2020/03/04 (  水 )

組織開発カンファレンス ショートレポート

組織開発カンファレンス ショートレポート

組織開発カンファレンス2020

組織×人材の関わり方

~時代を勝ち抜く、変化に強い組織づくりの構築~

開催日:2020年1月23日(木)10:00~17:10

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

特別協賛:コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社

「令和」の時代へと変わり、引き続き今後の労働力不足が問題視される中で、「AI(人工知能)などのIT・デジタル活用」、「雇用形態の多様化」、「“働き方改革”に伴う社員のワークスタイルの変化」、「副業の解禁」など、企業の経営を取り巻く環境変化のスピードは年々激しさを増しています。働く環境の変化は、部門間、職種間、現場のリーダーと部下、従業員同士のコミュニケーションが空疎となることもあり、生産性の低下につながることや、従業員のモチベーションの創発や維持をすること、さらには「人材の定着化」や「人材活用・採用」などへ与える影響は大きいでしょう。

最近では、IT・デジタルはより欠かせない存在となり、組織マネジメントは、ますます効率化が進んでいます。従業員の成長を促進するためのツールの導入や制度見直す企業も増えましたが、なかなか目に見えた効果が出ず、頭を抱える企業も多いのではないでしょうか。では、働く環境が変化する時代に、組織は如何に対応する必要があるのでしょうか。

激しい変化を伴い、少し先の未来を予測することも困難な時代に、企業が成長を維持するためには、内部連携の強化はもちろんですが、変化に対応できる組織の柔軟さと、有効的な人材の活用・育成が重要なはずです。企業側は、組織を強固かつ健全にする取り組みをおこない、よりエンゲージメントの高い組織づくりを実現することが、一層求められてきているのではないでしょうか。

本カンファレンスでは、著名な企業や有識者をお招きし、企業が今後の組織開発をしていく上で、重要なポイントについてお話いただきました。

参加者の属性

≪業種≫
≪部門≫
≪役職≫
 

特別講演Ⅰ

日本航空(JAL)が取り組む、健康経営 ~企業理念とウエルネス~

  • JALフィロソフィ
  • JALの健康経営 ~JAL Wellness 2020~

日本航空株式会社 代表取締役副社長執行役員
藤田 直志

<講演内容のポイント>

当講演では、JALで旅客販売統括本部長として旅客販売部門全体を統率し、実績をあげてこられた藤田様に、組織の活性化につながる、新たな価値創造に向けJALグループが取り組む健康経営についてお話しいただきました。

「特別講演Ⅰ」の様子
「特別講演Ⅰ」の様子
「特別講演Ⅰ」の様子
Voice of attendees

「健康経営には経営トップの強いリーダーシップが必要であると感じた。」

「ダイバーシティがイノベーション創出の為新たな価値となり未だ周回遅れの日本社会。不都合な真実から目を反らし、健康経営、働き方改革と金融資本主義下の発想で、欧米に追いつけ追いこせとリセットをくり返す超高齢社会を直視し、国有企業としてのSDGsの確立を期待します。」

「企業理念の重要性や捉え方について大変勉強になった。これまでは軽視していたが、改めて考えるきっかけになりました。」

「健康と経営が相容れないものに感じていたが、JALの事例から、ストーンと落ちました。先入観を持たず、これからの時代を見つめる大切さを教えていただきました。」

「社員や家族の心身の健康にここまで心を配る会社があることにおどろいた。」

「経営層のコミットメントが重要であることをあらためて感じました。また、組織としての取り組みでありつつ、“個”にフォーカスされていることが非常に印象的でした。」

日本航空株式会社
代表取締役副社長執行役員
藤田 直志


国際基督教大学教養学部卒。1981年日本航空株式会社入社、沖縄支店配属。2006年4月より東京支店国際販売業務部長、2007年4月より東京支店法人センター法人業務部長、2009年6月より東京支店販売業務部長を務める。2010年2月 株式会社日本航空 執行役員就任、2012年 2月日本航空株式会社(2011年4月1日 商号変更)常務執行役員、2013年4月同社専務執行役員、2014年6月取締役専務執行役員、2015年4月株式会社ジャルセールス社長を兼任。2016年4月より現職。

