2018/07/05 (  木 )

CMO Forum 2018 開催レポート

CMO Forum 2018 開催レポート

CMO Forum 2018
マーケティングを“再構築”する
“顧客”を捉え直し、新たな関係を築くためのマネジメントと組織づくり~

開催日:2018年 6月 5日(火)

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

 2018年6月5日、東京コンベンションホールにて、株式会社ビジネス・フォーラム事務局主催「CMO Forum 2018」を開催しました。

 テクノロジーの進化により、企業と顧客の関係が大きく変化する中、マーケティングもこれまでの手法に留まっていては通用しない時代になりつつあります。企業は改めて、マーケティング戦略と経営戦略を融合させ、これまでの固定概念にとらわれずに改めて”顧客”と向き合い、市場や顧客のニーズを企業活動へすぐに反映できる組織体制を構築していく等、様々な切り口から自社のマーケティングのあり方を問い直すこと―つまり、”再構築“が求められています。
 このマーケティングの“再構築”に向けて、どのような視点やマネジメントが求められるのか。先進企業の講演や、パネルディスカッションを通じて考察したフォーラム当日の様子をご紹介します。

※ご登壇者のご所属、お役職は2018年6月時点のものです。

特別講演1 マツダ株式会社 青山 裕大 氏

マツダの“ブランド価値経営”と企業変革
~顧客の“走る歓び”を進化させるために

マツダ株式会社 常務執行役員 営業領域統括 ブランド推進・グローバルマーケティング担当  青山 裕大

 

「ブランド価値経営」により全社がマーケティングを担う組織へ

 2013年に新型CX-5をはじめとした新世代商品を導入して以降、グローバル販売台数が右肩上がりに伸びているマツダ。その背景には、同社の存在価値やビジョンの再構築につながる、”ブランド価値経営“を中心に据えた価値観の改革がある。マーケティングを主導する青山裕大氏がマーケティング改革の歩みとブランド価値経営について語った。

なぜ我々は存在するのか、存在価値とビジョンを再構築

 「最近のマツダは元気がある」と、様々な方面から声をかけられることが増えました。実際、2013年にCX-5をはじめとする新世代商品群を導入してから販売台数を着実に伸ばしており、2018年3月期の決算では、2000年以降最高となる163万1000台を達成しております。

 しかし、マツダは順調に右肩上がりの歴史を歩んできたわけではありません。2008年のリーマンショック後には経営危機に直面し、そこから現在に至るまで、起死回生の復活を遂げてきたのです。その復活の裏には、それまでの戦略や価値観を変革し、マツダが真に目指したいと思っている「走る歓び」を提供するブランド価値経営への転換があります。

 価値観の変革において、まず取り掛かったのは「なぜ自分たちが必要とされるのか」を明確にすることです。それまでは規模を大きくすることを目標に据えていましたが、そもそも小規模な企業である我々は大企業と同じ戦略で戦うことが難しく、「マツダらしい戦い方」を考える必要がありました。なぜ我々は存在するのか、唯一無二の価値をどのように提供するのか、2009年から200時間以上も討議を重ね、マツダの歴史や先人の取り組みを振り返る中で、これまでマツダは「走る歓び」を届けたいという想いを持って車を造ってきたことに気付きます。マツダ車のある生活によってお客様が生き生きと輝き、人生が走る歓びで満ちて、豊かで幸せになってほしい。これこそが、マツダが独自で存在し続ける、唯一無二の理由だったのです。

 マツダの存在価値を改めて認識したところから、お客様に選ばれ、愛され続けるための「ブランド価値経営」という経営哲学が生まれます。ここで言う「ブランド」は、マーケティングという一部分の仕事ではなく、全社の英知を集めて築き上げていく最重要の経営課題であると考えております。

ブランドロイヤリティを中心に5Pを再設計し、顧客体験を向上

 ブランド価値経営をドライブするには、商品領域での「ものつくり革新」と営業領域での「つながり革新」の両輪で運営する必要がありました。「ものつくり革新」については、例えば「内燃機関の可能性を究極まで磨き上げて世界一にする」と決めるなど、いくつかのビジョンを掲げました。それまでは競合車と対比することで性能目標を決めていましたが、ビジョンを掲げて以降は、人間の心と身体を活性化する方法を研究し、それを実現する開発方法へと変わったのです。開発・デザイン・製造をはじめとしたモノ造りのチームが一体となって、ビジョンに向かって限界に挑戦し続けるようになりました。

 営業領域に関しては、「規模を大きくしなければならない」という考え方をやめ、むしろ小規模であることに価値を見出す考え方に変革していきました。ナンバーワンではなくオンリーワン、お客様を囲い込むのではなく選ばれる状態を生み出すという考え方です。このビジョンを実現する戦略として、販売・マーケティング・カスタマーサービスの領域では「つながり革新」の取り組みを始めました。マーケティングの4P(商品・価格・販促・空間)に「人」を加えた5Pで再設計し、バラバラではなく一貫させることで、ブランドロイヤリティの向上を目指しています。

