2022/06/09 (  木 )

多様性マネジメント 2022 ショートレポート

多様性マネジメント 2022 ショートレポート

多様性マネジメント 2022

多様な価値観を受け入れ、活かすマネジメントスタイルへ

~多角的視点から考察する、備えるべき〝多様性″と〝新しいリーダーシップスタイル″~

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

協賛:株式会社識学PwCコンサルティング合同会社株式会社リンクアンドモチベーション

開催趣旨

これから求められ、必要不可欠な要素である、多様性(ダイバーシティ) 。
企業・組織は、どのように活かし、チカラへと変えていくべきか?

世界経済フォーラムのプレスリリースには、企業の多様性の捉え方について、こんな一文も見られます。この様な変化の中で『成功する組織は、従業員の多様な意見、スキルセット、人生経験によって支えられている。

まさに、これから企業経営を担うリーダーは、予測不能・激変・デジタル化・SDGs(気候変動・ゼロカーボン)といった不確実性が高く、未経験・未踏の領域でビジネスを展開・成長させなければなりません。この直面する課題解決、未来に向けた投資へのカギとなるのが、経営や組織マネジメントに『多様性』をより積極的に取り入れ、活かすことではないでしょうか。

とはいうものの、欧米の企業に比べ『多様性』を活かすことに対して、抵抗を感じることが多いのではないでしょうか。では、日本(人)ならではの『多様性』の活かし方とは何か?
どんな方法が適しているのでしょうか?
そのヒントをつかみ、実践できれば、新たな競争力へとつながるはずです。

本企画では、上記の背景や課題意識のもと、多角的な視点から『多様性』を考え、ビジネスやマネジメントへの効果と効能を見出すことができました。

各セッションにご登壇いただいた専門家、ビジネスエグゼクティブの皆様から考察・検証を深め、『多様性』を活かすマネジメントスタイルへのヒント、またビジネスリーダーにとって、数々の有益な示唆をいただけました。

参加者の属性

≪業種≫
≪部門≫
≪役職≫
 
<専門家・有識者講演> 多様性の高い組織のマネジメント & コミュニケーション

『社会心理学』の観点から考察する多様性マネジメント
~ ダイバーシティの高い組織で起きる組織現象と人間心理 ~

  • 社会心理学から見た、多様性のプラス・マイナスの効果
  • 多様性をプラスに作用させるため、組織内の各々の立場でできること
  • 「違い」を前提にした他者との関わり方、コミュニケーションの工夫

正木 郁太郎 氏

東京女子大学
現代教養学部 心理・コミュニケーション学科 心理学専攻 専任講師

正木 郁太郎

Voice of attendees

「DE&Iの心理学という学術的な切り口での裏付けが良く理解できました。」

「内集団、外集団など違いに敏感な心理メカニズムをうまく活用することがヒントになった。」

「同一性を重んじる傾向が強い日本の社会で、『多様性』を企業の中でどうプラスに作用させるか、とても参考になった。」

<協賛社講演> 管理職こそ求められる「ダイバーシティ&インクルージョン」

ダイバーシティ&インクルージョンを実現する「管理職育成」とは?

  • D&Iを実現していく上で多くの企業が陥いる落とし穴

①目に見える多様性だけ対応してしまう

②自社で取り組む理由が言語化できていない

③個々人に合わせすぎて組織としての一体感を束ねられない

  • 上記3つへの解決策
  • D&I実現に向けて管理職に求められる4つのポイント
  • D&Iを体現している企業事例

川内 正直 氏

株式会社リンクアンドモチベーション
常務執行役員

川内 正直

Voice of attendees

「ダイバーシティという言葉自体は何度も耳にするところですが、その定義をあらためて具体的に示して頂いて、一段深い理解ができたように感じました」

「管理職としてどう行動すべきか必要な資質に関しても参考になりました。」

「施策に走りがちな弊社の状況を振り返る契機になりました。」

<事例講演①> 多様性を企業の活力にするために【“女性リーダー“が語る実体験!】

『多様性こそが企業の活力』に、女性管理職50%超えの日本ロレアルに見習うダイバーシティ

  • DE&I(多様性、公平性、包摂性)を根幹に置くロレアルグループのパーパス経営
  • DE&I(多様性、公平性、包摂性)を実現する人材評価や能力開発の仕組み、企業文化
  • 日本ロレアルにおける女性活躍推進などジェンダー平等の取組み