基調講演

デジタル時代における世界のリーダーに求められる条件と、
日本企業の課題と勝機

一橋ビジネススクール 国際企業戦略専攻 専攻長 教授
一條 和生

<講演内容のポイント>

当講演ではデジタル時代の組織の世界のリーダーに求められる条件と、今後の日本企業における課題と勝機について、リーダーシップ学、知識経営学に留まらず、デジタルトランスフォーメーションの分野まで研究されている一條教授にご講演をいただきました。

「基調講演」の様子
「基調講演」の様子
「基調講演」の様子
Voice of attendees

「DXに対する日本の状況と、人のあり方を理解することができた。」

「DX時代に組織と従業員全体の意識を変えなければならない…。目的、ストーリー共感させる、難しい課題ですね。」

「次世代を考えると、デジタル化による環境を作らないと生き残れないことがわかった。」

「世界での成功事例や、日本の位置づけ課題など、はっきりポイントが示され大変わかりやすかった。」

「リーダーシップは組織・階層とは無縁であらゆる階層で必要との話は改めて重要だと感じた。失敗を容認し(あえて失敗させる?)若い世代(ミレニアル世代)を積極的に活用させ、共感、ストーリーテーリングを磨かせる重要性を強く感じた。」

一橋ビジネススクール
国際企業戦略専攻 専攻長 教授
一條 和生


一橋大学大社会学部卒。同大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。フルブライト奨学生としてミシガン大学経営大学院に留学し、Ph.D.(経営学博士)を取得。一橋大学講師、社会学部専任講師、同助教授、同大学院教授を経て、現職。2003年にはスイスのビジネススクールIMDで教授として勤務。2014年4月より、一橋大学大学院国際企業戦略研究科 研究科長に就任。株式会社シマノ社外取締役、ぴあ株式会社社外取締役、株式会社電通国際情報サービス社外取締役、株式会社ワールド社外取締役、日本経済新聞社 日経ビジネススクール アドバイザリーボードメンバー、IFI(ファッション産業人材育成機構)ビジネススクール 学長、日本ナレッジマネジメント学会会長。

特別講演Ⅱ

変革の時代における企業経営・組織のあり方

  • 会社の方向性や目標の明確化および人の動かし方
  • 社員自らの成長と企業の成長の実現に向けた仕組み

武田薬品工業株式会社 コーポレート・オフィサー
平手 晴彦

<講演内容のポイント>

当講演では、武田薬品における世界戦略およびグローバル経営におけるチャレンジや、グローバルな業務を進めるうえで必要な組織のあり方および人材戦略を支えるための事業運営体制などについて平手様にご紹介いただきました。

「特別講演Ⅱ」の様子
「特別講演Ⅱ」の様子
「特別講演Ⅱ」の様子
Voice of attendees

「グローバルな視点でどのように発展するのかを目的とすることの大切さを知れた。」

「社内のコミュニケーションの重要性について気づかされる内容でした。」

「経営者の目線の取組みを学べました。」

「急速なグローバル化を企業の経営者として進めていらっしゃる方の講演は貴重。経営人としての骨太のメッセージも共感。」

「平手さんの情熱の強さと信念と行動力にとても勇気を頂きました。経営理念の浸透に企業サイズが関係ない。トップがいかに想いを形にするチカラ・継続を出来るかを学べました。」

武田薬品工業株式会社
コーポレート・オフィサー
平手 晴彦


慶應義塾大学経済学部を卒業。日製産業、ドイツドレーゲル社アジア代表、ロシュ・ダイアグノスティックス社代表取締役社長、米国メルク社シニアバイスプレジデント、万有製薬の代表取締役社長、グラクソ・スミスクライン社代表取締役専務を経て、2010年に武田薬品工業に執行役員として入社。中国事業の再構築をなした後に、現在は本社機能の国際化を目指し、対外折衝等を統括する。
日本の製薬業界では知名度が高く、日本製薬団体連合会(FPMAJ)の役員、日本製薬工業協会(JPMA)の常任理事、米国研究製薬工業協会(PhRMA)日本代表を歴任。現在は、経済同友会の幹事、国際製薬団体連合会(IFPMA)理事会ヴァイスチェアを務める。