 マツダでは2013年から構造改革プランを実践しており、最初の3年間は戦略の転換を中心に「商品・価格・販促」の部分で商品価値を訴求し、平均的な取引価格を大きく向上させました。5Pのうち後半の「空間・人」に関しては、新車購入後の保有期間に満足してもらうという観点で、2016年より構造改革ステージⅡとして進めています。カスタマーケアや販売店の改革、そのための人材育成や現場風土の改革に主眼を置いて進めております。お客様に信頼・愛着を高め続けてもらうために、マツダではマーケティング・セールス・サービス・エンゲージメントの4段階で21個のタッチポイントを時系列に見える化したカスタマージャーニーマップを作成しています。それぞれのタッチポイントにおける課題を把握し、満足してもらう顧客体験を供するためです。

 デジタライゼーションの進行により、個人をプロファイリングしてテーラーメイドの対応をすることがスタンダードになっていく世の中。自動車業界においてもマーケティングのやり方は変わってきており、マツダもバリューチェーン全般の変革を推進しております。しかし、デジタライゼーションが進む世の中だからこそ、限られていく「人と人との接点」における対応が、大きな価値になると思っています。人を中心に考えた車造りをするマツダは、カスタマーケアや人材育成においても人を中心に置き、そこに特別な絆が生まれ、お客様がマツダの熱烈なファンになって一生涯マツダを選んでもらえるよう、改革を進めていきます。

マツダ株式会社
常務執行役員 営業領域総括
ブランド推進・グローバルマーケティング担当
青山 裕大


1988年マツダ入社後、商品技術戦略企画、MPVの開発主査などの開発畑を歩んできた。海外駐在を経て、2011年10月から全く畑の異なる営業へと転じ、開発や商品企画と営業間の密接なコミュニケーションを心がけてきた。また、グローバル営業担当として、文化や考え方の異なる様々な国に赴いて現場の声に耳を傾け、マツダのブランドを共に達成していくことが楽しみ。2014年4月執行役員、2017年4月常務執行役員就任。

特別協賛講演 日本アイ・ビー・エム株式会社

顧客体験と顧客理解への
AIの活用とデジタルマーケティング
~顧客に感動を与えるカスタマー・エンゲージメントの実現に向けて~

日本アイ・ビー・エム株式会社
Watsonカスタマー・エンゲージメント事業部 事業部長  樋口 正也

顧客体験を最適化するデジタルマーケティング施策のカギとは

 顧客体験を重視する経営層は増えているものの、チャネルを越えて顧客の行動やニーズを理解し、パーソナライズされた顧客体験を提供することは容易ではない。お客様の感動を生むような「顧客体験」の最適化について、日本アイ・ビー・エムの樋口正也氏がAIを活用した最新のデジタルマーケティングやECの動向について、事例を交えて語った。

ネットとリアルの連携や顧客変化への対応が明暗を分ける

 当社は、デジタルマーケティング領域において日本で約50社のビジネスパートナー様と協業させていただいており、製品の提供だけでなくマーケターの方達と共に業界特性を踏まえ、具体的な課題解決をしております。その中で感じるのは、多くのCMOの皆様が店舗やECなどのチャネル部分に大きな関心を持っていることです。一方で、顧客とのエンゲージメントを深めるためにはリアル店舗やネットといった各チャネルに関する施策だけではなく、オーダー管理や物流システムも含めて、エンド・ツー・エンドで考える必要もあると感じます。

 日本でもネットECとリアル店舗が連携する流れがありますが、なかなかシナジーを生み出せていない実情があります。海外の事例で言えば、北米の大型百貨店チェーンであるNORDSTROMは、リアル店舗の強みを活かして、ネットで購入した商品をリアル店舗で車に乗ったままピックアップできる仕組みをつくっています。オムニチャネルと言っても、ネットとリアルが連携できているかどうか、このようなシステムに投資できているかといった舵の切り方で、明暗が分かれています。

 AmazonなどのネットECが強くなってきているとは言え、リアル店舗にしか対応できない強みもあります。例えば、近年増加しているインバウンドの外国人観光客は、店頭で買い物をします。中国人観光客に関して言えば、AlipayやWeChat Payなどのタッチ決済を導入して顧客体験を向上させることも重要です。モバイル決済の導入により、位置情報はもちろん、海外のお客様がどういうものを好むかなど、顧客の行動分析も可能になります。

 顧客変化という観点では、若者向けの商品やサービスを提供する企業にとっては、1995年以降に生まれた世代”Generations Z”の行動特性も重視する必要があります。「YouTuberが紹介した商品やイベントに感化された購買行動」など、従来とは異なった動きをしています。このような顧客変化に対応していくためには、新しい技術を活用して、Amazonやアリババのような”Disruptor(変革者)”となることが重要です。

AIやブロックチェーンなど、最新の技術を活用して顧客体験を最適化

 IBMのリサーチ部門が出している未来予測「5 in 5」では、5年以内に世界を劇的に変えるであろう5つのイノベーションとして、ブロックチェーンやAI、量子コンピューターなどを挙げています。少し具体例をあげてご紹介しましょう。

