2021/10/15 (  金 )

製造業限定 Data Innovation Seminar 2021 ショートレポート

製造業限定 Data Innovation Seminar 2021 ショートレポート

製造業限定 Data Innovation Seminar 2021

攻めのデータ活用で生みだす、未来志向の新たな価値と成長の糧

~日本のモノづくり企業こそ実現できる〝現場を活かす“データマネジメント~

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

特別協賛:株式会社セールスフォース・ドットコム

協賛:Snowflake株式会社

開催趣旨

製造業におけるデータ活用は、今後どのように進めていくべきか? 

2016年の世界経済フォーラムにおいて『第四次産業革命』というフレーズが初めて使用されてから、早くも5年が経とうとしています。

一般的に、『第四次産業革命』 が、AI(人工知能)やIoTを用いることで起こる製造業の革新といわれる中、これまでAI(人工知能)を導入しデータを活用するIoTビジネスへのチャレンジ、そしてブロックチェーンやXRのような新興技術の利活用を取り入れたスマート化・デジタル化を進めるも、実は「独自価値を生む可能性があるのに活用できていない、利用できていないデータ」は多いのではないでしょうか?

例えば、製造や研究の‶現場″には、これまで日本の製造業が培い、蓄えてきた『宝となるデータ』が数多くあるものの、結果的に活用しきれていないという企業が圧倒的多いという調査結果もあります。

特に製造業では、データを扱うスキル不足や組織体制がデータ活用における障壁になるとともに、生産設備にはサポートの切れた「老害パソコン」が数十万台規模で稼働しており、データを活用した新たなテクノロジーとの融合を阻む原因になっているということも聞かれます。

しかし、データ活用に二の足を踏んでいてばかりではいけません。目の前の課題を乗り越えていった先に、日本製造業の未来と成長への光明が見えてくるはずです。現に、課題や障害を打破する【攻めの姿勢でデータ活用】を進め、新しい可能性や成長の糧を掴んでいる企業も続々と登場してきています。

本セミナーでは、製造業の‶現場″にフォーカスしたデータ活用の先進企業の取り組み事例を中心に考察します。

その考察から得られる『未来志向のヒント・考え方』は、必ず貴社の転換を後押し、日本のモノづくり企業の皆様だからこそ実現できるデータ活用方法を導きます。

ご登壇者の皆様がチャレンジし、新たな領域を切り開いているからこそ納得できる考察ポイントの数々と貴重な知見を、余すことなくお聞きいただき、貴社が実現する『新たな価値創造』の切っ掛けにしていただけば幸甚です。

参加者の属性

≪業種≫
≪部門≫
≪役職≫
 

特別ゲスト・基調講演

「経営者に必要な情報センス」
~データを読み解くために忘れてならないのは問題意識~

競争戦略論、リーダーシップ論のプロフェッショナルである、内田様より、「企業の経営において情報やデータは、どのような価値を持ち、どう使いこなせばいいのか?」 製造業のこれからの経営において『データ活用』が持つ意味と意義を特別に講義いただきました。

内田 和成 氏

早稲田大学ビジネススクール
教授

内田 和成

Voice of attendees

「自身の経験に基づいたお話が、説得力があり、興味深かったです。」

「肌感覚が一番大事という話がためになりました。」

「具体例を挙げられた説明が分かりやすかった。」

ゲスト事例講演Ⅰ
マネジメント視点で知る、製造業ならではのデジタル変革フェーズでのデータ活用の要諦!

旭化成における「デジタル×共創」によるビジネスの変革

旭化成は、デジタルトランスフォーメーション(DX)をワンステージ先に進めるため、本年度から新組織「デジタル共創本部」を設立。社内の専門人財を集結させるなど体制を強化し、これまで個別業務で取り組んできたDXの取り組みを事業・経営全体へと定着を図っています。 デジタルの力でビジネスモデルの変革を加速させ、「新たな社会的価値の提供」を実現するため、どのようにデータを活用しているのか?デジタル共創本部を率いる久世様より、これまで成果を上げている取り組みと、未来志向の取り組む今後の展開をお話しいただきました。

