Disruptive Innovation Management 2018
イノベーティブ“組織” への 変革
~ビジネスとともに変革し、
挑戦と失敗ができる創造的組織のつくり方~
2018年7月25日(水)野村コンファレンスプラザ日本橋にて「Disruptive Innovation Management 2018 イノベーティブ“組織”への変革~ビジネスとともに変革し、挑戦と失敗ができる創造的組織のつくり方~」を開催いたしました。
参加対象:経営者、役員、経営企画、人事、などの各事業部門の管理職の方々
参加人数:173名
参加者のセグメント
開催趣旨
破壊的なイノベーションが次々の起こるこの不確実な時代を生き抜くには、これまでの延長線上にはない、新たな発想や視点でビジネスを考え、実際にアクションを起こし、挑戦をしなければなりません。前例のないサービス・製品・ビジネスの実現には様々な障壁があり、成功の保証はなく、どのような企業や事業においても、失敗はつきものであるなか、どのような組織であればその失敗と挑戦を可能にするのでしょうか。
本セミナーでは、挑戦と失敗が出来るイノベーティブな組織文化をつくるためにリーダーはなにを改革するべきか、挑戦を阻害する要因はなにか、挑戦を促すにはどのような制度・評価の仕組みが必要か、といった組織的な観点からイノベーションが生まれる土壌・文化・組織のつくり方を検証すると共に、実際に挑戦と失敗をつづけ、新製品・新サービス・新事業の開発成功を手繰り寄せている実行者の方々の実践方法や経験から、企業に求められる変革を検証しました。
主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局
特別協賛企業:株式会社in3
協賛企業:株式会社iTiDコンサルティング
特別講演:改革リーダーに聞く、文化の創り方・変え方
「JR九州、民営化から始まった組織変革と多角化経営
~新事業に挑戦する風土・文化づくりと実現の軌跡~ 」
登壇者:九州旅客鉄道株式会社 初代社長 石井 幸孝 氏
- JR九州の改革!多角化経営の軌跡と挑戦・失敗~
- 鉄道にデザインを。~旧態依然の慣習とプライドを変える~
- 「なんでもやる」社員のマインド改革と風土づくり
- 時代を読み、限りなき挑戦を
聴講者の声
- イノベーションを起こすための心構えや考え方など、非常に参考になりました。会社全体が変化すること、新しい挑戦を楽しんでいるのが伝わり、とても、感動しました。
- 実例を交え、非常に理解しやすい内容であった。危機感を共有し、変革する組織作りが参考となった。
- 多角化経営の成功事例として、「気質が似ている事業」は、大いにヒントになりました。
九州旅客鉄道株式会社 初代社長
石井 幸孝 氏
1955年東京大学工学部卒、日本国有鉄道入社。若いころは車両開発の技術者、その後経営管理の道に進み、広島鉄道管理局長、常務理事九州総局長を経て、激動の国鉄改革に携わり、87年九州旅客鉄道(JR九州)初代代表取締役社長に就任、その後会長を務める。車両のサービス改善やビートル航路の開設、多角経営などで、JR九州を軌道に乗せる。九州山口経済連合会副会長、九州ニュービジネス協議会会長なども務め、地域活動、行政経営改革、日韓交流にも従事。現在も、新幹線列島大動脈の物流への活用など、鉄道政策論を提唱している。近著に『人口減少と鉄道』(朝日新書2018)などがある。
基調講演:挑戦を阻害する要因と組織を変えるポイント
「大企業病とイノベーション」
登壇者:株式会社in3 代表 平井 朋宏 氏
- イノベーション=IDEA × ACTION
- 組織DNAの使い方
- 組織開発では人材ではなく組織の阻害要因に着目する
聴講者の声
- 日々の活動・組織内コミュニケーションが継続的に組織の硬直化を低減している
イノベーションを生む風土につなげていくことが大切と感じた。 - 組織文化は行動に大きな影響を及ぼすが、目に見えないためそれを意識する事が重要と学んだ
- 組織開発は事業戦略と同等の重要性があるという言葉に啓発されました。リーダーの行動と草の根活動の関係をよく考えます
株式会社in3 代表
平井 朋宏 氏
イギリスUniversity of Warwick大学院にてSocial and Political Theory(MA)を取得。帰国後、イギリスに本社を置くエグゼクティブ向け戦略情報プロバイダーにて日本の企画部門を統括。2003年より株式会社インヴィニオにおいて、戦略、組織文化のアラインメントプロジェクトの設計と実施を担当。2017年株式会社インヴィニオと共同出資で組織開発・組織文化変革を主軸とした株式会社in3を設立。自社のビジョン、戦略、価値観などを織り交ぜたワークショップ(言語:日、英)をグローバルリーダーに対し展開すると共に、クライアント企業に合わせた様々な組織 開発ツールを提案・開発、組織への展開方法を設計し、企業のアラインメントワークに取り組む。アメリカのデニソン社とのパートナーシップによる組織文化変革研修、スウェーデンのセレミ社とのパートナーシップによる経営シミュレーション、その他シニアリーダー研修など講師としても実績多数。日本コンペティティブ・インテリジェンス学会理事。
ランチブレイク
特別セッション:イノベーションをリードする人事
「挑戦を可能にする組織
~挫折を評価し、挑戦を促す仕組みと評価制度~」
