取締役会 改革フォーラム2018
実効性あるオリジナル・ガバナンスの追求
2018年 3月 29日(木) 10:00~17:00 (受付 9:30~)
企業の経営者、役員、経営企画、法務、ガバナンス推進部門等、各事業部門の管理職の方々
10:00~11:10 特別講演Ⅰ 【ガバナンス改革への挑戦】(70分)
大東建託のコーポレート・ガバナンス
~取締役会の実効性確保に向けた取り組み~
- ガバナンス改革と企業価値の向上
- 自由闊達な取締役会へ ~質の高い意思決定を行うための仕組み
- 実効性あるコーポレート・ガバナンス確立に向けて
代表取締役社長
熊切 直美 氏
1984年大東建託株式会社入社。その後、2001年執行役員住宅販売部長、2004年取締役テナント営業統括本部長、2006年常務取締役業務本部長兼法務部長、2011年専務取締役執行役員東日本営業本部長、2012年専務執行役員東日本営業本部長兼首都圏営業本部長などを経て、2013年に代表取締役社長に就任、現在に至る。
好調な業績とともに、10年以上前から自己資本利益率(ROE)が毎年20%以上の高水準を保っている同社。経営における基本指標の積極的な開示をはじめ、社外役員が41%を占める等、コーポレート・ガバナンスの取り組みを積み重ねており、現在は外国人持ち株比率が50%を超えるほど、透明性の高い経営が評価されています。取締役会についても、「取締役60歳定年制」を設け、経営層の入れ替わりを促し、相談役や顧問職を置かない等、全てのボードメンバーが自由に意見を述べられる環境を整えています。議論を尽くした末に意思決定するという姿勢を徹底し、自由闊達な取締役会の成立に向けた取り組みを果敢に進める熊切氏より、実効性あるガバナンスと取締役会のあり方をご講演頂きます。
11:10~12:00 基調講演 【ガバナンスの現状と未来】(50分)
コーポレートガバナンスの今後を占う
~オリジナル・ガバナンスへの挑戦
- コーポレートガバナンス改革の進捗状況
- 各社のオリジナル・ガバナンスを検討する上でのポイント
- 米国事例にみる今後のコーポレートガバナンス改革の方向性
ボードアドバイザリーサービス担当パートナー
林 拓矢 氏
京都大学経済学部卒業。国内大手損害保険会社に約8年間勤務後、2002年朝日監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)入所、2014年4月よりKPMGコンサルティング株式会社に勤務。コーポレートガバナンス関連の助言・支援、リスクマネジメント態勢構築・高度化支援、コンプライアンス態勢構築・高度化支援等のアドバイザリー業務に多数関与。
コーポレートガバナンス・コードの適用開始から3年が経とうとする中、各社のコーポレートガバナンスの取組みは、「コードの遵守」を目標とするレベルから企業価値向上に寄与するレベルにシフトすることが求められています。各社のコーポレートガバナンスのあり方が多様化する中で、より企業価値向上につながるようなコーポレートガバナンスを設計する上でのポイントを解説します。また米国企業の取締役会の重要論点を紹介しつつ、日本企業におけるコーポレートガバナンス改革の今後の方向性について考察します。
12:00~12:40 ランチ・ブレイク(40分)
12:40~13:40 特別講演Ⅱ 【ガバナンス/取締役会の実効性向上】(60分)
オムロンのコーポレート・ガバナンス
~実効性向上へ向けた取締役会のあり方
- オムロンにおけるコーポレート・ガバナンスの考え方
- 独自のコーポレート・ガバナンスの追求 ~透明性・実効性の高いハイブリッド型の機関設計
- 取締役会の実効性向上へ向けた取り組み事例
執行役員 取締役室長
北川 尚 氏
1983年立石電機株式会社(現オムロン株式会社)に入社、2004年OMRON ASIA PACIFIC PTE. LTD. 社長に就任、2010年取締役室長に就任、2014年執行役員に就任。
20年以上前からコーポレート・ガバナンスの充実に取り組み、ガバナンス優良企業として注目を集める同社。監査役会設置会社の体制をとりながらも、指名委員会等設置会社の優れた面を取り入れた「ハイブリッド型のガバナンス体制」を築かれています。企業理念に求心力をおき、企業理念に基づき持続的な企業価値の向上を実現するために、コーポレート・ガバナンスに取り組み、自社にとって最適な独自のガバナンス体制を一歩一歩追求しておられます。多くの企業が頭を抱える取締役会評価については、毎年取締役会の運営方針を掲げ、運営実績を評価して翌年の運営方針につなげるPDCAサイクルで取り組み、また時々に変化する事業環境や実績に合わせて監督と執行の最適なバランス調整を、この取締役会評価で実現されておられます。取締役会の実効性向上に向けた取り組みをさらに加速される同社において、取締役室長を務める北川氏に、同社の取締役会とガバナンスの今とこれからをご講演頂きます。
13:40~14:20 協賛講演 【事業投資のガバナンス】(40分)
“稼ぐ力”の議論を実効性あるものに
~事業部門と管理部門の仕組みが鍵を握る~
- 既存事業の延長は議論しやすく、リスクテイクを伴う成長投資は議論しにくい現実
- 事業投資のリスク要因を示す「仮説」が、意思決定会議に伝わる仕組みを機能させる
- "稼ぐ力"は、瞬発力ではなく、
継続的なプロセス=意思決定を軌道修正する仕組みはあるか?