久世 和資 氏

旭化成株式会社
常務執行役員 兼 デジタル共創本部長

久世 和資

Voice of attendees

「知財への活用が印象的であり参考になった。」

「取り組み方や情報システム部だけではなく、周りの部門に対し、デジタルリテラシーの向上を社で行われている社風・また向上心が凄いと感じました。弊社では出来ていないことを実行されている、企業の力を感じました。」

「企業風土作りのための取り組みが参考になった。」

提案講演Ⅰ
未来志向のデータ活用を考察!~国内・海外の製造業の先進企業事例から知る~

国内外の先進事例に学ぶデータ活用成功の要諦

世界に誇れる日本の製造業は、デジタルトランスフォーメーションでより競争力を強化できます。過去20年で国内外の先進企業は製造工程だけでなく、顧客・代理店と接点をもつ業務のデジタル化に取組み、商売のやり方を試行錯誤してきました。業務・組織・デジタルを三位一体で変革していくにあたり、パーパス・ビジョン・ミッションと同様、将来の業務がどう変わるかを従業員とともに考え、企業文化の変革に向けたロードマップを作成し、草の根的な実行施策を矢継ぎ早に実行・継続していくことが重要です。当セッションでは、製造業の現在地を各種統計データや成功事例から探り、未来に向けてすべきことを考察しました。

鹿内 健太郎 氏

株式会社セールスフォース・ドットコム
インダストリーズトランスフォーメーション事業本部 製造業担当マネージャ

鹿内 健太郎

Voice of attendees

「社風の成に非常に興味を持ちました。弊社はTHE昭和の社風で現場が変わろうとしません。どの様に取り組んでいけばよいか、もっと知りたいと思いました。」

ゲスト事例講演Ⅱ
‶製造現場“のデータ活用 × 技術・技能伝承法!

「匠の知見」を組織知に変えた”匠KIBIT”
~データを活用した製造現場における技術・技能伝承法~

日本で初めて板ガラスの工業生産に成功したAGC株式会社。100余年の歴史を越え、長い歴史の中で積み上げた高い技術により、今なお、世界のガラス生産においてトップシェアを誇ります。「両利きの経営」を実践すると称されるように、現状に甘んじることなく新しいチャレンジを続けるAGCが取り組んだデジタルトランスフォーメーションの一端を担うのが、 熟練技術者の匠(たくみ)の知見をデータ化、AIが技能伝承システムづくりです。 この「情報・技術・人を横串でつなぐ」とも表現できるシステムのプラットフォーム作りを担われてこられた山道様に、ここでしか聞けない経験の数々と独自のご知見をお話いただきました。

山道 弘信 氏

AGC株式会社
技術本部企画部 戦略企画グループ パートナー
 (前 フロート技術推進部 部長)

山道 弘信

Voice of attendees

「当社の抱える課題と類似した内容であり参考になりました。」

「ベテラン技能の伝承は大きな問題と認識している。かなり参考になる事例であった。」

「組織知の共有は喫緊の職場課題だったのでとても参考になった。」

提案講演Ⅱ
‶サプライチェーン現場“におけるデータ統合・活用のポイント!

データクラウド
〜データのグローバルネットワークが繋ぐサプライチェーン~

原材料の調達、パーツ製造、組立、出荷、販売、消費者による使用、口コミ・体験の共有、回収…と、プロダクトの一生が成立するにはさまざまな人々や組織が関わることになります。これらの人々が行動した結果を取得するためにはデータの活用が不可欠ですが、データがそれぞれの組織の手元にあり、バラバラに散らばっているとなかなか統合的なインサイトを得ることは難しく、どうしても見えない部分を空想に基づいた意思決定に頼らざるを得ません。
こういった課題を解消し、データを移動させることなくデータ同士を繋ぐネットワーク効果を得ることができ、 様々な組織が持つデータをコラボレーションさせ、データ活用を推進する方法を提案いただきました。

KT 氏

Snowflake株式会社
プロダクトマーケティングマネージャー

KT

Voice of attendees

「クラウド同士が繋がることによるメリット/可能性が分かった。」

「具体的な活用事例をもっともっと知りたかった。」

ゲスト事例講演Ⅲ
‶研究開発現場“のデータ活用と新価値創造への知見!

