CFO Leadership Forum 2025
未来を創る意思決定と投資家・資本市場との対話
~成長エンジンとしてのCFO機能の高度化~
開催概要
開催日時
- ライブ配信 2025年9月18日(木)13:30~17:20
- オンデマンド配信 2025年9月29日(月)~10月31日(金)
開催趣旨
市場のグローバル化、そして経営環境の変化により、近年、CFOやファイナンス部門に求められる役割と責務が大きく変わりつつあります。会計・財務・税務・内部統制など “企業価値を守る” 番人としての役割はもちろんのこと、欧米のマネジメントと同様に社内外におけるスポークスパーソンとして、そして、CEO・COOとともに経営の意思決定に参画、貢献し、“企業価値を創造する” 経営リーダーとしての重責を担う時代を迎えています。
しかしながら、“企業価値を守る” 番人としての役割を長く培ってきた経理財務部門において、また中計をはじめ企業の未来を描く戦略策定など、経営企画系の部門が牽引する例も多い日本企業においては、欧米のグローバル企業におけるCFOの管掌範囲とは、まだまだ大きなギャップがあるのではないでしょうか。伝統的な経理財務に関わる役割に加え、経営戦略、ポートフォリオ改革やM&A等の投資戦略、資本政策、サステナビリティ・ESG経営への移行、経営管理の高度化やFP&A機能の強化、そしてアクティビストをはじめとした株主提案などが増える現代の企業経営において最も重要であろう資本市場への発信(投資家をはじめとしたステークホルダーとの積極的な対話を通じたエンゲージメントの醸成)など、グローバルな市場で求められるCFOの責務は多岐に渡ります。今こそ、“企業価値を創造する” CFOのリーダーシップとそれを支える成長エンジンとしてのCFO機能の高度化(ファイナンス部門の変革)が求められているのではないでしょうか。
今回のフォーラムでは、「未来を創る意思決定と投資家・資本市場との対話」をメインテーマに、企業の成長エンジンとしての、CFOとファイナンス部門の役割と責務について検証していきます。企業価値向上に貢献するCFO機能とはどのようなものか、そしてビジネスパートナーとしての経理財務部門への変革とはどのようなものか。攻めの経営にチャレンジする先進企業のCFOリーダーをお迎えし、その取り組みや改革の歩み、また現状の課題などから、“企業価値を創造する”真のファイナンスリーダーとその組織づくりのキーファクターについて考察していきます。
概要
参加対象者 |
経営者、役員、CFO、経理財務、経営管理、コーポレート部門、企画系等の管理職の方々 |
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参加料 |
無料(事前登録制) |
参加形式 |
オンラインLive配信 *開催後1ヶ月間のオンデマンド視聴あり ※本セミナーは オンライン配信となります。視聴方法はお申し込み後にご案内いたします。 ※お申込者でない方への視聴用URL共有はご遠慮ください。同じ会社内で複数名でのご参加を予定されている場合にも、お手数ですがお一人ずつお申し込み下さい。 ※登録時のメールアドレスに登録完了メールを送付いたしますが、万が一届かない場合、大変お手数ですが、customer1@b-forum.netまでご連絡ください。 |
主催 |
株式会社ビジネス・フォーラム事務局 |
協賛 |
有限責任 あずさ監査法人 、 SAPジャパン株式会社 |
プログラム詳細
13:30~14:00 基調講演 【CFO組織の改革と高度化】
日本企業におけるこれからのCFO組織変革の方向性
~企業価値向上・事業成長を促進する”攻め“の本社機能配置~
- CFOの役割の変化とCFO組織に求められる役割
- 企業価値向上に向けたあるべきフォーメーション
- これからのCFO組織のあり方と業際の設計、変革のステップ