楠田 倫子 氏

日本ロレアル株式会社
ヴァイスプレジデント コーポレート・アフェアズ&エンゲージメント 本部長

楠田 倫子

Voice of attendees

「職業柄男職場であったが、事務職ではあるが女性の採用が多くなり、女性の活躍推進体制の構築に興味がある」

「ダイバーシティに関わる部門に4月から着任となり、社内風土、制度も含めて具体的な講義をいただき大変勉強になりました。」

<協賛社講演> 多様性との向き合い方

メンバーの「多様性」に組織はどう向き合うべきか?

  • 多様性=自由?
  • 組織はルールで動くことで、効率的かつ成果を最大化できる
  • ルールがない組織は地雷の埋まった戦場のようなもの
  • 履き違えた「自由」が蔓延することで、会社が弱体化してしまう危険性
  • 秩序を保ち、多様性を認めるためにリーダーがやるべきこと
  • 組織における多様性は、何をもって認めるべきか

安藤 広大 氏

株式会社識学
代表取締役社長

安藤 広大

Voice of attendees

「色々なバックボーンを持った人が働く時代だから、組織が多様性を受け入れることも大事だと感じました。」

「線でマネジメントしてしまっていることを自覚しました。点のマネージメントを意識しようと思います。」

「良かれと思っていたことが部下の言動を阻むというのは耳が痛い話でした。」

<ゲスト講演> 歴史から学ぶ、多様性の受け入れ方とは?

江戸時代の教育と人材育成からみえる、日本人と多様性
~先人に学ぶ知恵とヒント~

  • 多様な個性を活かした寺子屋と私塾の教育方法
  • 吉田松陰による、松下村塾での人材育成からリーダーの振る舞いと 多様性を知る

河合 敦 氏

歴史研究家/多摩大学 経営情報学部 客員教授

河合 敦

Voice of attendees

「吉田松陰の話は本当に勉強になりました。現代で起きている事象と歴史上のプロセスが重ね合わさって非常に楽しかった。」

「『多様性』にフォーカスし、歴史の出来事や事象を捉えてみた時、これからのビジネスシーンで活用できること、応用できることが理解しやすくなるのではないか?という企画の視点が面白い。」

「普段はあまり聞けないお話しで興味深かったです。」

<事例講演➁> 多様性を活かす働き方の土壌・職場づくりの秘訣

SOMPOの働き方改革

  • SOMPOのパーパス浸透と連動させた働き方改革の取組み
  • 多様人材が活躍する土台となる意識改革(パラダイムシフト)
  • 「MYパーパス」の追求と「SOMPOのパーパス」との重ね合わせ
  • 自律的キャリア形成を促す人事施策(ジョブ型人事制度や1on1等の導入事例)

原 伸一 氏

SOMPOホールディングス株式会社
グループCHRO執行役専務

原 伸一

Voice of attendees

「社員一人ひとりが自分の「パーパス」を明確にし、やりがいと幸せを感じながら働き、飛躍的に生産性を高めるにはどうすればいいのか参考になった」

「会社と個人のパーパスを明確にする必要性を感じた」

<協賛社講演> これからの経営とダイバーシティ

攻めのダイバーシティ経営 ~ビジネスの成長を支えるインクルーシブな組織の実現に向けて~

  • 企業におけるダイバーシティ推進の意義と戦略的位置づけの変化
    (ESG/SDGs、人的資本開示等の動向)
  • ダイバーシティ推進のアプローチとポイント
    (属性的多様性から価値観の多様性へ)
  • 企業価値向上につながるインクルーシブな組織・カルチャーづくりの具体策