 ブロックチェーンに関しては、例えばネットECにおける偽造品対策としてトレーサビリティ(追跡可能性)というテーマに注目が集まっています。特にブランド品や薬品、宝石などは流通経路に透明性を持たせることが可能になります。世界最大のスーパーマーケットチェーンであるウォルマートでは、既にマンゴーの産地や収穫時期を特定するために、この技術が使われています。AIについては、Watsonは自然言語を読むのが得意で、約80億ページの文字を1秒間で読み、コンテクストを理解して解析することができます。Watsonを採用しチャットボットでお客様とコミュニケーションを取っている企業様の事例では、インターネット上の膨大な数のクチコミを解析し、顧客に対してパーソナライズした情報を提供しています。

 マーケティングに関しては、3つのお話をします。最初は顧客のオンライン体験の可視化です。オンラインの顧客の何割かは決済やお申し込みなどの途中で離脱しているのではないでしょうか。顧客は作り手が想定していない問題に直面しているものです。弊社の顧客体験の分析ソリューションを使うと、顧客ひとりひとりの行動を分析して離脱の原因を特定できます。例えば、国内のあるお客様は年間3000件を超えるエラーを見つけてUIを改善し、機会損失を解消しました。このような顧客体験情報をカスタマーサポートと共有して対応時間の短縮、開発部門と共有してシステム改修に役立てているお客様もいらっしゃいます。

 二つ目は顧客の心理や行動に影響を与える天気情報のデジタルマーケティングへの活用です。天気予報をもとにマーケターが店舗ごと、地域ごとのキャンペーンを準備し、実行することができれば集客や売上に貢献できるかもしれませんが、現実にはなかなか難しいものがあります。IBMが提供する気象情報をマーケティング・オートメーションツールに組み合わせると、例えば地域ごとの気象状況を味方にラスト・ワンマイルを確実に送客することができます。

 最後にカスタマージャーニーも重要なテーマです。例えば自動車の販売店ですと、現状はアンケートを採らなければ、店頭に来たお客様がWebで下調べしてきた車種を把握できません。しかし、カスタマージャーニーを分析すれば、お客様の関心を理解した上で接客ができます。カスタマージャーニーを可視化して行動分析ができれば、購買プロセスの各ステージにおける顧客のホット度(興奮度合い)を理解し、デジタル広告やキャンペーンなど効果的な施策を打つことができるでしょう。リアル店舗とネットを両方持っている企業ならば、片方だけではなく両方の顧客体験を可視化し、エンゲージメントを向上させていくことも重要です。

 デジタルマーケティングと言っても、一つのタッチポイントだけを考えるのではなく、お客様から見た「体験」を全体の流れで捉えて変えていけるかどうかが、企業が”Disruptor”となって成長できるか否かの分かれ道と言えるでしょう。

【関連情報】Watson Marketingについてはこちら

日本アイ・ビー・エム株式会社
Watsonカスタマー・エンゲージメント事業部
事業部長
樋口 正也


新潟県出身。京都大学工学部卒。日本IBM1993年入社 大和研究所、本社等にてソフトウェア関連事業、クラウドコンピューティング事業の立ち上げを行い、2009年~2010年より東北支社長、2013年北海道・東北支社長、パートナー・アライアンス事業部ソリューション事業部長、Watson事業部 EcoSystem担当 事業部長、コグニティブソリューション事業 常務補佐を経て、現職。

特別対談JAMセッション

デジタル時代におけるCMOの役割

株式会社ドミノ・ピザ ジャパン  富永 朋信

株式会社サンリオ CMO マーケティング本部長  木村 真琴

 

複雑化するデジタル時代に対応するマーケティング

 デジタル時代の到来により、マーケティングは大きな変革期を迎えている。複雑化する手法や組織に対応すべく、これまで以上に多くの役割が求められるデジタル時代のCMOの役割について、複数の企業でマーケティングに携わりCMOを歴任してきた”マーケティングのプロ”であるドミノ・ピザ ジャパンの富永朋信氏とサンリオの木村真琴氏が意見を交わしあった。

マーケティング本部の逆襲、質も量も追及する組織づくり

富永:  デジタルマーケティングが出てきてから、コトラーやドラッカーが定義する「マーケティング」に近づいてきていると感じます。企業のマーケティング本部や関連部署は、以前は彼らが言う「マーケティング」の一部分しか担っていなかったけれども、今や自社サイトやEコマースをマーケティング本部が担当していることも多く、これまで営業が担当していた販売活動をマーケティングが取り込んだ形です。これは、「マーケティング本部の逆襲」だと思うんですよね。

木村:  たしかに、Eコマースをマーケティング本部が担当するケースも多いですよね。販売活動にもマーケティングマインドを適応できれば、価値や売上を向上させることが可能になると思います。一方で、デジタルによって数字がリアルタイムに表せるようになったので、数字ばかりに目がいってしまって、量を追求するマーケティングになりがちです。量と質の問題で言うと、量が確保できれば質は不要なのかという問題もあって、ここは葛藤だと思います。

