2022/03/16 (  水 )

The Next Leadership Agenda 2022 Day1<組織・人事>ショートレポート

The Next Leadership Agenda 2022 Day1<組織・人事>ショートレポート

The Next Leadership Agenda 2022

未来視点から「組織・人事」と「人材育成」を捉える企業変革

Day1<組織・人事>

Day 1「組織・人事」: CX実現のカギを握るパーパス経営とこれからの「組織・人事」のあり方

2021年のIMD「世界デジタル競争力ランキング」28位と過去最低を更新した日本企業。俊敏性、人事制度、人材マネジメントなどがDX推進の足枷となり、成長を低迷させてきた大きな要因と指摘されています。Day1では全ての変革の根幹となる「パーパス」、そしてこれからの「人事」・「組織」のあり方を注目のアカデミア、先進企業事例、そして経営者の視点から検証して参りました。

開催日:2022年2月21日(月)

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

協賛:株式会社iCare、株式会社HackCamp、マーサージャパン株式会社、ユームテクノロジージャパン株式会社

開催趣旨

脱炭素やデジタル変革への対応、そして長期化する新型コロナウイルスとの戦いを経て、経営を取り巻く環境は一変し、企業とヒトはあらゆる変化や変革活動に柔軟に適合するスピードとレジリエンスが求められています。予測困難なVUCAの時代では未来視点で企業の存在意義をあらためて問うことが重要であり、かつ今後の経済再開において競争力と企業価値最大化のカギを握るのは「人事」と「人材育成」に他なりません。

参加者の属性

≪業種≫
≪部門≫
≪役職≫

<基調講演>

パーパス経営 ~ 資本主義から志本主義へ

資本主義から「志本主義」へ ~ 環境の変化や社会の要請に柔軟に適合していくため、企業は変革を重ね成長を目指しますが、その方向性やその企業の「らしさ」を示すのがパーパス、すなわち『志』と説く名和教授より、いまなぜ経営に「パーパス=企業の存在意義」が重視されているのか。多くの企業が直面しているこの問いかけに、日本企業の本質的な強み、先進企業事例、そしてパーパス経営を実現するための「人事部門」の役割などにつき、ご紹介いただきました。 

一橋ビジネススクール 客員教授
名和 高司

「<基調講演>」の様子

Voice of attendees

「当社も経営理念やフィロソフィーを大切にしているが、それらをより経営の成果につなげるため、活用するための手がかりを感じ、更にパーパス経営を学び、研究したいと感じた」

「本セミナーの中では、学術的な視点でイノベーションや事例を知ることができた。今後役立つ」

「改めてパーパスの重要性を体系的に理解できた」

「主要企業の実例を用いてなぜパーパスが重要か、ヒトの資産価値の重要性を論理的に理解できた」

一橋ビジネススクール
客員教授
名和 高司


東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。2010年まで、マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。日本、アジア、アメリカなどを舞台に、多様な業界において、次世代成長戦略、全社構造改革などのプロジェクトに幅広く従事。2010年6月より、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任。ファーストリテイリング、味の素、SOMPOなどの社外取締役も務める。近著に『パーパス経営 30年先の視点から現在を捉える』(東洋経済新報社)がある。

<協賛講演>

ジョブ型雇用とパーパス経営

個々人のキャリア自律が強化され、人材流動性が高まるジョブ型雇用下において、組織の求心力の核となるパーパスを基軸とした経営はますます重要になってきます。本セッションでは世界有数の人事コンサルティングファーム、マーサージャパンの山内氏より以下の注目トピックについてお話しいただきました。

  • ジョブ型雇用で個人のキャリア自律が強化され、労働市場の人材流動性が促進される
  • 組織の遠心力が高まる中、優秀な人材を獲得する上で鍵となる「パーパス」
  • 真摯にパーパスに向き合っているかどうか、経営の覚悟が問われる

マーサー ジャパン株式会社 組織人事変革コンサルティング部門 代表
山内 博雄

「<協賛講演>」の様子

マーサー ジャパン株式会社
組織人事変革コンサルティング部門 代表
山内 博雄


日系銀行、外資系戦略系ファーム、事業会社経営企画・海外事業担当執行役員(香港駐在)等を経て現職。国内外の大手企業やスタートアップ企業への組織・人事戦略策定・人事制度設計、HRトランスフォーメーションなどのプロジェクトをリード。近著に『ジョブ型雇用はやわかり』(共著;日本経済新聞出版)がある。東京大学経済学部経済学科卒。

<事例講演>

KDDIのHR Transformation

KDDIは、早い段階からリモートワークやジョブ型人事制度の導入など果敢な人事制度改革に取り組み、多くの日本企業が注目するベンチマーク企業の代表格です。本セッションではKDDIの人事を束ねる白岩氏より、激変する環境に対応しうる経営基盤づくりの考え方、そして「人財ファースト企業」へのお取組み(制度改革、社内副業、DX人財、リスキリング等)を変革のポイントとご苦労話、そして今後の展望を交えご紹介いただきました。

KDDI株式会社 執行役員 コーポレート統括本部 人事本部長
白岩 徹

「<事例講演>」の様子

Voice of attendees

「経営層としての熱い思いが伝わってきた。現場の生の声は参考になる」

「今後、当社の目指したい方向性と非常に合致する印象を受けて、大変参考になった」

「良い部分だけでなく、現在の課題まで包み隠さず話していただけた点がありがたかった」

「ひとつひとつの人事制度の仕掛けが有機的につながっており、従業員が一枚岩になれるような仕掛けが大変参考になった」

「企業理念を源流とするフィロソフィの社員への浸透、人財ファースト、多様な人材の受入れ、公募制・ジョブ型への移行等、先進的な取組をお聞きし、大変参考になりました」

KDDI株式会社
執行役員
コーポレート統括本部 人事本部長
白岩 徹


1991年に第二電電株式会社(DDI、現KDDI)に入社。支社、支店での直販営業、代理店営業、本社営業企画部、営業推進部、カスタマーサービス企画部長など営業/CS部門の経験を経て、2013年人事部長。2016年総務・人事本部 副本部長。2019年4月より現職。

