2022/03/16 (  水 )

The Next Leadership Agenda 2022 Day2<人材育成>ショートレポート

The Next Leadership Agenda 2022 Day2<人材育成>ショートレポート

The Next Leadership Agenda 2022

未来視点から「組織・人事」と「人材育成」を捉える企業変革

Day2<人材育成>

Day2「人材育成」:人を競争力の源泉に変える企業がすべき投資

自社に必要な人材を再定義し、育てていく、そして「自社の競争優位」としていくかは、今後の企業の競争力に直結するといっても過言ではありません。Day2では、パーパスや経営戦略を人事戦略に落とし込み、さらに人材育成にまで反映している企業の事例をご紹介し、人材への投資のヒントを探りました。

開催日:2022年2月22日(火)

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

協賛:株式会社iCare、株式会社HackCamp、マーサージャパン株式会社、ユームテクノロジージャパン株式会社

開催趣旨

脱炭素やデジタル変革への対応、そして長期化する新型コロナウイルスとの戦いを経て、経営を取り巻く環境は一変し、企業とヒトはあらゆる変化や変革活動に柔軟に適合するスピードとレジリエンスが求められています。予測困難なVUCAの時代では未来視点で企業の存在意義をあらためて問うことが重要であり、かつ今後の経済再開において競争力と企業価値最大化のカギを握るのは「人事」と「人材育成」に他なりません。

参加者の属性

≪業種≫
≪部門≫
≪役職≫

<基調講演>

ノーノーマル時代に求められるニュータイプとは?

コロナによって社会の環境が大きく変わりつつある中、かつて大きな成果を生み出した「正解を出す」「論理的に考える」「綿密に計画する」「専門家に頼る」といった「昭和型の優秀人材=オールドタイプ」の価値が急速に毀損しています。本セッションでは、これまで忌避されていた「問題を提案する」「直感で動く」「行き当たりばったり」「シロウトを活かす」といった思考・行動様式を持つニュータイプの人材マネジメント、そして今後日本企業に求められる人材・育成方法について、『ニュータイプの時代』の著者でもある山口様にお話を伺いました。

独立研究者、著作家、パブリックスピーカー
山口 周

「<基調講演>」の様子

Voice of attendees

「ニューノーマルではなく「ノーノーマル」、常識が破壊される時代に入っていることという点は強く印象に残りました。」

「非常に分かり易く、かつ興味深い内容でした。自分の意識を改める良いきっかけとなりました。」

「問題を作る人材が必要だとおっしゃられたことに強く共感しました。」

独立研究者、著作家、パブリックスピーカー

山口 周


1970年東京都生まれ。独立研究者、著作家、パブリックスピーカー。電通、BCGなどで戦略策定、文化政策、組織開発等に従事。著書に『ビジネスの未来』『ニュータイプの時代』『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』『武器になる哲学』など。慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修士課程修了。株式会社中川政七商店社外取締役、株式会社モバイルファクトリー社外取締役。

<協賛講演>

オールドタイプ組織をチーム単位で変革する
ニュータイプ型会議

不確実性が高まる昨今では、個人にも組織にも価値観のアップデートが求められています。しかし、「部下が自分ごと化してくれない」「関連部門を巻き込めない」など、実践できない数多くのハードルがあるのではないでしょうか。本セッションでは、「組織」が、「ニュータイプ」にシフトするために変えるべきことは何か、延べ1万人以上のクライアントに対し、「バックキャスティング」手法を活用したワークショップを行っている矢吹様より、ポイントと事例を「会議」に焦点をあて、ご紹介いただきました。

株式会社HackCamp 取締役 副社長
矢吹 博和

「<協賛講演>」の様子

株式会社HackCamp
取締役 副社長
矢吹 博和


50分で合意形成を実現できる「視覚会議®️」メソッドを10年前に開発。大手企業を中心に1000名近くの共創ファシリテーターの育成を行う。また、ありたい姿から逆算で戦略を作る「バックキャスティング」手法を活用したワークショップを行っており、経営や事業戦略への同手法導入コンサルタントとしても活躍。

<事例講演Ⅰ>

丸紅の人財戦略
戦略の実行と人財の更なる成長に向けた人事制度改革

DXに代表される事業環境の激変の中、今変革へと舵を切らなければ、変化の波に乗れずに沈んでしまうかもしれないという危機感の下、変革に取り組んできた丸紅様。2018年には丸紅グループの在り姿として「Global crossvalue platform」を制定し、今後10年を見据えた目標を明文化されました。在り姿の実現には、人事制度にとどまらない風土変革が必要と考え、既存の枠組みを超える施策を推進されています。2019年には中期経営戦略GC2021を公表し、経営戦略に連動した人事制度の抜本改革に着手。変革の推進者である鹿島様に、在り姿を体現する人財への成長支援に向けた、既存の枠組みを超える施策や人事制度改革の内容とはどういったものなのか、変革への想いを伺いました。

