2016/01/22 (  金 )

New Business Creation Forum 2016

New Business Creation Forum 2016

New Business Creation Forum 2016
攻める、挑戦的企業の新事業創出!!
~不確実性時代を生き抜く、組織の戦略とイノベーション~


 2016年1月22日(金)、東京駅 ステーションコンファレンス東京にて「New Business Creation Forum 2016 攻める、挑戦的企業の新事業創出!! ~不確実性時代を生き抜く、
組織の戦略とイノベーション~」を開催しました。

 

開催趣旨

 

 昨今、市場は不確実性を増し、これまでの捉え方を超越したビジネス環境へと変化しています。次々に生まれる最新の技術やインターネットの革新は、これまでのビジネスを根底から覆すようなサービスを生み、その変化に対応できない企業は淘汰されてしまいます。製品・サービスの陳腐化が加速度を増すビジネス環境において、日本企業が勝機を得るためには、既存の枠にとらわれずに新しい価値づくりに挑戦する「新事業創出」の戦略とイノベーションが必要ではないでしょうか。

本フォーラムでは、「新事業創出」をテーマに、事業開発に成功された経営トップ、事業化を先導する実践者、R&Dを統率するマネジメント、起業家、ベンチャー企業、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、経営学者など様々な立場の方にご登壇頂き、組織のあり方・経営トップの役割・事業化のプロセス・研究開発のマネジメント・オープンイノベーションの本質など、新事業創出におけるキーファクターを多角的な視点で検証いたします。

 

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局
特別協賛:アーサー・D・リトル・ジャパン株式会社

 


特別講演

宅急便の誕生にみる新規事業創出・発想の転換と挑戦
~クロネコヤマトの実践から~

 

  • 「クロネコヤマトの宅急便」
    -事業化の道のり-
  • 新規事業創出における経営者の役割
  • 事業を創出する組織のあり方

 

 

講演内容のポイント

ヤマト運輸が展開する「クロネコヤマトの宅急便」。その生みの仕掛人が都築氏である。1976年、2代目小倉社長の右腕として、当時の業界常識を破り、市民の小荷物を運ぶ「クロネコヤマトの宅急便」を発想し、開発。労働組合の反対、免許問題における運輸省・郵政省・警察庁と折衝など、厚い壁が立ちはだかる中、全国翌日配達のネットワークシステムの基を作り上げた。 本講演では宅急便誕生の舞台裏、実践と経験から得た事業化成功の鍵、そして新規事業創出における経営者の役割と事業を創出する組織のあり方をお話いただきました。

参加者の声

  • 「新しいことをやろうとすると必ず壁がある」のお言葉で思い起こすことが多々あり、こみ上げるものがありました。大変大きな勇気を頂きました。ありがとうございました。社運をかけた新事業の創出の肝を改めて思い知ることが出来た。
  • 誰もやっていないことをやるという新事業創出の成功例として興味深く拝聴した。
  • 退路を断って、新規事業に取り組んだ点と人材、コミュニケーションを重視している点が参考になった。
  • 新事業創出の転機、直面した壁など要点を凝縮した形で非常に興味深く拝聴しました。

 

ヤマト運輸株式会社 
元・代表取締役社長
都築 幹彦

 


ヤマト運輸に入社後、路線部営業課長、支店長、取締役路線部長、1975年常務取締役営業本部長を経て、1983年代表取締役専務就任。1976年、2代目小倉社長の右腕として、「クロネコヤマトの宅急便」を開発。1987年代表取締役社長(3代目)に就任。1991年会長、相談役。1995年に小倉氏と一緒にヤマト運輸を退く。著書『どん底から生まれた宅急便』(日本経済新聞出版社)がある。

協賛講演

 

“新事業”創出のための5つの要件 – 成功・失敗からの学び

  • “新事業”創出 ―成功・失敗事例からの分析―
  • “新事業“成功の確率を上げる「5つの要件」

 

 

 

講演内容のポイント

 

国内市場飽和・少子高齢化・グローバル化・IOT・AI等の技術革新 等の到来はこれまでの産業構造を大きく変え、企業にとっては既存事業からの脱皮・進化、すなわち“新事業”創出が死活問題となっています。一方で、新事業創出に取り組んできた企業の多くは“新事業”創出に疲弊していることも事実です。“新事業”は失敗が避けられない場合はありますが、成功の確率を上げることはできます。そのためには成功・失敗事例から学ぶことが肝要です。本講演では成功・失敗事例の分析から明らかになった、「新事業を創出するための5つの要件」をご紹介いたします。

参加者の声

  • 自分もこれまで知らなかった、新規事業の切り口を知ることが出来た。
  • 価値への着眼力が重要と感じた(素材メーカーとして弱点であり、育成が必要)。
  • 新規事業に必要なスキームを図で表現して頂いたので自社に帰って、部内展開できるのがありがたい。
  • 短い時間でうまく新規事業創出の内容が盛り込まれていた。
  • まさに現在の業務に当てはまります。フェーズ毎の目標設定と新事業構想の部分が印象に残っています。