富永:  量 vs 質という二項対立の見方は、誤りだと思うんです。当然ながら量としてのセールスも追及しなければならないし、その一方でマーケティングが昔から得意としてきた質の追求も、消費者のメディア行動が変化しているからこそ、以前にも増して重要になってきています。両方を追求するのは容易なことではありませんが、それぞれを得意分野とする人材をマーケティングのチームに入れることで、対応できるのではないでしょうか。

木村:  「質」を求めるマーケターと「量」を求めるセールス、両方を兼ね備えた組織が良いということですよね。その点で言うと、サンリオは2018年4月にマーケティング本部を設立し、その下にデジタル統括部、キャラクター推進部、ブランドエクスペリエンス統括部という形で新しい体系をつくりました。マーケティング本部内に営業支援部隊やCDOを置いたことで、これまでバラバラに機能していた各事業部を連携できるようになったと思います。

富永:  4~5年前にコトラーが「CMOは自分の時間の50%以上を顧客に使うべき」と言っていて、残りの半分は「内部の調整に使え」と言っていました。マーケターの仕事は質を追求したビッグアイディアを実現するために、周りの部署を説得し、納得して進めてもらうところも含みます。そのビッグアイディアをどうお客様に伝えるか、コミュニケーションを通して各事業部に「やってみようよ」と思ってもらうことが大事です。

営業とマーケティングの連携により、データを活かす仕組みへ

木村:  参加者の方々から頂いた質問の中に、「セールスの属人化を脱却するために、マーケティング部門ができることはありますか?」というテーマがありました。このテーマは、深いですよね。

富永:  以前、ある不動産会社の人に「CRM(Customer Relationship Management)をやっていますか?」と聞いたら「見込み客のリストを作成してEメールを送っています」と言っていました。ただ、家を買う時の「大事な瞬間」はEメールではなく、モデルハウスなどでの営業担当者との会話だと思うんです。その会話の中で「買おう」という気持ちになっていく。そのため、不動産のCRMを考えた時、成果を上げている営業担当者がお客様と何を話していて、それをどう一般化して、システム化するかということが重要です。成果を出している営業担当者を観察して”Moment of Truth”を抽出し、それを購買プロセスに書き直して、プロセスのキーとなる部分をデジタルに変換していくという3段階ステップができれば、ものすごく強いですよね。

木村:  パーセプションフローという考え方で言えば、どこでお客様の認知が変わるかですね。もし営業担当者の要素が大きいのであれば、そこを抽出してステップを分析することで、マーケティング側が支援できます。他にも「獲得した市場情報を営業が活用できていない」というお悩みももらっていますが、こちらはどうでしょうか。

富永:  市場情報って、様々な形がありますよね。例えば、分厚い電話帳を急に渡されても、活用するのは難しいと思います。営業も忙しいですからね。電話帳のような膨大な情報がある中で、どこにどう着目すれば良いかを伝える必要があります。

 

木村:  サンリオの場合、B to Bの支援がとても重要なのですが、成果を出す営業担当者に様々なブランド像が属人化している状況です。そこには大きなニーズがあったので、新しい組織をつくる際にはブランド戦略チームの中に営業支援部隊を取り込んで、戦略を営業が欲しいと思っている文脈に書き換えてブランドを構築する形にしました。この再編により、営業支援が分厚くなると同時に、営業側からの情報も共有してもらえるようになって、よりデータを活用できるようになりました。組織的に言えば、マーケティング本部の中に営業部隊を取り込むというのも、一つのやり方だと思います。

富永:  営業がデータを使うのではなくて、データが営業を動かすようにするということですね。

木村:  やはり現場やお客様の目線でソリューションを考えて実装していくのが、CMOの役割として重要だと感じます。デジタル時代であればあるほど、いかに現場やお客様の目線で行動するかがカギになっていくのでしょう。

株式会社ドミノ・ピザ ジャパン
富永 朋信


日本コカ・コーラ、ウォルマート/西友などでマーケティング関連の職務を歴任。CMOは現在で3社目。日本コカ・コーラではiModeでコカ・コーラが買える自販機システム「Cmode」の立ち上げを担当。西友では同社のイメージを一変させるキャンペーンを連発した。座右の銘はたくさんあるが、今のお気に入りは「過ぎたハンサム休むに似り」「渾身のアイデアは全てを解決する」。

 

 

株式会社サンリオ
CMO マーケティング本部長
木村 真琴


P&G、ソニーマーケティング他にてブランドマネジメント・メディアプラニング・イベント企画・広告制作等を多岐にわたり経験後、2009年西友に入社。KY(カカクヤスク)・バスプラ・PBみなさまのお墨付き・ど生鮮・プライスロック等を新たなブランド資産として確立。2016年2月、合同会社 西友 マーケティング本部 バイスプレジデントに着任。2018年1月、株式会社サンリオに入社し、現在に至る。