登壇者:アイリスオーヤマ株式会社 執行役員人事部部長 倉茂 基一 氏
スリーエム ジャパン株式会社 執行役員 人事担当 野川 真木子 氏
モデレーター:明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科 教授 野田 稔 氏
- 社員が挑戦できる環境とは
- 失敗や挫折を評価し、チャレンジと成長を促進させる評価制度とその基準
聴講者の声
- アイリスオーヤマのトップダウンと3Mの自由裁量の対比が非常におもしろかった。
- アイリスオーヤマ様の話は、コミュニケーションを取ることにかなり積極的な印象、Topでないとできないと感じました。3M様のお話は、リスクを取ることをすすめる文化、マネジメントの徹底が素晴らしいと感じた。
- イノベーションを産み出す考え方、与える自由度、規制(制約)、評価方法について考えが整理できた。
アイリスオーヤマ株式会社 執行役員人事部部長
倉茂 基一 氏
1962年仙台市生まれ。早稲田大学卒業後、アパレルメーカーに入社。1991年にアイリスオーヤマに入社。 マーケティング部、販売促進部、社長室、システム部、広報室などを歴任。2008年より人事部に着任し、採用・教育・評価・人材配置、制度設計など人事業務全般を統括する。国家資格キャリアコンサルタント。
スリーエム ジャパン株式会社 執行役員 人事担当
野川 真木子 氏
一橋大学卒業後、花王株式会社にて家庭品首都圏営業、人事企画、国際人事を担当。2001年ゼネラル・エレクトリック(GE)に入社。日本、アジア・パシフィック、中欧・東欧地区においてコーポレート部門、金融部門、電力部門の部門人事を担当、各部門の組織・人材戦略策定および実行に携わる。2012年に日本IBMへGTS事業担当 人事理事として入社、2014年IBM米国本社へ出向、2015年GBS事業担当 人事執行役員を経て、2016年8月より現職。
明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科 教授
野田 稔 氏
1981年一橋大学商学部卒業後、株式会社野村総合研究所入社。組織人事分野を中心に多数のプロジェクトマネジャーを務め、経営コンサルティング一部長を最後に2001年退社。多摩大学経営情報学部教授、株式会社リクルート新規事業担当フェローを経て 2008年より現職。テレビ出演、著書多数。近著は『実はおもしろい経営戦略の話』(SB新書)
ショート・ブレイク&リフレッシュ・ヨガ・タイム
事例講演:小さく挑戦を始める、リーンスタートアップの実践!
「破壊的イノベーションに立ち向かう、
P&G流イノベーション!
~『速く世に出す』を評価し、実践する仕組みと戦略~ 」
登壇者:P&G(日本) 研究開発本部 オープンイノベーション・ヘッド J.ラーダーキリシャナン ナーヤ 氏
- P&G流、イノベーション戦略とマネジメント
- 「速く世に出す」を実践するR&Dの仕組み
- イノベ―ションと社員の評価
聴講者の声
- イノベーターを発掘し育成する仕組みが面白い。
- Fail early fail cheap, Lean startというのは納得感がある。
- リーン開発やデザインシンキング等、先進的開発をやらせてきたが、全ては顧客中心ということがポイント。
P&G(日本) 研究開発本部 オープンイノベーション・ヘッド
J.ラーダーキリシャナン ナーヤ 氏
1996年インド工業大学、東京工業大学材料工学博士取得、翌年、(独)産業技術総合研究所(つくば市)研究員として従事。2000年P&G(日本)研究員として、パンパース(紙おむつ)の技術開発に従事し、その後2002年P&G(米国)主任研究員として、パンパース(紙おむつ)の技術開発に従事。2003年より再びP&G(日本)主任研究員となり、ファブリーズ(消臭剤)の技術・製品開発に従事。2006年にはP&Gの製品開発におけるその年の最優秀開発に贈られる賞である、P&G John Smale Innovation Award 最優秀開発賞を獲得。2010年よりP&G(日本)オープンイノベーション・ヘッドに就任。
協賛講演:イノベーションを成功させる組織とその目標設定
「価値創造企業になるために必要なこと
~組織の壁を越え、イノベーションを起こす~」
登壇者:株式会社 iTiDコンサルティング 取締役 コンサルティング最高責任者 北山 厚
- イノベーションを起こせる組織に必要なこと
- 価値創造企業におけるアイデア発想法
- 組織としての共通目標のつくり方
聴講者の声
- 「知」×「思い」の両方が大切という話が良かった。
- イノベーションの壁とそれぞれの要素の関係について、整理できました。
- iTiDのフレームワークで今後の研究テーマ探索を検討してみようと再確認しました。
株式会社 iTiDコンサルティング 取締役 コンサルティング最高責任者
北山 厚
東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。 ソニーにてVTRの設計、MDno事業開発に従事。 電通国際情報サービスにて製造業の業務改革に携わった後、 2001年アイティアイディコンサルティング設立に参画。 企業の生産性向上と製品価値向上に関するコンサルティングを多数実施。
特別セッションⅡ:実践者が語る、変革と挑戦の進め方
「イノベーティブ“組織”への変革!