事例講演Ⅰ

社員のポテンシャルを最大限に引き出す『組織開発』への挑戦

  • 企業文化の再定義と目指す方向性の設定
  • 人事制度改革と風土刷新に向けた各種取り組み
  • 事業部門における組織開発への挑戦

株式会社クレディセゾン 営業推進事業部 営業企画部長
松本 憲太郎

<講演内容のポイント>

当講演では次世代を見据えた前例のない全社員共通人事制度の導入背景、以降における組織開発の取り組みについて、現在は営業企画部長としてご活躍されている松本様に、お話しいただきました。

「事例講演Ⅰ」の様子
「事例講演Ⅰ」の様子
「事例講演Ⅰ」の様子
Voice of attendees

「人員の変化を促す工夫が伝わった。立体的な活動の意識が高いと思った。」

「制度設計のみならず、現場での実践に関するお話もあり、非常に勉強になりました。」

「組織を変えるだけでなく、一緒に文化やルールも変えることで社員にとって有効な組織になることを学べました。」

「今まさに実践済や、やろうとしている事を説明頂き、前段の講演された内容と共通項が沢山あり、参考になった。」

「実務に沿った具体的な内容が大変良かったです。苦労や工夫が伝わり、私にとってよい刺激となりました。」

株式会社クレディセゾン
営業推進事業部 営業企画部長
松本 憲太郎


1993年 関西学院大学法学部卒業、クレディセゾン入社。主力のクレジットカード事業において、営業部門、商品部門、事業企画部門に従事。2014年、戦略人事部長に就任、人事制度改革を主導し全社員共通人事制度を導入。2019年より営業推進事業部を担当、東京支社長へ就任。下期より営業企画部長として営業推進事業部全体の企画、構造改革を推進している。

事例講演Ⅱ

アルバックのスマート社会の実現を支える人財育成

  • アルバックが人財育成で目指すもの
  • スマート社会の実現を支える企業になるための環境づくり
  • 自ら学び、考え、動く風土づくりのグループ展開

株式会社アルバック 人財センター 副参事
廣瀬 知子

<講演内容のポイント>

当講演では、社員が自社の強みを理解し、柔軟に考えることができる取り組み・仕組みづくりについて、人財育成の観点から人財センター 副参事を務められている廣瀬様に、ご紹介いただきました。

「事例講演Ⅱ」の様子
「事例講演Ⅱ」の様子
「事例講演Ⅱ」の様子
Voice of attendees

「事例が豊富で参考になりました。自社と共通することも多く、勇気づけられました。」

「具体的なe-learning導入事例として参考になった。」

「かかえている身近な課題に対する一つの取組例として参考になった。国内だけでなく、Group全体での取組は非常に難しいと感じていたが、実例を聞けて良かった。」

「現場からelearningテーマの提案など学びの風土が真に醸成されていることがわかった。」

「ULVAC Academy Portalのコンセプトが参考になりました。」

株式会社アルバック
人財センター 副参事
廣瀬 知子


筑波大学卒業後、ヤマハ株式会社入社。スポーツ事業部、半導体事業部経験後、外資系半導体・機器メーカーを経て、2007年株式会社アルバック入社。調達センター、中国駐在を経て、グローバル生産企画室、生産本部教育センター、人事部人材開発室を経て、2018年1月から現職。グループ全体向けLearning Management System を立ち上げ、グループ向け理念教育、基礎・専門教育、人的データの見える化、講演会・勉強会、語学教育、専門教育等の仕組みづくりを企画、運営。