協賛講演

受注プロセスの効率化を
マーケティングが推進する時代
~あらゆるデジタルタッチポイントで顧客と繋がり、
ビジネスを創出するためのマーケティング~/strong>

サイトコア株式会社 マーケティング グループ アジア地域担当本部長    安部 知雄

 

顧客のエンゲージメントを高めるコンテクストマーケティング

 昨今のデジタルの世界においては、顧客のコンテクストを踏まえたマーケティングを展開することで、顧客のエンゲージメントを高め、営業活動を効率化することが可能である。営業活動やマーケティング活動を効率化するためのデジタル活用について、サイトコアの安部知雄氏が成功のカギを示した。

購買意思決定のフェーズごとのタッチポイントに適した顧客体験

 マーケティング部門の大きな役割として、顧客が求める時に関連性の高い情報を提供することがあります。購買意思決定の検討フェーズごとに顧客の関心は変化していくため、顧客の関心度合いをつかむコミュニケーションを取ることが大切です。この意思決定のフェーズを「コンテクスト」と呼び、さまざまなタッチポイントにおける顧客のデジタルフットプリント(足跡)を把握することで、顧客体験を最適化できます。

 あるコンサートのチケットを購入した時の、個人的な体験を例にとってみましょう。チケットの検索に始まり、イベント会社からのメールやターゲティング広告を見て、口コミ情報や過去のコンサートのセットリストを見た上でチケットを購入したのですが、購入後もこのアーティストに関するチケットの売り込みメールや、リターゲティング広告が繰り返されました。この原因としては、それぞれのタッチポイントにおける企業側の担当者が異なったり、別のシステムを利用していたりするため、私の動きは認識していても、コンテクストは全く失われている状況でした。

 顧客側は一人の顧客として単一のカスタマージャーニーを歩んでいますから、過去の行動履歴や現在のニーズを総合的に把握・理解しながら、適切な瞬間に適切な場所で、適切な人・コンテンツを提供するコンテクストマーケティングが重要になってきます。

コンテクストを理解したOne to Oneに近いマーケティングが成功のカギ

 データドリブンやマーケティングオートメーションに関して言えば、蓄積したデータからひとくくりで顧客を捉えコミュニケーションを自動化するという、あくまでもマーケティングする企業側の発想であり、瞬間のコンテクストを無視してしまっています。サイトコアは、相手が情報を求めてきた時に、その瞬間のコンテクストを理解した上で、適切なコンテンツを出すプラットフォームであるため、お客様を追いかけまわすマーケティングオートメーションやメール配信システムとは異なります。デジタル時代こそ、マーケティングされる顧客側の視点で、マーケティング施策をいかにOne to Oneに近づけられるかがカギとなります。

 顧客のWebサイト上の動きを分析して、コンテクストを理解したマーケティングをしていくという点で、サイトコアが分析しているカナダのトロント大学のビジネススクール「ロットマン」の事例をご紹介します。彼らのWebサイトを分析していく中で、最も利益率の高いパートタイムMBAのコースに関して、Webページの直帰率が非常に高く、訪問に対する閲覧ページ数が非常に少ないなど課題が見えてきました。また、何回目に訪問した人がどういう情報にアクセスしているかも、データ分析によりわかってきます。そこで、ロットマンでは訪問回数や地域(Geoロケーション)、IPアドレスに応じたパーソナライズにより、顧客体験を演出しました。Webサイト訪問者のコンテクストを踏まえた情報提供をした結果、就学生が増加したのです。

 カスタマーエクスペリエンスに関するサイトコアとアバナードの共同調査によると、カスタマーエクスペリエンスへの1ドルの投資が3ドル以上のリターンをもたらすという結果が出ています。また、顧客体験を演出する施策を実施した企業の40%が12カ月以内に18~20%売上増加し、施策実施企業の6割が約12カ月で顧客満足度が向上したと言います。顧客の期待値を把握して、それに見合う、あるいはそれ以上の顧客体験を提供すれば、必ずリターンが得られるということが調査結果からも分かっています。デジタル時代ほど、顧客体験が悪ければ、お客様は簡単に離脱していきます。裏を返せば、良い体験ひとつで、生涯顧客価値を最大化できるのです。

サイトコア株式会社
マーケティング グループ
アジア地域担当本部長

安部 知雄


国内大手鉄鋼メーカーで世界各国への機械販売に従事。世界市場におけるマーケティング力やコミュニケーション力の重要性を再認識し、マーケティングコミュニケーションエージェンシーへと転職。外資系企業の日本参入を多数支援し、クリックテック・ジャパン立ち上げにも携わる。デル株式会社 アジア地域統括 広報担当シニア・マネージャー、クリックテック・ジャパン株式会社マーケティング部長を経て2016年5月より現職。

特別講演Ⅱ

Peachが挑む、顧客との新たな関係づくり
~顧客同士のコミュニケーションを生み出す
マーケティング戦略

Peach Aviation株式会社 執行役員 データドリブン・マーケティング本部長   森井 理博

データ分析でカスタマージャーニーを最適化、4年連続増収増益の秘訣

 競争が激化するLCC業界において、データと深く融合したマーケティングで躍進を続けるPeach。顧客同士のコミュニケーションを促すC2Cマーケティングやデータドリブン・マーケティングなど、同社の取り組みについてマーケティングを統括する森井理博氏が語った。

