ラウンドテーブル形式によるイベントマーケティング実施の効果
第二回は、Anaplanジャパン株式会社カントリー マーケティング マネージャーの渡邊様に、B2Bマーケティングのあるべき姿、ラウンドテーブル形式によるイベントマーケティングの効果と、その成功の鍵を握る営業とマーケティングの連携などについてお話を伺いました。
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Anaplanジャパン株式会社 カントリー マーケティング マネージャー 渡邊 亜矢 氏 アクセンチュア株式会社にてコンサルタント業務に従事後、グローバル アライアンス ディレクターとしてパートナー企業との共同営業、マーケティング戦略立案、推進を担当。大手外資系ソフトウェア会社のマーケティング部門でチームマネージャーを担当したのち、2017年にAnaplanジャパン入社、現職に就任。日本におけるマーケティング部門の責任者として米国本社とのやりとりや、国内の活動を包括的に管轄している。 |
B2Bマーケティングにおいては、意思決定者へのアプローチが重要なポイントとなります。先進企業では、その意思決定者と双方向でコミュニケーションをとり、営業成果を最大化するラウンドテーブル形式のイベントマーケティングにチャレンジをしています。
渡邊様は、マーケティング活動の一環として、ビジネス・フォーラム事務局のサービス「ラウンドテーブル」を積極的にご活用いただき、自社の成果につなげていらっしゃいます。
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御社のサービスとB2Bマーケティングの戦略をお聞かせください。 |
弊社は「コネクテッド プランニング」という新しい概念で、組織横断的に各部門の業務計画立案および分析を行うクラウドソリューションを提供しています。
これまでのAnaplan日本法人の営業活動は、問い合わせベースの営業対応がメインでした。Anaplanは主に北米とヨーロッパを中心にサービスを展開していますが、日本のお客様も既にグローバルマーケットにおける弊社の実績や評価を良くご存じで、2016年のAnaplanジャパンの立ち上げ時から、お客様からの引き合いが多数ありました。
今後は、より私たち(Anaplan日本法人)が主導してお客様に提供できる価値を広く伝えるためにも、グローバルで事業展開されている多国籍企業のお客様を中心に、マーケティング活動を展開していく予定です。
なかでも、今最も重きを置いているのが、リードジェネレーションです。サービス導入の意思決定者に、きちんとAnaplanの提供できる価値をお伝えしていく。それによって購買意欲をきちんと醸成していくことが、マーケティングの重要な役割であると考えています。
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B2Bマーケティングのあり方や今後の流れについて、お考えをお聞かせください。 |
B2Bマーケティングにおいて、デジタルの流れは避けられないと思います。テクノロジーの進化により、どのようなお客様にリーチして、それに対してどのような反応があったのか、きちんと購買行動まで繋がったのかを可視化することができるようになりました。
一方で、何でもデジタルでいいのかというと、個人的には少し違和感を持っています。あらゆるビジネスの根幹は「我々が提供するサービスに対して価値を感じていただき、対価を払っていただく」という、人と人との繋がりだと思っています。実際のビジネス現場では、デジタルでは補えないことも少なくありません。ですから、「この会社のソリューションなら対価を払ってもいい」と思ってくださる方に対しては、対面での丁寧な営業活動やマーケティング活動が重要だと思っています。デジタルとリアル(対面)とのバランスをどのようにとっていくかは、大きなチャレンジです。
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B2Bマーケティングにおけるラウンドテーブルの効果について、どのようにお考えでしょうか? |
セミナーやウェビナー(インターネット上で行なわれるセミナー)と圧倒的に違うのは、テーマに関して議論する時間を通じて意思決定者の方々と直接、双方向のコミュニケーションがとれることです。お客様のニーズや課題をしっかりと聞き出したうえで、我々のサービスをご提案することで、さらに興味を喚起することができます。そのうえで、直接コミュニケーションを取ることで、お客様の持つ課題と我々のソリューションがどのようにマッチするかを深堀りでき、より密度の濃いマーケティング活動ができます。
これまでも御社(ビジネス・フォーラム事務局)にご支援いただきながら、マネジメント層向けにラウンドテーブルを開催していますが、1回の開催あたりで考えても、費用対効果はかなり高いと考えています。
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ラウンドテーブルでお客様と双方向のコミュニケーションをとるために、心がけていることがあればお聞かせください。 |
お客様一人ひとりの参加ニーズをしっかりと把握することです。少なくとも、参加の意思を表明していただけるということは、企画やプログラムに何かしら響くところがあるはずです。それは必ずしも我々のサービスではなく、ゲスト講演者に対してかもしれませんし、横の繋がり(参加者同士のネットワーク)を期待されているのかもしれません。当日は、できる限り一人ひとりがイベントへ期待することに対して応えることができるようにファシリテートすることを心がけています。それによって、「来て良かった」「Anaplanのイベントに来ると何か面白いことがある」「詳しい話を聞いてみたい」と思っていただけることが、まず重要だと思っています。人と人との繋がりができれば、「その人の話だったらもう少し聞いてみようかな」になると思っていただけると、私は信じています。
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B2Bマーケティングやラウンドテーブルの成功に向けた、営業とマーケティングとの関係についてはどのようにお考えでしょうか? |
集客対象の設定やイベント後のフォローにおいても、マーケティング部門と営業部門が意識を合わせることが、非常に重要になります。営業部門が日々の活動の中でお客様からいただいた課題を基に、我々マーケティング部門が企画を立案し、開催当日の進行方法などについても両部門で内容をすり合わせながら詰めていくようにしています。
マーケティング部門だけで進めてしまうと、おそらく営業部門は動いてくれません。営業部門が実現したいことを、マーケティング部門がきちんとサポートすること。両部門が、対等な関係で議論ができるかが重要です。異なる部門の人々が一丸となって、Anaplanを大きくしていくという共通の目標に向けて協力し合うことができるか。最終的なゴール設定を誤ってしまうと、それぞれの部門が短期的な数字目標を達成することにばかり集中してしまい、バラバラになってしまいます。いかに共通の目標を持てるかが、営業とマーケティングの連携による成果の最大化の鍵を握るのではないでしょうか。
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最後にビジネス・フォーラム事務局に何かご要望があれば、お聞かせください。 |
イベントの質や提案力については、特に高く評価しています。こちらの要望に沿って柔軟に対応していただけるところが、非常に助かっていますので、そういった柔軟性は今後も維持して欲しいと思います。お互いがブランドとして高め合えるような、対等なビジネスパートナーとして、時に厳しいことも言っていただきながら、よりよい関係を維持していければと思います。
ラウンドテーブル形式によるイベントマーケティング実施の効果や、営業とマーケティングの連携について、貴重なお話を伺うことができました。渡邊様、ありがとうございました。
(インタビュアー:ビジネス・フォーラム事務局 プロデューサー 兼 マーケティング戦略室 リーダー 北村 将)
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