代表取締役社長
小川 康 氏
設備投資・M&A・研究開発・新事業等の事業投資は、純資産に大きな変化をもたらす重要な業務です。一方で、リスクテイクを伴う成長投資は、複雑で不確実なため、意思決定会議で議論を深めることが極めて難しいものです。更に、減損等の可能性を考えると、意思決定のタイミングだけにとどまらない継続的なリスクマネジメントプロセスが不可欠です。議論を深め、リスクを管理する業務プロセスは、事業部門と管理部門間の適切なコミュニケーションが成立して初めて機能します。本講演では、事業投資のリスク要因を明確にする「仮説指向計画法(Discovery-Driven Planning)」 と、事業環境の変化に対応して意思決定の軌道修正を促す業務プロセスについてご紹介いたします。
14:20~14:35 コーヒー・ブレイク(15分)
14:35~15:35 特別講演Ⅲ 【社外取締役の役割と機能】(60分)
社外取締役が取締役会改革の核となる
――その機能強化
- コーポレート・ガバナンスの本質 ~ガバナンス改革は何を目指すか
- 社外取締役の実態と役割 ~形式から実質へ
- 取締役会改革と社外取締役 ~その具体策
特定非営利活動法人
日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク 理事長
牛島 信 氏
1949年生まれ。東京大学法学部卒業。検事を経て弁護士に。1985年牛島総合法律事務所開設。現在、同事務所代表弁護士(弁護士52名・外国弁護士(日本無資格)2名が所属)。NPO 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク理事長、日本生命保険相互会社社外取締役、松竹株式会社社外監査役、株式会社朝日工業社社外監査役、社団法人日本女子プロゴルフ協会監事、一般社団法人不動産証券化協会監事等も務める。
弁護士として多くの企業案件を手掛け、NPO法人 日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(CGネット)の理事長も務める牛島信氏。コーポレート・ガバナンスは企業の不正行為を防ぐための仕組みとしてだけでなく、リーダーを選ぶ仕組みとして雇用の維持・拡大、ひいては人々の幸福へとつながっていくものという信念のもと、弁護士として、また社外取締役・監査役として様々な企業のコーポレート・ガバナンスに最前線で携わっておられます。著書「名経営者との対話 コーポレートガバナンスの実践と理論」(日経BP社)では、日本を代表する企業の経営者や業界のキーパーソン18名との対談を通して、日本企業に求められるガバナンスについて考察されています。当日は、東芝の問題にも触れながら牛島信氏より、社外取締役のあり方と機能強化のポイントについて、お話し頂きます。
15:35~15:45 ブレイク(10分)
15:45~17:00 パネルディスカッション 【オリジナル・ガバナンスの追求】(75分)
“稼ぐ力”を生み出す取締役会へ
~実効性あるオリジナル・ガバナンスの追求~
- 企業価値向上につなげるための取締役(会)の期待役割
- グループ単位でのガバナンスに関する課題と今後の方向性
- 今後のガバナンス改革の方向性
執行役 経営戦略統括部 経営企画部長
牧田 隆行 氏
代表取締役社長
(ブリヂストン、味の素、J.フロント リテイリング、
ウシオ電機 社外取締役)
橘・フクシマ・咲江 氏
清泉女子大学卒業。ハーバード大学大学院教育学修士課程修了。同大学で日本語講師を務めた後、ブラックストン・インターナショナルを経て、スタンフォード大学大学院経営修士課程修了。その後、1987年にベイン・アンド・カンパニー入社。1991年に世界最大手の人財コンサルティング会社コーン・フェリー・インターナショナルに入社。日本支社社長、会長を歴任する。2010年にG&S Global Advisors Inc.を設立し、代表取締役社長に就任。花王、ソニー、ベネッセコーポレーション等で日本企業初の女性社外取締役を歴任。現在はブリヂストン、味の素、J.フロント リテイリング等の社外取締役を務めている。
日本株式ファンドマネジャー
豊田 一弘 氏
2008年4月、シュローダー入社。日本株式運用の旗艦ファンドであるコア戦略の運用責任者であり、ESG評価を重視した公募投資信託「シュローダー・アジアパシフィック・エクセレント・カンパニーズ」の日本株式運用も担当。また、議決権行使やエンゲージメントを担当するスチュワードシップ委員会の責任者を務める。1990年東京大学経済学部卒業、1998年国際大学大学院にてMBA取得。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。
経営管理研究科 教授
川本 裕子 氏
KPMGコンサルティング株式会社
ボードアドバイザリーサービス担当パートナー
林 拓矢 氏
※プログラム時間が一部変更となりました。