丸紅株式会社 執行役員 人事部長
鹿島 浩二

「<事例講演Ⅰ>」の様子

Voice of attendees

「多様な人材を抱える総合商社ならではの展開を感じた。」

「専門商社で人事をしている者として丸紅様の取り組みを伺う機会となり大変有意義でした。」

「事業会社の人事部、人材育成プログラムの変遷の実例を知ることが出来た。」

丸紅株式会社
執行役員 人事部長
鹿島 浩二


1989年、慶應義塾大学理工学部卒業後、丸紅株式会社に入社。入社時配属から現在に至るまで一貫して人事業務に従事。2001年から米国・ニューヨーク駐在。2007年に帰国後、人事部企画課長として、人事戦略策定、人事制度改定、ダイバーシティ推進などを担当。2013年に中国・北京駐在、2015年からは営業のグループ企画部副部長としてHRBP的役割を担った後、2017年4月人事部長、2020年4月執行役員人事部長に就任、現在に至る。現在、人財戦略として「マーケットバリューが高い人財が育ち、活き、繋がる丸紅人財エコシステムの形成」を掲げ、処遇制度、タレントマネジメント、働く環境の3つの視点から人事制度改革に取り組んでいる。

<協賛講演>

9割の企業が陥る「人的資本最適化における失敗」から紐解く。3つの極意で本物の人事DXを実現!

数多くの企業人事、人材育成の取組みの効果測定を行った結果、ある共通した失敗パターンがみえてきました。失敗パターンを知れば、それを避けることは可能です。失敗を避け、成功した企業の打ち手を知れば、より正解に近づくヒントになります。今回は、失敗パターンの中から、代表的な3つを解説し、他社と差をつけるためのちょっとした見方と打ち手を、人材開発コンサルタントとして学びの支援をされている小仁様、300社以上の人事や働き方改革に従事されている松本様よりご紹介いただきました。

ユームテクノロジージャパン株式会社 ラーニングエバンジェリスト
小仁 聡

人事・戦略コンサルタント、HR ストラテジー 代表、HR総研 客員研究員
松本 利明

「<協賛講演>」の様子

ユームテクノロジージャパン株式会社
ラーニングエバンジェリスト
小仁 聡


1980年生まれ。上智大学在学中にウィスコンシン州立大学に留学し、チャーター・スクールという公設民営型学校設立に関する「教育行政学」や世界の教育制度の比較を学ぶ「比較教育学」を学ぶ。千葉県内のフリースクール、学習障がい児の支援などにも関わる。大学卒業後、株式会社ビジネスコンサルタント、アルー株式会社、株式会社ファーストキャリア、株式会社セルムを経て、株式会社ラーニングシフトを設立。ユームテクノロジージャパンには2018年に参画。100年時代の学びをアップデートするべく、HRテクノロジーを活用した事業開発、組織開発コンサルティングを提供している。著書に『ブレンディッド・ラーニング ~新リモート時代の人材育成学』(フローラル出版刊)。

人事・戦略コンサルタント
HR ストラテジー 代表
HR総研 客員研究員
松本 利明


PwC、マーサー・ジャパン、アクセンチュアなど外資系大手のコンサルティング会社のプリンシパルを経て現職。世界を代表する外資系・日系の大企業からスタートアップ企業まで300社以上の人事改革に従事。「業績や成果がでない人事の取組みは無意味」がポリシー。人事戦略、組織設計、タレントマネジメント、人事制度、DX化まで背骨を通すコンサルティングが持ち味。『できる30代は、「これ」しかやらない』(PHP研究所)、『「ラクして速い」が一番すごい』(ダイヤモンド社)などベストセラー多数。著作累計16万部以上。英国BBC、日本テレビ、TBS、日経新聞、東洋経済、新R25など、メディア実績多数。講演、寄稿事績多数。

<事例講演Ⅱ>

ダイキン工業の“人を基軸におく”理念に基づく人材育成

原材料の高騰や新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受ける中、四半期ベースで過去最高業績を達成したダイキン工業様。成長を支えるものの一つに、人を基軸にした経営が挙げられます。「人は仕事の経験を通じて成長する」という考えをもとに、個性に目を向け、潜在能力を引き出す人材育成ではどういった取り組みをされているか。また、「ダイキン経営幹部塾」や、「ダイキン情報技術大学」など、学びを自らつかむための環境づくりといった具体的な取り組みについて、井上会長専属秘書として採用され「人を基軸とした経営」を間近で体得し、初の女性生え抜き執行役員として人材育成を担当する森様に伺いました。