有限責任 あずさ監査法人
アドバイザリー統轄事業部
マネージング・ディレクター
柏原 恭太 氏
1999年朝日アーサーアンダーセン入社。様々な業種のグローバル企業に対して企業戦略を実現するための経営管理の仕組みの構築、組織再編、管理会計の高度化に関わるコンサルティング業務に従事。2008年に有限責任 あずさ監査法人のアドバイザリー部門に入所、以来、CFOを取り巻く環境変化を踏まえたCFOアジェンダに関わるCFO組織改革、コーポレート組織の業務プロセスの改革、シェアードサービス化や組織再編、持株会社化などに広範なテーマに従事。最近では特にFP&A導入や業務の実装、日本企業の業績・財務コントロールの変革、資本コスト経営の定着化に向けた支援に数多く従事、セミナー・寄稿多数。
講演のポイント
東証から上場企業に対し資本効率の更なる向上が強く要請される中、依然として多くの日本企業に対して厳しい見方がされている。こうした要請に応えて企業価値向上を実現していくためには、成長のための大胆な経営資源配分の判断、迅速で精緻な業績の分析と改善アクション、投資家との的確なコミュニケーションなどが重要となる。これらの役割を担うべきCFOは、その役割と権限を見直し、傘下のCFO組織についても機能と体制を強化することが不可欠である。具体的には、これまでの決算、財務戦略、予算管理といった伝統的な機能に加えて、企業価値創造を担う”社内投資家”としての視点を持ちつつ、事業活動をコントロールし、かつ事業部門のスポークスパーソンとして行動する役割、すなわちFP&A(Financial Planning & Analysis)の機能強化が求められている。CFO組織に必要なスキルセットを再定義するとともに、従来のサイロ型の組織を見直して、新たなCFO組織フォーメーションに向けたドラスティックな変革が必要とされる。本講演ではCFO組織を取り巻く環境の変化を踏まえ、これからのCFO組織のミッション、強化すべき機能と役割、その実装方法を解説する。
14:00~14:40 特別講演 【CFO組織からの企業価値向上施策】
富士通にみる経営改革と未来創り
~企業価値の持続的向上とCFOの役割り
- 変革の道のりとその意義:環境変化に対するレジリエンスと事業の成長
- 変革を実現する基盤創り:データドリブンとFP&A機能実現に向けた挑戦
- 変革におけるCFOの役割り:成果と課題、そして展望

富士通株式会社
代表取締役副社長 CFO
磯部 武司 氏
1985年富士通株式会社入社。2014年財務経理本部経理部長、2018年4月執行役員 財務経理本部長(2021年3月まで)、2019年6月執行役員常務 CFO(現在に至る)、2020年4月執行役員専務、2020年6月取締役執行役員専務、2022年4月取締役執行役員 SEVP、2024年4月代表取締役副社長(現在に至る)。
講演のポイント
プロダクト中心の事業モデルからコンサルティングやソリューション中心の事業モデルへと変革を進める富士通。ノンコア事業の売却、グループ会社の再編など、積極果敢に事業構造改革を進めている。2023年には、ファイナンス部門の改革として、FP&A組織を立ち上げ、従来の単なる数字の集計・報告の役割を超え、データに基づいた経営戦略策定から実行、評価や意思決定を支援する「真のビジネスパートナー」を目指し、変革を進めている。未来を創るための経営改革、そしてファイナンス部門からの企業価値向上の実現を目指し、その変革を牽引する、同社代表取締役副社長、CFOの磯部氏を迎え、これまでの改革の道のり、そして企業の未来創りを、CFOとして、ファイナンス組織として、どのように実行・推進、また進化させていくのか、そのヒントやキーファクターについてお話いただきます。
14:50~15:20 協賛講演 【データドリブン経営の実現】
SAPによるデータドリブン経営実践事例
~非財務・財務データ利活用の仕掛け作りとAI活用に向けた今後の方向性~
- 事業構造変革の背景と成功要因
- 財務および非財務データの経営管理への織り込み方と外部ステークホルダーとの対話
- データ利活用の仕掛け作りとAI活用に向けた今後の方向性

SAPジャパン株式会社
カスタマーアドバイザリー本部
日本CFO協会 主任研究員
早稲田大学大学院 非常勤講師
中野 浩志 氏
大手精密機械メーカーにて、輸出・外為業務、海外営業、海外現地法人立ち上げと同社ERP 導入及び事業管理・財務経理マネジメントを担当。1998 年に SAP 入社後は、ERP (ファイナンス) 導入コンサルタントとして大手製造業、総合商社プロジェクトを担当し、ファイナンスソリューションマネージャーなどを経て現在は経営管理・経理財務領域のデジタル変革を支援するシニアプリンシパル。日本CFO協会主任研究委員、早稲田大学大学院非常勤講師、公認内部監査人(CIA) 、公認情報システム監査人(CISA) 、公認不正検査士(CFE) 、米国公認会計士全科目合格。
講演のポイント
SAPは大企業病と言われた停滞期を脱するため、M&Aを活用して売切り型からサービス型に事業構造変革を推進し、再度成長企業としてステークホルダーに評価されるに至りました。本セッションでは、この変革の成功要因を概観した後、ビジネスモデルシフトを支えた財務および非財務データを活用したデータドリブン経営実践事例について、具体例を用いてご紹介させていただきます。また、データ利活用の仕掛け作りとAI活用を見据えた今後の方向性についてご説明させていただきます。
15:20~16:00 事例講演 【CFO機能の高度化、FP&A】
FP&Aと企業価値向上
~“攻め”と“守り”のファイナンス組織を目指した機能・組織・人材の変革
- コクヨにみるFP&A機能強化と施策
- 経営、事業戦略を支えるファイナンス組織への変革
- 株式市場との対話~「成長」と「株主還元」の両立、施策
- 更なる企業価値向上に向けて~現状の課題と展望