特別セッション【パネルディスカッション】

脳科学から紐解く、人材育成、エンゲージメントの向上
~これからの組織のあり方・働き方~

<講演内容のポイント>

当講演では、モデレーターとして早稲田大学 枝川教授。
パネリストとしてトリドールホールディングスCHRO鳶本様とコーナーストーンオンデマンドジャパン シニアディレクター小谷様にご登壇いただき、脳科学の観点から、事業会社の実例を交え議論をしていただきました。

「特別セッション【パネルディスカッション】」の様子
「特別セッション【パネルディスカッション】」の様子
「特別セッション【パネルディスカッション】」の様子
「特別セッション【パネルディスカッション】」の様子
「特別セッション【パネルディスカッション】」の様子
Voice of attendees

「エンゲージ、ラーニング、モチベーションの3点を自分なりに整理する参考になった。」

「脳科学、心理学からの切り口は勉強になった。トリドールHD様の取り組みも参考になる点が多い。」

「人材育成がグローバルの視点でビジネスになることが、新鮮な驚きでした。」

「事業会社の実例と脳科学の枝川先生の論理的解説の組み合わせはおもしろかった。」

「人材開発と組織開発は両輪セットと思っています。その点において、自分の考えが間違ってないことを感じました。コーナーストーンさんの学習5%ルールは導入検討します。」

早稲田大学
リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門 教授
枝川 義邦


東京大学大学院にて薬学の博士号、早稲田大学ビジネススクールにてMBAを取得。早稲田大学高等研究所准教授などを経て現職。研究分野は、脳神経科学を軸とした人材・組織マネジメントなど。脳の仕組みや働きについて、メディア出演も多い。書籍には『「脳が若い人」と「脳が老ける人」の習慣』(明日香出版社)などがある。2015年早稲田大学ティーチングアワード総長賞、2017年ユーキャン新語・流行語大賞を「睡眠負債」にて受賞。

株式会社トリドールホールディングス
執行役員 CHRO 兼 経営戦略本部 本部長
鳶本 真章


大学卒業後、大手自動車メーカーに入社。マーケティング業務に従事後、京都大学大学院でMBA取得し、外資系コンサルティングファームへ。
多様な経営戦略案件にコンサルタントとして携わった後、大手日系建材メーカーで社内コンサルティング部門を担当。その後、複数のベンチャー企業の経営支援を経て2018年にトリドール入社。2019年より、執行役員CHRO 兼 経営戦略本部長に就任。人材の採用・育成を通じたグループの成長にコミットしている。

コーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社
シニアディレクター マーケティング
小谷 敦子


タレントマネジメントの市場を作るべく、2017年より現職。現在、東洋経済オンラインで「会社を変える人材開発の極意」の連載を執筆中。保険会社の国際投資部門からIT業界へ転身。シトリックス・システムズ、セールスフォース・ドットコムなど急成長した外資系IT企業でマーケティングやコンサルティング分野での20年以上に渡る経験がある。需要の創出とブランドの確立を担うため、包括的なマーケティングで新しい市場を創出してきた。

Special Thanks for Sponsors!

企画者からの御礼

この度は「組織開発カンファレンス2020」に多数ご来場を賜り、誠にありがとうございました。

当カンファレンスでは、「組織・人材」をキーワードに企画・開催させて頂きました。激変する時代に、当カンファレンスの内容が、僅かなりともご参加企業の更なる成長へつながれば、企画者として大変喜ばしく思います。

皆様から頂戴したアンケートから見えた組織全体に纏わる課題といたしましては、

  • 『経営と現場の認識の乖離』
  • 『決定のプロセス、スピード、コミュニケーション不備』
  • 『各階層におけるリーダーシップ不足』
  • 『人材育成の遅れ』

上記のような課題が見えてまいりました。

今後もビジネス・フォーラム事務局では、様々なテーマで皆様の課題解決につながるようなカンファレンスを企画してまいります。ご興味がございましたらぜひご参加くださいませ。

改めまして、この度「組織開発カンファレンス2020」にご登壇頂いたご講演者の皆様、ご協賛社のコーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社様、そして、ご参加頂いた皆様に、心より御礼申し上げます。重ね重ねありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
プロデューサー 門田 もんでん  康平