クボタが挑む『スマート農業』が見据える未来
~データ利活用で実現する、新たな技術開発と価値創造の‶勘所“ ~

創業以来、日本の農業と共に歩み、米づくりを支えるクボタ。他に先駆けて2014年にはICTを活用し、データに裏打ちされたスマート農業を営むための支援をスタートさせています。また昨年から提供を始めた故障解析用の拡張現実(AR)アプリ「Kubota Diagnostics」など、デジタルトランスフォーメーションへの歩みを加速させています。 10年以上前から、データを活用し研究技術開発を進めてこられた飯田様より、これからの世の中において、新たな技術開発を実践していく中で必要な価値創造の‶勘所“を、これまでの知見と経験を交え、お話しいただきました。

飯田 聡 氏

株式会社クボタ
特別技術顧問 工学博士

飯田 聡

Voice of attendees

「農業も進化していることが非常に良くわかりました。」

「ハードとソフトを連動させた取り組みが素晴らしいと思いました。」

ゲスト事例講演Ⅳ
‶グローバルな生産(工場)現場“における先進的データ活用の今!

製造業の可能性を拡大する、AI活用・データ活用
~ボッシュの取り組みからみる、インテリジェントな製造プロセス~

ボッシュは2021年にAIソリューションをボッシュの世界中の約50のパワートレイン工場に導入し、800以上の生産ラインに接続すると発表。AIを活用で目指すところは、「工場の効率化」、「生産性の向上」、「環境へのさらなる配慮を可能にし、製品の品質を向上」、「工場のコスト削減への貢献」です。 そのために必要な【データ活用のポイント】は、いったいどんなところにあるのか?グローバルな生産体制におけるデータ活用の事例を交え、お話いただきました。

川縁 俊寛 氏

ボッシュ・エンジニアリング・アンド・ビジネス・ソリューションズ
カスタマソリューショングループ ジャパンリード

川縁 俊寛

Voice of attendees

「スマート工場 global connected solution Energy saving がとても参考になった。」

「予防保全に対する考え方の改革が参考になった。」

「CNに向けた取組みとして、参考になりました。日本ならどうするか!?」

ゲスト事例講演Ⅴ
製造業の未来志向の鍵!‶顧客起点のデータ活用実践“へのヒント!

「ユーザー中心のバリューチェーン」を実現するデータプラットフォーム構築
~カシオが目指すデータ・デジタルを活用したユーザーファーストの未来~

カシオ計算機は、ニューノーマルの時代においても選ばれ続ける企業になるために、“プロダクトファースト”のバリューチェーンから、市場や社会のニーズに常に応え続ける“ユーザーファースト”のバリューチェーンへの変革を目指し、全社横断のDX推進組織として「デジタル統轄部」を立ち上げました。 「ユーザーのデータが開発、生産、営業と連携する」、「開発現場のデータがユーザーと連携する」、といった、データでカシオとユーザーが繋がる未来の構築に向けて、現在の取り組みと今後の展望についてお話しいただきました。

石附 洋徳 氏

カシオ計算機株式会社
デジタル統轄部長

石附 洋徳

Voice of attendees

「デジタル戦略は全社のロードマップが必要という説明が印象に残った。」

「とても先進的な取組みと思いました。もっと詳しく聞きたいところです。」

「ユーザから提供された情報をどの様に活用するかが明確に示されており、気づきをたくさん得られました。」

企画者からのコメント

この度は「製造業限定 Data Innovation Seminar 2021」へ、

多くの方々にご視聴を賜り、誠にありがとうございました。

そして、日々ご多忙にもかかわらず、主題として掲げた、【日本のモノづくり企業こそ実現できる〝現場を活かす“データマネジメント】の重要性について、貴重なご自身のご経験・ご知見をご披露くださいました、ご講演者の皆様に心からの御礼を申し上げます。

ご参加者いただいた皆様に伺ったアンケートから、製造業のデータ活用には、まだまだ課題が多く、その課題感も多岐にわたることを実感しました。

引き続き、製造業のデータ活用・デジタル変革の課題を解決できるようなセミナーやコンテンツを企画し、皆様のデジタルトランスフォーメーションの成功につながる気づきや、ヒントをお届けできるよう、情報発信して参ります。

 

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
シニアマネージャー・プロデューサー
進士 淳一