<特別対談Ⅰ>

パーパス経営と人事戦略

一橋ビジネススクール名和高司教授とKDDI執行役員 白岩徹様による「特別対談」では、DX、働き方改革、人事制度改革など、全ての変革活動の要となる「パーパス」や「経営理念」の重要性、浸透における課題、人事制度への落とし込みなど、多くの企業に共通する経営課題=「パーパス経営と人事戦略の整合性」についてKDDI社の実際の取り組みを検証しつつ議論を展開いただきました。

一橋ビジネススクール 客員教授
名和 高司

KDDI株式会社 執行役員 コーポレート統括本部 人事本部長
白岩 徹

「<特別対談Ⅰ>」の様子

Voice of attendees

「お二人の対話を聞きながら、今後の当社の人事制度の検討において、非常にうなずくことの多い、参考になることの多い、充実した内容だった」

「パーパス経営をKDDI人事制度に落とし込む狙い、中途採用者育成の参考になりました」

「パーパス経営の浸透、実践における課題がクリアになった」

「対談を通じ、両名の前半セッションが具体的な事例としてお伺いできたので、より理解が深まった」

<協賛講演>

健康経営がもたらす投資対効果と企業の取組事例

ESGやSDGsなど、経営に「社内への貢献」が必要とされるようになった時代において、同時に利益の追求する難しさに多くの企業が直面しております。そうしたなか、社内への貢献をしつつ、企業価値を高めることができるのが「健康経営」と言われています。本セッションでは今求められる「健康経営」とは何なのか?本当に投資対効果はあるのか?そして「働くひと・組織・社会」にもたらす効果などにつきまして、具体的な説明や事例とともにご紹介いただきました。

株式会社iCARE Sales & Marketing 健康経営アドバイザー
大北 健一朗

「<協賛講演>」の様子

株式会社iCARE
Sales & Marketing 健康経営アドバイザー
大北 健一朗


立教大学文学部文学科 英米文学専修卒。新卒で伊勢丹新宿店にて販売職を経験後、東証1部の転職エージェントにてアドバイザーとして従事。当時のチーム連続達成記録を更新。現在は株式会社iCAREにて、Sales & Marketing リーダーとして従事。2021年下半期MVPを獲得。

<特別対談Ⅱ>

スピード経営を実現する経営者の役割

新型コロナウイルス感染対策のみならず、今後も予測困難な有事の対応、さらには商機を見極める経営判断には、「スピードとレジリエンス」が今後の競争社会では益々求められてくるでしょう。デジタル分野でも先行する中国企業の雄、アリババのスピーディな事業展開を実現する組織づくり、そして迅速な意思決定を行う経営者の役割等につきまして、注目が集まるアリババ株式会社の香山誠社長と多くのビジネスリーダーから熱い支持を受ける米倉誠一郎教授により本音の議論を展開いただきました。

一橋大学 名誉教授 法政大学大学院 教授
一般社団法人 Creative Response-Social Innovation School 学長
米倉 誠一郎

アリババ株式会社 代表取締役社長 CEO
香山 誠

「<特別対談Ⅱ>」の様子
「<特別対談Ⅱ>」の様子
「<特別対談Ⅱ>」の様子
Voice of attendees

「冒頭の日本が置かれた状況の資料から、アリババのビジネスの考え方など、非常に興味深く、かつ耳の痛い話だった」

「リアルなビジネスイノベーションの話やアジア(特に中国)から日本の状況は興味深く、社内への説明等で役立つ」

「経営会議は動物園でもいい、説得の覚悟をもって切磋琢磨するというコメントが刺さりました。米倉先生のリードもいつもながらアグレッシブで大好きです」

「アリババと日本企業の考え方の差が面白かった」

「日本企業頭打ちの理由がわかり、生産性向上の意味が再認識できた」

一橋大学 名誉教授
法政大学大学院 教授
一般社団法人 Creative Response-Social Innovation School 学長
米倉 誠一郎


イノベーションを中心とした経営戦略と組織の史的研究が専門。ハーバード大学歴史学博士号取得(Ph.D.)。『一橋ビジネスレビュー』編集委員長、およびアカデミーヒルズの日本元気塾塾長でもある。プレトリア大学日本研究センター所長を経て、同日本研究センター顧問を兼任。著書は、『松下幸之助:きみならできる、必ずできる』(ミネルヴァ書房)、『イノベーターたちの日本史:近代日本の創造的対応』(東洋経済新報社)、『創発的破壊:未来をつくるイノベーション』(ミシマ社)、『2枚目の名刺』(講談社+α新書)、『経営革命の構造』(岩波新書)など多数。

アリババ株式会社
代表取締役社長 CEO
香山 誠


1986年ソフトバンクに入社。長年にわたる国内BtoBビジネス、さらには、国内や海外企業とのインターネットビジネスにおけるジョイントベンチャーの立ち上げを経て、2008年5月にアリババ株式会社代表取締役社長 CEOに就任。2018年2月にアントグループの日本法人 アリペイジャパン株式会社の代表執行役員CEOに就任。成長を続ける中国市場や新興諸国市場に対するインターネットを活用した販路開拓支援や、訪日客の取り込みと日本国内消費拡大の支援を通じて、地域経済および日本経済の活性化への貢献を目指している。