データドリブン・マーケティングでカスタマージャーニーを最適化

 2012年の3月に初便が飛んでから、Peachは現在7年目です。就航当時は「LCCは日本では成立しない」と言われていましたが、蓋を開けてみると就航3年で累積損失を一掃、4年連続で増収増益を達成し、右肩上がりで成長してきました。一般的な航空会社であるFSC(Full Service Carrier)とは、乗客の構成も異なります。FSCの乗客は男性7割でビジネスパーソンが多いのですが、Peachは若干女性の方が多く、20~30代のお客様が6割を占めています。それと、国際線に関しては、外国人が70%とインバウンドのお客様が多いという特徴もあります。よって、必然的にマーケティングにおけるターゲットも異なってきます。

 従来のマーケティングでは、ターゲットを決めて、そのターゲットに対して確率論を高めるコミュニケーションをつくるのが原則でした。しかし、もはやそれは通用しなくなりつつあるのではないかという観点で、Peachではデータドリブン・マーケティング戦略をとっています。カスタマージャーニーの最適化を基本的な考え方として、それぞれのタッチポイントでお客様が必要としている物を提供します。例えば、これまで航空会社は航空券の予約販売でのタッチポイントが売上の中心でしたが、お客様の視点で旅を考えれば、出発前のプランニングや、飛行機の中、旅先なども重要なタッチポイントとなってきます。旅全体をパッケージ化したプランは航空会社や旅行会社も既に提供していますが、その多くはターゲットありきで作られています。そうではなくて、一人ひとりのお客様が過去にとった購買行動をベースにニーズを理解して、それに対応した物やサービスを航空券とセットにして購入してもらうということです。

 そこで重要になってくるのが、LCCというモデルです。FSCの場合はイヤホンやブランケット、飲み物などのサービスが全て含まれた運賃ですが、LCCの場合はサービスなどを含まない料金設定にすることで安く航空券を提供できます。何も付いていないからこそ、お客様のニーズに応じて何かを付け足して提案ができるのではないかというのが、Peachにおけるデータドリブン・マーケティングの基本的なニーズなのです。

お客様に響くのは、SNSやC2Cによる顧客同士のコミュニケーション

 デジタルやSNSが流布している現代においては、一方的に企業側から押し付けるキャンペーンやプロモーションではなく、C2C型の方がお客様には響くという実感があります。Peachは若い女性客が多いのが特徴ですが、お客様自身がメディアとなってSNSなどで情報発信しているケースも多く、どのように発信してもらうかについても、一つのテーマとして取り組んでおります。

 また、お客様の価値観の多様化もかなり進んでいます。2017年の春に実施したキャンペーンでは、毎日目的地を国内外問わず設定し、その場所に実際に行ったお客様から動画や写真をお借りして掲載しました。例えば目的地が台湾の日には、台湾に行ったお客様の映像や写真を掲載し、そこに「この日の台湾線が安いですよ」と航空料金を表示させました。このキャンペーンの結果は、前年同月対比で航空券の販売総額240%となりました。この結果から、企業側が作った仮説に基づくB2C型の情報よりも、お客様側がつくる個々の旅のスタイルに、お客様は共感するのだと実感しました。CGM(Consumer Generated Media)と言えばありきたりかもしれませんが、実践してみると、反応が大きかったのです。

 C2C型が求められているという結果をベースに、2018年中にリリース予定の新規事業として「COTABI」をつくっています。「COTABI」では、従来の旅行代理店や航空会社の提供する旅プランではなく、お客様自身と同じ価値観を持った人から旅を検索できます。お客様の数だけ価値観があって、お客様同士でマッチングすることができれば、C2Cで勝手に自走していくのではないかと思います。このような施策は、カスタマージャーニーの中に配置し、データを取り、それを回していくことで精度が上がってくるものです。マーケティングは、ターゲットをつくって仮説を立て、最大公約数を取っていくというこれまでの方法論から、データベースを蓄積して分析し、目的達成に向かってデータを活かすやり方に転換してきているのです。

Peach Aviation株式会社
執行役員 データドリブン・マーケティング本部長
森井 理博


1989年4月、大手広告代理店に入社。営業部門ならびにマーケティング部門において要職を歴任。2014年11月、業界最大手の飲食チェーンに転じ、取締役執行役員マーケティング本部長に就任。2016年8月、Peach Aviation株式会社に入社し、現職。

パネルディスカッション

マーケティング”再構築”への挑戦
~改革の鍵となる、
顧客視点のマネジメントと組織づくり

バーミキュラ(愛知ドビー株式会社) 代表取締役副社長  土方 智晴
UCC上島珈琲株式会社
常務取締役 マーケティング本部 本部長 兼 イノベーションセンター担当  石谷 桂子
株式会社ファミリーマート シニアオフィサー
マーケティング本部長(兼)マーケティング戦略部長  植野 大輔
日本アイ・ビー・エム株式会社
Watsonカスタマー・エンゲージメント事業部 事業部長   樋口 正也