ダイキン工業株式会社 執行役員 人材育成・女性活躍推進担当 秘書室 秘書担当部長 委嘱
森 圭子

「<事例講演Ⅱ>」の様子

Voice of attendees

「具体的な事例を共有いただけ、内容が充実しておりわかりやすい」

「ダイキン工業の取り組みを聞く事ができ大変有意義でした。」

「人を基軸におく経営を軸に、様々な施策を打ちアップデートしていることを知り刺激を受けた」

ダイキン工業株式会社
執行役員 人材育成・女性活躍推進担当
秘書室 秘書担当部長 委嘱
森 圭子


1997年、ダイキン工業株式会社入社。秘書室配属となり、現会長 井上の秘書を24年間担当。2011年、課長昇進。2015年、部長昇進。2021年、女性では当社初となる内部昇進の執行役員に就任。

<特別対談>

変化に強い人材育成を目指して
~未来視点で捉える日本企業のチャレンジ~

事業ドメインの再定義、構造変⾰を迫られる企業が増加する中、このパラダイムシフトをどう捉えていくか、人材育成の領域でも試行錯誤が続きます。本セッションでは、学習院大学の守島教授と、外資系企業で人事マネジメントの豊富な経験を有するリコーの瀬戸様をお迎えし、日本企業が取り組むべき人材育成の方向性を未来視点で考察しました。今まさに変革の只中にあるリコーを率いる瀬戸様ならではの視点により提議された、「人材育成の根本的な課題」「ジョブ型雇用の是非」そして「世代別の人材育成」など、多くの日本企業が有する共通の課題をもとに検証し、熱い議論が交わされました。

学習院大学 経済学部経営学科 教授、一橋大学 名誉教授
守島 基博

株式会社リコー コーポレート上席執行役員 CHRO 人事部部長
瀬戸 まゆ子

「<特別対談>」の様子
「<特別対談>」の様子
「<特別対談>」の様子
Voice of attendees

「特にお二人の対談では、瀬戸様のお話にうなづき、感心することが多く、大変参考になりました。」

「瀬戸さんの人柄、人事のプロとしての悩みに共感できた。」

「守島教授のお話は大変共感できるものでしたし、瀬戸様のお話も実際に苦労しながらも改革を推進する姿勢が見え大変勇気をいただく事ができました。」

学習院大学 経済学部経営学科 教授
一橋大学 名誉教授
守島 基博


米国イリノイ大学産業労使関係研究所博士課程修了。人的資源管理論でPh.D.を取得後、カナダ国サイモン・フレーザー大学経営学部Assistant Professor。慶應義塾大学総合政策学部助教授、同大大学院経営管理研究科助教授・教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2017年より現職。厚生労働省労働政策審議会委員、経済産業省産業構造審議会臨時委員などを兼任。2020年より一橋大学名誉教授。著書に『人材マネジメント入門』、『人材の複雑方程式』、『全員戦力化 戦略人材不足と組織力開発』(日本経済新聞出版)、『人事と法の対話』(有斐閣)などがある。

株式会社リコー
コーポレート上席執行役員
CHRO 人事部部長
瀬戸 まゆ子


日本の大学を卒業後、米国マサチューセッツ州の大学にて臨床心理学修士号取得後、米国クリニック等にて勤務。2000年にキャリアチェンジし、米国製薬会社の日本支社から会社員としてのキャリアをスタートする。その後、外資系金融会社や日系企業での人事経験を経て、2020年4月に株式会社リコーに入社。韓国(ソウル)とスイス(チューリヒ)で海外勤務経験。 

企画者からの御礼

この度は「The Next Leadership Agenda 2022 未来視点から「組織・人事」と「人材育成」を捉える企業変革Day2 「人材育成」:人を競争力の源泉に変える企業がすべき投資」へ、多くの方々にご視聴を賜り、誠にありがとうございました。

そしてこのたびの開催にあたり、多大なるお力添えをいただきましたご講演者の皆様、ご協賛社の皆様に、この場を借りて心からの御礼を申し上げます。

今後も引き続き、ビジネス・フォーラム事務局では、セミナー・フォーラム等の開催、そしてその感想やご意見を通じて、皆様の課題解決へのヒントや新たな気づきをお届けできるような機会を企画し、情報発信を続けて参ります。

最新のセミナー情報はこちらよりご確認ください。

株式会社ビジネス・フォーラム事務局
アカウント・エグゼクティブ 江倉 裕美