~組織変革を実現し、挑戦を実践する~ 」
登壇者:株式会社寺田倉庫 専務執行役員 MINIKURA担当 MINIKURAグループ リーダー 月森 正憲 氏
- イノベーティブ“組織”へ、変革の肝
- 実践者が語る、挑戦の進める方・妨げる組織の問題
- 失敗の定義・マイルストーンの定め方
聴講者の声
- まったく違う2社の取り組みに、共通点を見い出せた。モデレーターのコントロールもよかった。月森氏の変革者としての可能性の高さと打ち手の確実さに感銘した。戸田氏の話は経験から生まれた説得力あるものであった。
- 功成された重鎮と若きリーダーそれぞれの視点でのコメントが同じ点があったり対照的なところがあったりで興味深かった。
モデレーションも今回のテーマに対し的を射たものだった。 - 戸田様のセルフモチベートの仕方や、考え方が大変勉強になった。月森様の変革し続けていく気持ちに刺激を受けた。
- 大企業と中小企業の違いあるなかでもイノベータ組織は変化への心の抵抗を打破することでは人生に重なる部分も大きいと感じとれ、スピーカーの人生観に裏打ちされていると思いました。
- 「ポジショニングをどう変えるか」「守りは本能、攻めは才能」非常に印象深い、実感がある言葉でした。
株式会社寺田倉庫 専務執行役員 MINIKURA担当 MINIKURAグループ リーダー
月森 正憲 氏
1998年寺田倉庫に入社後約7年間、倉庫現場にて庫内オペレーションに従事する。その後、営業を経て企画担当へ。2012年に、ユーザーが預けた荷物をWEB上で管理できるクラウド収納サービス「minikura」をリリース。2013年に、倉庫システムをAPI化し様々な企業と新規事業を共同で創出。また、倉庫、物流に悩むスタートアップ6社をこれまでに支援し、うち3社では社外取締役を務める。
一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム 代表理事・会長
戸田 雄三 氏
1973年現・富士フイルム株式会社入社、カラーフィルム製品開発・製造技術に従事。1993年~2004年Fuji Photo Film B.V(オランダ)研究所長。欧米市場向け感光材料の開発及びコラーゲン研究を基に再生医療の研究をスタート。2004年帰国後、ヘルスケア事業(化粧品・サプリ)、医薬品事業、再生医療事業を立ち上げ、2018年6月取締役副社長・CTO(最高技術責任者)を退任。2011年、再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)代表理事・会長に就任。2013年より内閣官房 健康・医療戦略室参与就任現職。
株式会社in3 代表
平井 朋宏 氏
全体を通しての聴講者の声
- 日頃漠然としていた自分の考えの方向性は、本日のセミナーを通じて方向性は間違っていないと認識。
本日の話を整理し理路整然を展開出来るようにしていきたい。 - 抵抗勢力と良いコミュニケーションを取り、
何故出来ないと思うのか?を明確化し、それを解決する努力と仲間作りをしたいと思います。 - 人事として会社を変えるべく引き続き取り組むとともに、
個人としても、イノベーションを起こす気持ちを忘れず活動していきたい。 - 自社の経営に参考となるヒントを多く得たので、しっかりふり返って実践して行きたい。
ありがとうございました。組織の壁を乗り越えるという部分で、多くのヒントを得ました。