モデレーター:
株式会社クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役  音部 大輔

 

顧客を捉え直し、マーケティングの役割を再定義することがカギ

 デジタルテクノロジーの普及により企業と顧客との関係が変化していく時代において、顧客視点で組織を再構築することが重要になっている。誰を顧客として捉え、マーケティングはどのような役割を担っていくべきか。数々の企業でマーケティングやブランドマネジメント、組織構築を担当しているクー・マーケティング・カンパニーの音部大輔氏がモデレーターとなり、4名のパネリストが意見を交わし合った。

顧客とは誰か、誰のための製品・サービスなのかを問い直す

音部:  顧客をどう捉えるかが、それぞれの企業におけるマーケティングのはじめの一歩ではないかと思います。皆様がどのように顧客を捉えているかお聞かせください。

石谷:  消費者マーケティングを長くやっておりますので、最終消費者を顧客として捉えています。もちろん購入してくれる方にとってのベネフィットも考えなければなりませんが、最終的にはその先の「実際に使っているお客様」が大事です。過去の経験の中で、P&Gでプレミアムペットフードのマーケティングを担当していた時に、購入してくれる人間が喜ぶものではなく、最終消費者である犬や猫の健康に良い商品をつくるという理念の元で動いていたことがありました。しかし途中から、購入してくれる人間向けに寄せ始めたことにより、ビジネスモデルが崩壊してしまったのです。顧客の捉え方は企業により様々ですが、何か信念を持って突き進む製品・サービス開発であるべきだということが、私にとって大きな学びでした。

植野:  コンビニの場合、ほとんど全ての方がお客様ですので「顧客をどう捉えるか」というのは社内でも議論が多いポイントです。ただ、コンビニはフランチャイズビジネスですので、数千人の加盟店オーナーに向けたマーケティングも重要だと考えています。とはいえ、加盟店の元気が出る施策と最終顧客にとってメリットのある施策、本社の売上になる施策のバランスを取ることが大切なので、その時々でチューニングしながら動いています。

土方:  バーミキュラをつくるにあたって、まさに「お客様が誰か」という社内の定義を捉え直してきました。私が入社したばかりの頃、15人の町工場だった時代は、ハッキリとしたお客様の定義がありませんでした。そこで、まずは「うちは下請けだから大企業の調達担当者がお客様」と捉え、どうしたら喜んでいただけるかを考えてビジネスを構築しました。ただ、下請けとして企業だけをお客様と捉えるのはリスクが高いことに気付き、「最終ユーザーにできるだけ近い位置に立ってD2C(Direct to Consumer)でやろう」ということでバーミキュラを開発しました。

音部:  顧客の捉え方を変えていくにあたって、社内で相当のご苦労があったかと思います。顧客を捉え直してきたことで、製品開発やオペレーションには変化がありましたか?

土方:  バーミキュラの場合、潜在顧客ではなく、既に購入して使っている方が顧客だと捉えています。特にバーミキュラ開発当時である10年前に我々を信用して買ってくれた方が損をしないように、買って良かったと思えるような製品サービスにすることを心掛けています。理由は2つありまして、1つは製造業の人間として「良いものをつくってくれてありがとう」と感謝されることが一番の喜びだからです。もう1つは、バーミキュラを愛用してくれる方は、周りの方々にも宣伝してくださるからです。よって、全てのオペレーションにおいて、既に使っている方を最も大事に考えております。

 

音部:  愛知ドビーさんのバーミキュラは、B2Cのわかりやすい事例だと思います。一方で、B2CだけではなくB2Bもお持ちのUCC石谷さんは、B2Bの顧客の捉え方に関して、いかがですか?

石谷:  B2Bの場合はデータが揃いにくいので、そこが苦しいところでもあります。UCCはホテルや喫茶店に珈琲を卸していますが、市場の大きさや競合のシェアがなかなか掴みにくいですね。ただ、できるだけデータで物事を共有していかないと、感覚だけの消費者理解では、組織は動かないと改めて感じます。

音部:  B2Bだとシェアデータがないために全体量がわかりにくく、顧客を捉えるのが難しいですよね。IBM樋口さんは、いかがですか?