コクヨ株式会社
執行役員 Finance & Accounting本部長
本田 仁志 氏
早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、東芝に入社。経理および財務領域を担当。工場の原価担当から、全社規模の投融資管理、資金戦略策定などを経験した後、グループおよび個別事業の中期計画・予算策定等を担った。その後、アーバンコーポレイション、ファーストリテイリングを経て、2008年8月、トランスコスモスに執行役員 経営企画部長として入社後、CFOに就任し、経営管理、経理、財務、法務、総務、システム部門などの領域を統括した。2019年4月、日立物流(現ロジスティード株式会社 )入社後、2023年4月より常務執行役員CFOに就任。2024年4月より現職(25年1月、理財本部からFinance & Accounting本部に名称変更)。
講演のポイント
2025年10月に創業120周年を迎えるコクヨ株式会社。長期ビジョンCCC2030のもと、「WORK & LIFE STYLE Company」と自らの社会における役割を再定義し、豊かな生き方を創造する企業となることを目指し、企業文化、組織・人材のあり方、個々の能力の発揮の仕方を根本から変革、外部からも多くの人材を招き、その改革を大胆に進めている。経営、事業戦略を支え、実現していくファイナンス組織とはどのようなものか。トランス・コスモス、日立物流などでCFOを歴任し、2024年より現職としてご活躍するFinance & Accounting本部長の本田氏をお迎えし、キャッシュフロー経営と株主還元強化を掲げ、成長と還元の両立を追求する取り組み、そして“攻め”と“守り”のファイナンス組織を目指した機能・組織・人材の変革プロセスについて、現状の取り組みや課題なども含めお話しいただきます。
16:00~17:20 パネルディスカッション 【成長をドライブする投資家・資本市場との会話】
成長エンジンとしてのCFO組織の役割と責務
~投資家・資本市場との積極的な対話時代を迎えて~
- 各社の取り組み事例~ファイナンス部門の役割と責務
- 未来を創る意思決定と投資家・資本市場との対話のカギ
- 「投資家の目線」とは何か:経営資源配分の最適化と事業ポートフォリオ組換え、CFOと経営陣が押さえるべき財務戦略のポイント

大日本印刷株式会社
専務取締役
黒柳 雅文 氏
1983年4月 大日本印刷株式会社 入社(同年6月 経理本部配属)。2004年4月 経理本部経理第1部長、グループの製造会社社長経験後、2015年6月 役員に就任。その後、常務執行役員、常務取締役を経て、2024年6月 専務取締役(経理本部、法務部、監査室 担当)、現在に至る。

日本瓦斯株式会社
専務執行役員 コーポレート本部長
清田 慎一 氏
東海銀行社(現三菱UFJ銀行社)、オリックス社グループ、小松製作所社を経て、2012年に入社。ファイナンス全般に関する知識と経験を有する。入社後はIR部を立ち上げ資本市場との対話を深化させ、資本市場での当社知名度を向上させた。2024年Institutional Investorのエネルギー部門Best CFOランキングで第1位に選出。2015年に当社執行役員、2018年に当社取締役、2021年に常務執行役員、2022年に専務執行役員に就任(現任)。

Kaname Capital
Partner Head of Research
槙野 尚 氏
2012年東京大学法学部卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券にて株式調査を担当。2014年からみさき投資にてエンゲージメント投資に携わった後、2022年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。同年から現職。論文に「創業家持分が多い企業のガバナンス」(みずほ証券資本市場アップデート)など。

モデレーター
有限責任 あずさ監査法人
サステナブルバリュー統轄事業部
パートナー
土屋 大輔 氏
1999年に大手都市銀行に入行。2001年に大手IR・SRコンサルティング会社入社。2013年に同社取締役IR・SRコンサルティング本部長に就任。時価総額大手の上場企業を主要なクライアントとし、IR、株主総会に関するコンサルティング並びに助言業務を手掛ける。2015年よりKPMG/あずさ監査法人にてCFO×ESG領域に関するアドバイザリーに従事。資本生産性指標(ROIC等)の活用や事業ポートフォリオ評価、最適資本構成方針立案、サステナブルファイナンス、気候移行計画立案といった戦略領域等につきアドバイスを行う。KPMGサステナブルバリューサービス・ジャパン メンバー。主な著書に「ROIC経営」「ROIC経営実践編」。
17:20 終了
※ プログラム内容や時間は急遽変更となる場合がございます。予めご了承ください。