北崎 茂 氏

PwCコンサルティング合同会社
パートナー

北崎 茂

吉田 亜希子 氏

PwCコンサルティング合同会社
シニアマネージャー

吉田 亜希子

Voice of attendees

「D&Iの実現に向け実際にどのように取り組むべきか参考になりました。」

「従来のコンプライアンス対応や属性別課題対応などの「守り」の観点だけではなく、いかに稼ぐ力に結び付けるかという「攻め」の観点をどう身に着けるのか参考になりました。」

「企業文化を組織に浸透することが筋肉質の強い組織になると思いますが、日本企業はまだ道半ばだと感じました。」

<事例講演③> 多様性を包摂したリーダーの姿

デジタル変革を推進するリーダーシップ
~メンバーの活躍を導く 多様性を包摂したリーダーシップスタイル~

将来あるべき姿からバックキャスティングすることは、デジタル変革を推進する一つの手法である。

そこには現実との大きなギャップが存在し、そのブレイクスルーには多様性を包摂したリーダーシップが大きな鍵となる。変革に向け動くリーダーとして、必携すべき三種の神器について、具体的に実践したビジネスシーンからのヒントを紹介いただきました。

花田 琢也 氏

日揮ホールディングス株式会社
専務執行役員 CHRO・CDO

花田 琢也

Voice of attendees

「変革のシナリオは、バックキャストと説明がありましたが、イノベーションマネジメントでもまさにそのアプローチです。現状の延長線上に目標をせっていするのではなく、ありたい未来の姿から今を見つめることがとても良く解かりました。マネージャーとリーダーの違いも明快で、変革のリーダーがたくさんいると日本も明るくなると思います。私自身も、サーバントリーダーという考え方が好きです。」

「リーダーの三種の神器、人を活かすが印象に残り、キーだと感じた」

<スペシャルトークショー> 多様性を受け入れた経営・組織運営へのヒント

サッカーに学ぶ多様性の活かし方 ~多種多様な要素と変化の中で戦うためのヒント~

  • 監督・コーチのスキルに学ぶ、多様性マネジメント
    ~サッカー日本代表クラスの強烈な個性・特徴を活かすリーダーの見極め力~
  • ビジネスにも必ず応用できる、多様なチカラを束ねるチームマネジメントとは?
    ~組織を牽引するリーダーの特徴&組織を伸ばすことができるコツ~
  • 多様性を受け入れた組織・チームが及ぼす変化
    ~過去のチームマネジメント経験からひも解く、メリット・デメリット~

山本 昌邦 氏

NHKサッカー解説者
2004年アテネ五輪 サッカー日本代表監督
元 Jリーグ ジュビロ磐田監督
国士舘大学 体育学部 客員教授

山本 昌邦

Voice of attendees

「山本様のメッセージがわかりやすく、コーチングも訓練ということに納得しました。感情に流されないように部下とともに成長していきたいと思います。」

「実務に即使えそうです。ありがとうございました。」

「サッカーのマネージャー時のエピソードも含めて、参考になりました。試合前のミーティングで話す選手に向けての言葉を徹夜で考えるというところ、感銘を受けました。私も部下ができ成長を考えて、チームが強くなるために、言葉を大事にしていきたいと思い」

企画者からのコメント

この度は「多様性マネジメント2022」へ、多くの方々にご視聴を賜り、誠にありがとうございました。

そして、日々ご多忙にもかかわらず、錚々たる講演者の皆様には『多様性』の捉え方、活かし方について、貴重なご自身のご経験・ご知見からのヒント、示唆をいただけましたこと、心からの御礼を申し上げます。

ご参加者いただいた皆様から頂戴したアンケートからは、ダイバーシティ&インクルージョン実現に向けて、 『従業員の意識改革』、『エンゲージメント向上』に課題を感じられておりました。

今後、このような課題を解決できるようなセミナーやコンテンツを企画し、皆様のお取り組みの一助や成功につながるヒントをお届けできるよう、情報発信して参ります。

 

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
シニアマネージャー・プロデューサー
進士 淳一