樋口:  IBMは世界でも最大規模のB2B法人営業を持つ企業ですから、B2Bでの顧客理解という点では様々な施策を打ってきました。例えばB2Bの場合、すべての企業をお客様として同様の方法で営業していくのは、人員から考えても難しいです。そこで、売上金額と予算を縦横軸でセグメント分けして、お付き合いの深いお客様には営業を手厚く配置し、一方で現状お付き合いができていないお客様には完全にデジタル化したチャット対応にして動きを見るなど、世界中で統一した尺度で顧客を捉えています。

全社で同じ方向に進み、企業の未来をつくるのがマーケティングの役割

音部:  顧客をどう捉え、どうセグメンテーションして選択と集中をしていくかというお話をお聞きしてきましたが、その上で各社が考える「マーケティングの役割」についてお聞かせください。

植野:  ファミリーマートで2018年3月にマーケティング本部を立ち上げた時、最初に考えたのがまさにマーケティングの定義や機能、役割です。個人的には経営全体がお客様視点で絡んでいくことがマーケティングの醍醐味だと思っておりますが、最初からそこに向かうのは難しいので、スタートはまずデータで見える化し合理化されたプロセスにすること、市場調査予算を増やしてデータを取ること、コミュニケーションを統制してお客様のマインドを取りに行くこと、これらの3つの取り組みをしています。これまで熱量や思いつきだけで進めてしまっていた部分を、データに基づいて進めるよう方向転換させるのも僕の役割だと思っています。

土方:  良い製品をつくって企業の未来をつくることが、僕が考えるマーケティングの役割です。もともとバーミキュラをつくった時はマーケティング組織なんてありませんでした。なぜバーミキュラが上手くいったかを考えた時、私自身が職人であり、ユーザーでもあって、その人間がマーケティングもやったからだと思います。リソースが無かったからそうせざるを得なかったわけではありますが。そこから言えるのは、技術部門とマーケティング部門がコミュニケーションを取りながら、いかに同じ方向に向かっていけるかというのが、良い製品をつくるために重要なことだと感じます。

石谷:  マーケティングや製品は、会社の戦略そのものだと思います。例えばUCCにはもともと調査分析部が無く、代理店に外注していたそうです。ただ、広告やコミュニケーションは製品戦略をお客様へ伝える手段であって、戦略づくりから外部に丸投げしていたのは驚きでした。マーケティング本部は、戦略をつくっていく部署であることを理解するべきです。例えば、ビジネスや市場を理解せずに「おもしろそうだ」という感覚だけで製品をつくると、売れなかった時に営業と開発側でコンフリクトが生じます。では、なぜ店に並ばないのか、施策が悪いのか組織的なプロセスが悪いのか、そこまで入り込んで責任を持ってこそ、マーケティングだと思います。

「図々しさ」というリーダーシップが、強いマーケティング組織をつくる 

音部:  強いマーケティング組織をつくるには、何が必要だと思いますか?

石谷:  ビジネスの目的を理解して、製品・サービスに関わる全てのことに責任を持てる組織が強いと思います。製品・サービスをつくってお客様に届け、そのフィードバックを受けて新たな製品・サービスに活かす。マーケティングだけでなく全ての部署に言えると思いますが、自部署の担当する一部分だけではなく、ビジネスに関わる全ての工程に関わりを持つことが重要です。

音部:  日本企業の特徴の一つかもしれませんが、振り返りや反省を上手く活かしていないことが多いですよね。物をつくって届け、フィードバックをもらい、その学びを活かして改善するプロセスは踏むべきでしょう。その一連の工程でリーダーシップを持って進めるのが、マーケティングの役割だと思います。リーダーシップは日本語に訳すのが難しい単語ですが、おそらく「統率力」ではなく「図々しさ」の方が意味に近いですよね。

 

植野:  「図々しさ」は、強いマーケティング組織であるために必要不可欠だと感じます。マーケティング担当者はお客様の代理人であり、これまでビジネス論理で進めてきてしまった会社をお客様視点で捉え直して変革する必要があります。他部署からは「なぜ変えなければならないのか」と疎まれることもありますが、マーケティング組織はある意味「反逆児」でなければなりません。

土方:  強いマーケティング組織であるために、企業の未来に責任を持ってデザインできる強烈なリーダーシップが必要だと感じます。製品の価値には「機能的な価値」と「情緒的な価値」の2種類がありますが、情緒的な価値は変わらないものです。その情緒的価値を10年後も、そして22世紀にも残していくために、リーダーシップを取って会社を変革する必要があります。

樋口:  様々なお客様とお仕事する中で、マーケティング組織が強いと感じる企業は横断的な組織を持っていると感じます。他部署と連携が取れていれば、問題が発生した場合も全社で対応することができます。CMOが他部署の役員を巻き込み、企業全体でマーケティングすることが重要です。

企画者からの御礼

 この度は「CMO Forum 2018」に多数ご来場を賜り、誠にありがとうございました。
シリーズ5回目となる当フォーラムでは、「マーケティングの“再構築”」をテーマに企画・開催させて頂きました。当フォーラムの内容が、ご参加企業のマーケティング改革へ向けた一歩を踏み出すきっかけとなれば、企画者として嬉しい限りでございます。

 今後もビジネス・フォーラム事務局では、皆様の課題解決のヒントとなるようフォーラムを企画してまいります。 企画・テーマ等にご希望・ご意見がございましたら、ぜひこちらまでお寄せ下さいませ。また、最新のセミナーはこちらからご確認ください。

 改めまして、この度「CMO Forum 2018」にご登壇頂いたご講演者の皆様、ご協賛社の皆様、そして、ご参加頂いた皆様に、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
プロデューサー 松岡 英美