アーサー・D・リトル・ジャパン株式会社
プリンシパル
佐野 正昭


東京工業大学大学院 理工学研究科化学工学専攻修了。電機・食品・化粧品・住設建材 等コンシューマー領域・エレクトロニクス・IT・化学等 産業材領域における、長期経営構想・戦略立案、事業計画・新規事業戦略立案、技術・知財戦略立案、戦略に基づいた組織・業務・人材等の改革の計画立案・実行支援を手掛ける。

特別講演Ⅱ+特別対談

 

富士フイルムにみるイノベーションと新事業開発

  • -第二の創業
  • -写真フィルムにみる“イノベーション”と“ものづくり”
    ~ 写真フィルムから進化したライフサイエンス事業
  • -新規事業創出(パラダイムシフト)の鍵

 

講演内容のポイント

「デジタル化」の波によってコア事業である写真フィルムが大幅縮小。文字通りの「本業消失」の危機に直面した富士フイルム。新事業の開発が急務の中、コア技術のなかに次の事業の種を見つけ、化粧品、医薬品、再生医療などのメディカル・ライフサイエンスの分野をみごと事業化へと導いたのが専務執行役員を務める戸田氏だ。事業化成功の鍵はどこにあったのだろうか。 本セッションでは事業化のプロセスや裏にあった障壁・課題・その対策等を伺いながら成功の秘訣をひも解き、事業開発成功のキーファクターを検証致します。

参加者の声

  • 新事業創出の3要素、「チマチマ始めても勢いづかない」、精度高い根拠を求めすぎないといったポイント、活用したいと思います。
  • 自社のコアを問うこと大事、同意。弊社でも議論はするが定義難しいです。
  • わらねばならない状況に追い詰められた時こそ、コツコツと積み上げてきた独自の技術が生きるのだと改めて思った。
  • 良いカルチャー、強いカルチャーが戦略や事業創造の実行をドライブすることを実感した。
  • 競争力の源泉(強み)のフォーカスが重要であることを認識させられた。
  • 新事業創出の過程などが事例を元に説明頂けて、大変興味深かった。特に新事業は理解されにくいという話は印象的。
  • 「富士フイルムは信頼を売っている」は頭に残りました。

富士フイルム株式会社
取締役 専務執行役員
戸田 雄三


千葉大学 工学部写真工学科修士卒。1973年入社、カラーフィルム製品開発・製造技術に従事。93年より、Fuji Photo Film B.V(オランダ)研究所長、欧米市場向け感光材料の開発及びコラーゲン研究を基に再生医療の研究をスタート。2004年 化粧品・サプリメント事業、07年 医薬品事業を立ち上げる。富山化学工業㈱取締役・専務執行役員、再生医療イノベーションフォーラム 代表理事・会長、内閣官房 医療イノベーション推進室 次長を兼任、現在に至る。


対談モデレーター
アーサー・D・リトル・ジャパン
株式会社
パートナー
森 洋之進 


東北大学工学部機械工学修士課程修了。米国力リフォル二ア大学バークレー校経宮学修士(MBA)。大手電子機械メーカー(商品企画、設計・開発、海外戦略立案、合弁会社設立等)、米国系経営コンサルタン卜会社勤務を経て、 ADLに参画。経済産業省「産業構造審議会知的財産政策部会経営・情報開示小委員会」委員、同省「特許権流動化・証券化研究会」 委員。製造業を中心とする国内、海外における事業戦略立案、技術戦略立案、知的財産戦略立案、経営革新支援などを手掛ける。

特別講演Ⅲ+特別対談

 

ハイアールアジアR&D、イノベーティブな研究開発へ

  • ハイアールの開発戦略
  • 「価電(価値の電機)」「可電(可能性の電機)」を生み出す ー開発の挑戦ー
  • 研究開発のマネジメント

講演内容のポイント

冷蔵庫・洗濯機などの白物家電で6年連続世界NO.1を誇るハイアールグループ。その傘下で日本と東南アジア地区を統括するハイアールアジアは今、手のひら洗濯機、液晶ディスプレイ搭載冷蔵庫やR2D2冷蔵庫など斬新な製品をスピーディに開発している。その裏にあるのが、これまでにない価値ある家電の創出に挑む旧三洋の技術者によるイノベーティブな研究開発だ。中国資本のハイアールとなり、R&Dの組織体制はどのように変化したのか。本セッションでは、三洋電機株式会社で技術・開発に従事した高塚氏に、ハイアールになって以降の研究開発のマネジメント、組織体制の変化、そしてこれから目指すイノベーションと開発戦略につきお話頂きながら、これからのR&Dの在り方を検証致します。

