的な買収M&Aはもはや必須と言えます。 本セッションでは、企業が買収M&Aを戦略的に検討し、企業ステージを変革するための乾坤一擲のM&Aに向かう場合に理解をしておくポイントと論点について解説します。
15:45~16:45 パネルディスカッション
中長期的な企業価値向上に必要な構造改革とM&A―M&Aの決断を振返って
- 企業戦略におけるM&Aの位置づけ
- M&Aを失敗させないための具体的検討プロセス
- M&A実行段階におけるフェーズ(検討、交渉、実行)ごとの具体的対応と留意点

パネリスト
株式会社日立製作所
コネクティブインダストリー事業
統括本部
事業戦略統括本部
経営戦略本部長
ハジャティ史織 氏
1994年 日立製作所入社、海外事業開発・交渉業務を担当。2000年 米国UCLAアンダーソンスクールにてMBAを取得。2001年 外資系スタートアップ入社、動画ネット配信等の事業開発。2003年 日本マイクロソフト株式会社入社、ファイナンス、エンタテイメント部門の事業開発・経営企画を担当。2011年 日立製作所再入社、M&A・事業再編等の実行業務を担当。 2020年 インダストリーセクター 経営企画及びM&A等事業開発担当。2022年 コネクティブインダストリーズ発足に伴い、経営戦略本部長に就任、現在に至る。外国人男性と結婚、1男1女の母。趣味は最近始めたゴルフ。

パネリスト
三菱ケミカルグループ株式会社
ストラテジー所管
事業開発部長
林 義和 氏
ローム株式会社にてM&Aやグループ事業再編等を推進後、2010年に買収した米国企業に出向しPMIを主導。2015年の帰国と同時にルネサスエレクトロニクス株式会社経営企画・財務統括チームに参画、構造改革やM&A、PMIを執行。2021年に三菱ケミカルグループ株式会社に参画、グループ事業の成長戦略立案や再生等のプロジェクトを主導、2024年より現職。慶應義塾大学法学部卒、コーネル大学経営大学院MBA修了。

モデレーター
京都大学経営管理大学院
特命教授
松本 茂 氏
16:45 終了
※ プログラム内容や時間は急遽変更となる場合がございます。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。