参加者の声

  • ポジショニング分析から展開など、かなり具体的な事例を挙げてご講演頂き、相当に有意義に感じました。
  • 人材を海外から求めておられること。弊社でも検討したいと思います。
  • M&Aを積極的に実践、自社にあるシーズを活かせる会社、自社にないものは他社にという企業風土を自社にもちこみたい。
  • オープンイノベーションの自社の強みの考え方、買収のシナジーなどの実例を聞くことが出来て興味深かったです。

ハイアールアジア株式会社
執行役員 兼 ハイアールアジアR&D株式会社
取締役副社長
高塚 景行


1982年東京三洋電機株式会社入社、映像事業部開発部に所属し、主にサーボ回路の開発などに従事する。 スイス、米国、香港駐在を経て、2012年10月に現ハイアールアジア株式会社に入社。ハイアールアジアR&D株式会社設立に伴い、2015年1月より、副社長として、革新的商品開発が出来る研究開発部門体制作りを進めている。


対談モデレーター
アーサー・D・リトル・ジャパン
株式会社
パートナー
森 洋之進 氏

特別セッション

 

総力戦で生み出す、イノベーションと新事業の源泉!!

参加者の声

  • 大変興味深く示唆に富んだ内容だった。知の組み合わせ、大学活用、コア技術、新規開拓に活用したいと思います。
  • 自社が古い体質の会社なので、イノベーションが生まれない。いつまでたっても経営層が口出しする。「変えたい、変わりたい」と思いました。
  • テンポよく、またパネリストもバラエティに富んでいました。ヒントを頂いた。米倉先生のリード、入山先生のロジックで更に引き立ったと思う。
  • 本音ベースで参考になった。メンバー構成、米倉先生のファシリテーションともすばらしかった。
  • Practicalな観点で生の話を拝聴出来、刺激(&勇気)を受けました。最終的には志・情熱・忍耐力・行動力ですね。

起業家の視点!!
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長
出雲 充


東京大学農学部卒、2002年東京三菱銀行入行。2005年8月株式会社ユーグレナを創業、代表取締役社長就任。同年12月に、世界でも初となる微細藻ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leader選出(2012年)、第一回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」(2015年)受賞。 著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』(ダイヤモンド社)がある。


ベンチャー企業の視点!!
株式会社チームラボ
取締役
堺 大輔


1978年、札幌市出身。東京大学工学部機械情報工学科、東京大学大学院学際情報学府終了。大学では、ヒューマノイドロボットのウェアラブル遠隔操作システムついて研究。主に、ソリューションを担当。 チームラボとはプログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート・サイエンス・テクノロジー・クリエイティビティの境界を曖昧にしながら活動している。


コーポレートベンチャーキャピタルの視点!!
株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ
取締役副社長
秋元 信行


1987年にNTT入社後はアジアを中心とした海外PJ立ち上げ関連業務に従事。1999年からNTTドコモ。NTTドコモではDOCOMO Capital, Inc.のPresident & CEO、DOCOMO Innovations, Inc.のChairmanを歴任、シリコンバレーR&D拠点の立ち上げ、スタートアップ投資、ドコモとの協業推進業務等を担当。一貫してスタートアップとの協業によるOpen Innovation実現に従事。


経営学者の視点!!
早稲田大学ビジネススクール
准教授
入山 章栄


慶應義塾大学経済学部卒業。三菱総合研究所を経て、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得。同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授に就任。2013年より現職。専門は経営戦略論および国際経営論。Strategic Management Journal、Journal of International Business Studiesなどの国際的な主要学術誌に論文を発表している。2015年11月に新刊『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』を刊行。


モデレーター
一橋大学イノベーション研究センター
教授
米倉 誠一郎
撮影:御厨慎一郎


イノベーションを中心とした経営戦略と組織の史的研究が専門。『一橋ビジネスレビュー』編集委員長、およびアカデミーヒルズの日本元気塾塾長でもある。ハーバード大学歴史学博士号取得(Ph.D.)。2012年よりプレトリア大学ビジネススクール・日本研究センター所長を兼任。著書は、『創発的破壊 未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『脱カリスマ時代のリーダー論』(NTT出版)、『経営革命の構造』(岩波新書)など多数。

<参加者の属性>

 

企画者からのお礼

この度は「New Business Creation Forum 2016 攻める、挑戦的企業の新事業創出!!~不確実性時代を生き抜く、組織の戦略とイノベーション~」 に多数ご来場を賜り、誠にありがとうございました。お蔭様で盛況のうちにフォーラムを終えることができました。フォーラムを終え改めて、皆様の新事業における課題・苦悩とともに、熱い意志を感じさせられました。決して簡単な道ではないかと存じますが、皆様“新事業創出”そして、“挑戦“を応援すべく、皆様のご活躍の一助となるよう、今後もセミナーを開催して参ります。

 

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
プロデューサー 山本 沙紀